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第二章 支配に侵された魔の手  第二十七話 ただの平和

 

 

例の事件から数日が経ち、殆ど回復し自由に動いてもいいと許可が出ていた。

 

だが、チリクだけは、骨折が治ってない状態で、猫の姿に何度も変身しようとしたせいで、ギフトをキレさせたので、変身出来なくする薬を飲まされたせいで、その不味さにやられ数日寝込んでいる状態だった。

 

そんなある日、ブルートから手紙が送られてきた。

運んで来たのは、“ アルビノの鴉(カラス) ”だった。

 

そして、導は、その手紙を読んで翌日、アンヘンガー帝國に向かった。

 

肩には、シンソウを乗せて

 

 

初めて、アンヘンガー帝國の城を訪れた。

灰色の大きな城、関心をしていると門番が話しかけて来る。

 

 

門番

「貴様、何のようだ」

「此処は、部外者以外立ち入り禁止だ」 

 

???

「部外者ではないわ」

「その子は、例の事件を終わらせてくれた“ 英雄 ”よ」

 

神陽導

「ブルート!」

 

門番

「ブルート様!」

「ブルート様がお呼びしたのでしょうか?」

 

ブルート

「呼び出したのは、国王よ」

 

門番

「国王様が!?」

「あ、先ほどの無礼な態度お許しくださいませ。“ 英雄 ”様」 

 

神陽導

「そんな“ 英雄 ”様だなんて、えへへ」

 

ブルート

「それじゃ、導ちゃん」

「国王が待ってるから、行きましょうか」

 

神陽導

「は〜い、お仕事頑張ってね〜」

 

門番

「はい!」

 

 

門番の元気の良い返事を聞いて、大きな門の奥へ向かう。

門を潜ると、広い中庭を挟んでお城が建っていた。

 

そして、案内された部屋に入ると…そこには…

 

 

ギフト・シズム

「おい、ここから出せ!出せと言ってるだろ!」

 

神陽導

「なんで、コイツがここにいんの!?」

「早く討伐しなきゃだよ!」

 

ギフト・ヴィッセンシャフト

「大丈夫だ。兄さんの結界で身動きは取れない状態だ」

「まぁ、逃げ出した所で、俺が作った《《幻夢》》特効の薬をばら撒けばいいだけだ」

 

神陽導

「なんか、不憫…」

 

ギフト・ヴィッセンシャフト

「私は、コイツの事を色々調べるから、これで退席する」

 

ギフト・シズム

「何をする!離せ!離せと言ってるだろ!」

「この化け物!変質者!研究野郎!研究オタク!おい!ゴラ離せぇぇぇぇ!!」

 

 

ギフト・ヴィッセンシャフトは、ギフト・シズムの首根っこを掴んで引っ張って部屋を後にした。

その様子を、少し引いた状態で眺める一同だった。

 

 

ニヒツ

「……導」

「今回の件、本当に助かった」 

 

神陽導

「いのいの、私が助けたいって思ったから協力したし…」

「最初は、色々と誤解してたし…」

 

ニヒツ

「そうなるのは、こっちにも原因はあったからさ…」 

 

神陽導

「それじゃ、お互い様って事で」

 

ニヒツ

「!…うん」

 

 

そして、視線が、導の肩に乗っていたシンソウに移動した。

 

 

ニヒツ

「大丈夫?」

 

シンソウ

「えぇ、大丈夫なんですが…疲れがあまり取れなくて…」

「長時間飛べなくなってしまったんですよね…」

 

 

シンソウは、少し口呼吸で呼吸を行っていた。

 

 

ブルート

「ギフトに見せたら、分かるかしら?」

 

神陽導

「どうだろう?お医者さんに見せたけど、「過度に力を使用した事による重度の疲労」としか言われなかったから…」

 

ブルート

「この近くに、疲労回復に役立つ温泉あるから、今日はそこに泊まったらいいわよ」

「こっちで手配はしておくから」

 

神陽導

「それでいい?」

 

シンソウ

「はい…」

 

神陽導

「ねぇ、これから魔界や魔界大帝國はどうなるの?」

 

ニヒツ

「バアルゼブルは、後継者を育成していなかったから、こっちの方で、育成したのちに、その人たちで最も適任な人を選んで魔界大帝國の帝王にする予定」

 

ブルート

「まぁ、それまでは一時的に、アンヘンガーが魔界大帝國の主権を握って、色々立て直す予定よ」

「そのせいで、お姉さんやニヒツのお仕事の量増えちゃったのよね」

 

神陽導

「私に手伝えることはないかな?」

「昔は、《《先導者》》として魔界の統治も行ってたし」

 

ブルート

「昔と色々、違うかもだけど…」

「少し頼っちゃおうかしら」

 

ニヒツ

「バアルゼブルが、起こした問題は、まだ、解決出来てない部分もある」

「それに、まだ、把握してない部分もあるから、それがある程度まとまってからかもしれないけどね」

 

神陽導

「分かった」

 

 

それから、ニヒツたちと軽い雑談を下のちに、ブルートが手配しておいた温泉旅館に向かって、軽く休息を取る事にした。

 

 

_________________

 

 

導が目を覚ますと、時刻は18時を指していた。

すると、女将さんらしき魔族がやって来て、お風呂場まで案内してもらい髪や身体を洗い終わり、湯に浸かろうと奥まで行くと…

 

3名の先客がいた。

 

一人は、灰色髪のショートヘアの人、

一人は、赤いピンク髪のお団子ヘアの人

一人は、紫髪のお団子ヘアの人

 

が団欒とお湯に浸かっていた。

近づけば、ニヒツたちだった。

 

 

神陽導

「なんで、いるの!?」

 

ブルート

「そんなの、貴方ともっとお喋りしたいからよ」

 

ギフト・ヴィッセンシャフト

「何故、私まで…」

 

ブルート

「ニヒツが、「一緒に行きたい」って言ったからよ」

 

ギフト・ヴィッセンシャフト

「そうか、それは仕方ないな」

 

 

導は、ブルートの隣りに浸かる。

シンソウも、風呂桶に温泉のお湯を入れてそこに浸かっていた。

 

ニヒツは、ブルートに抱きつき頭を撫でてもらいながら浸かっており、ギフトもメガネが曇っている状態でブルートの近くに浸かっていた。

 

 

神陽導

「ふわぁ〜」

「体に染みる〜」

 

ブルート

「そうでしょう〜」

「ここの温泉は、お肌にもいいのよ〜」

 

ギフト・ヴィッセンシャフト

「それで、何か聞きたいことはないか?」

「どうせ、近々、一度は神界に戻って魔界の現状でも伝える必要だってあるだろう」

 

神陽導

「あっ、そうそう」

「今、思いつく限りだと、シンソウの体力問題とアンヘンガー帝國の時間の感覚を聞きたいかな」

 

ギフト・ヴィッセンシャフト

「シンソウくんの方は、私から様子を見るに体力回復剤を処方するから、それを飲ませて安静にして見れくれ」

「ってのが、今の俺の回答だ」

 

ブルート

「時間については、アンヘンガー帝國の土地が原因なのよね…」

 

神陽導

「土地?」

 

ニヒツ

「アンヘンガー帝國の領土は、元々、魔界大帝國の領土だった」

「でも、土地が異色なんだよ」

 

ブルート

「これは、例えばだけど…」

「丸い球体を回したら、普通は一方向に回転する」

 

ニヒツ

「でも、アンヘンガー帝國があるこの土地の所だけは、逆回転して回転している」

「だから、アンヘンガー帝國は時間は進むのでなく。逆行するって言う現象が起きるの」

 

ギフト・ヴィッセンシャフト

「それを、兄さんは、力付くで無理矢理、逆回転する土地を正常の回転になるようにしたって感じ」

「ただ、そうしたら逆に早く回転してしまって、いい感じに調整ができなくてな…」

 

ニヒツ

「だから、時計の進むスピードだけは可笑しいままだけど…」

「大結界使って、空の色は、魔界大帝國や周辺の土地から参考にして写してる」 

 

神陽導

「ってことは、アンヘンガー帝國の空は、偽物?ってこと?」

 

ブルート

「そう言う事」

 

 

その後も、色々と質問して答えを貰った。

 

 


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