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第二章 支配に侵された魔の手 第十八話 アンヘンガー帝國と言う名の魔の手

 

 

十字架の様に木の板に貼り付けられて気絶している導

その近くでは、スライムの様な黒い人型のものが、紫色の肌をした白衣を着た集団と戦っていた。

 

導が、ゆっくり目を開けると、そんな光景が広がっており、目が点になって何が起こっているのかまったく理解していなかった。

 

とりあえず、紫色の肌をした白衣を着ている人たちが味方だと思い、心の中で応援していた。

 

その応援のお陰なのか、スライムの様な黒い人型のものが、ドンドン倒れていき、残りの一体を倒し終えると、紫色の肌をした白衣を着ている人たちが、地面に転がっている敵や身内の残骸を片付けているところで、強烈な眠気に襲われ、また、眠ってしまう。

 

 

神陽導

「ん…ん?」

「此処は…ッッ……」 

 


 

導が、目を覚まし起きあがろうとすれば、首元に軽い痛みが走る。

辺りを見渡す。

 

木製の部屋である事が一目で分かる。

右を見れば、木製のテーブルと椅子、テーブルの上には青い魔薔薇がいけてあった。

 

左を見れば、壁に付けられるタイプのカウンター机

その上には、実験器具が置いてある。

 

部屋には、檜の香りが漂っており、部屋にいるだけで心地のよいものだった。

 

 

ガチャ…

 

左側にあった扉が開く。

入って来たのは、紫色の長いポニーテールに白衣の高身長の男性…ギフトだ。

 

導が、身を動かそうとすれば、片腕が上がらない。

その腕を見れば、注射痕があった。

 

 

ギフト・ヴィッセンシャフト

「起きていたか」

 

神陽導

「此処は…それに、何したの?」

 

ギフト・ヴィッセンシャフト

「治療をしたに過ぎない」

「それと、此処は僕が保有する山小屋的な簡易拠点だ」

 

神陽導

「信用できない…」

「貴方達がやってる事…理解してるの?」

 

ギフト・ヴィッセンシャフト

「嗚呼、理解してるとも」

 

神陽導

「どうして助けたの?」

「帝王に怒られるんじゃ…」

 

ギフト・ヴィッセンシャフト

「君がいないと、始まらないからだ」

「君には、我々、アンヘンガー帝國が欲しがっているものを保持している」

 

神陽導

「それを狙って、幻(・)夢(・)を使って…」

 

ギフト・ヴィッセンシャフト

「少なくともそれは、違う」

 

神陽導

「えっ…」

 

ギフト・ヴィッセンシャフト

「あの様な“ 試薬品 ”よりも粗悪なゴミ以下の粗悪品なんてもん、僕が作るわけないだろ」

 

 

導は、内心ドン引きしていた。

「あっ…なんか、地雷踏んじゃったかも…」

と思っていた。

 

 

神陽導

「そんな粗悪品なの?」

 

ギフト・ヴィッセンシャフト

「粗悪品だな、実際、解毒剤を作るのに30分も要さなかった」

「通常の幻(・)夢(・)による幻影の解毒剤なら5分も有れば作れるからな」

 

神陽導

「貴方が作れば…どれくらいの…」

 

ギフト・ヴィッセンシャフト

「まぁ、確実に…魔界全土を半日も有れば余裕で幻(・)夢(・)の地中に収め、幻(・)夢(・)に置かれされいる事にも気付けずに、魔界の生命力を奪えるだろう」

 

 

導の額に冷や汗が出る。

 


ギフト・ヴィッセンシャフト

「まぁ、あの粗悪品には、そんな効果ないから安心しろ」

 

神陽導

「さっき、解毒剤って言ってたけど…」

「私に何があったの?」

 

ギフト・ヴィッセンシャフト

「幻(・)夢(・)の王が、君の首から体内に魔脈の樹液の原液を注入した」

 

神陽導

「ファ!?」

「いや、なんで、そんな淡々としてられるの!?」

 

ギフト・ヴィッセンシャフト

「何を言ってる」

「私としては、採血やら解剖などして、君の肉体的な構造を知りたいのを我慢しているのだが?」

 

神陽導

「あっ、えぇあ…ごめんなさい…」

 

ギフト・ヴィッセンシャフト

「別に、謝んなくていい」

「それと、君のお仲間さんは、僕らの王国で丁重に監禁(保護)している」

 

神陽導

「!…」

 

ギフト・ヴィッセンシャフト

「君は、二週間ほどの間眠りについていたが、身体はまだ、数日分の休息を欲している」

「君の肉体が、完全復活するまでは、お仲間さんの元には連れて行けない」

 

神陽導

「その間、シンソウの身の安全は…」

 

ギフト・ヴィッセンシャフト

「それは、帝王の指示だ。確実に、保証されるだろう」

「心配なら、帝王に頼んで、映像を送ってもらう事も出来なくはない」

 

神陽導

「分かった。一時的に信用する」

「少なくとも今の貴方からは、敵意を感じないから」

 

ギフト・ヴィッセンシャフト

「そうか、それは感謝したいものだ」

 

 


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