第二章 支配に侵された魔の手 第十七話 蝕むもの
ルーナーが、逃げ込んでいる洞窟にて…
ルーナーは、相変わらず寝ている。
あまり動かない様にして、無駄な消費を抑えるためだ。
近くには、“ 月の昏い ”がいた。
“月の昏い”
月神を信仰している眷属の様な種族
基本的に、月の髪飾りをつけた妖精の姿をしているが、人型の姿になる事も出来る。
だが、そこにプーラの姿は無かった。
“ 月の昏い ”たちは、プーラが居ない事にはあまり驚いていない。
現在、プーラは“ アンヘンガー帝國 ”の方にいる為である。
ルーナーは、この事を知っている。
眷属だから、眷属の情報は頭の中に流れてくる。
今回の魔脈の問題、幻夢の問題、現在の魔界の問題…
これらの問題を引き起こした犯人をルーナーは、分かっている。
洞窟入り口にて…
高身長でかなり細身姿、2枚の翼と2枚の独特な形をした翼、顔には紙の様なものを貼り付けている。
そんな人がいた。
???
「みーつけた…」
「魔界の月の神…ルーナー・メーシャツ」
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魔界大帝國 最上部 会議室
そこには、2メートル近くはある大柄そうな黒い肌の魔族こと…
魔界大帝國、国王、トゥア・シズム
ドン
トゥア・シズム
「アガッ…ゼェ…ゼェ…」
トゥアが、胸元を押さえ付けながら苦しんでいる。
会議室の机を握り潰してしまうほど、苦しんでいる様だ。
トゥアの目の前まで、誰かがやって来る。
黒い髪に鋭い目、吸血鬼の様な大きな八重歯が目立つ吸血鬼の様な存在
???
「おやおや、お兄様が出てきそうなのですか?」
トゥア・シズム
「あぁ、そうかもしれん…」
???
「そうですか」
「では、時期もいい頃なので、これでも使いましょう」
男は、懐から、直径6センチはありそうな黒いビー玉を取り出す。
トゥアの顔が歪む。
???
「そんな顔しないでください」
「大丈夫、これはお兄様も鎮めるものですから」
トゥア・シズム
「分かっている…ゼェ…ゼェ…」
???
「では、始めましょう」
謎の男が、黒いビー玉の様なものを持って近づく。
トゥアは、数歩だけ後ろに後退る。
だが、目の前には既に男がおり、そのまま心臓に向かってそのビー玉を埋め込む。
トゥアが、頭を抑え出し、その場に崩れる。
???
「大丈夫ですよ」
「少し、お兄様の記憶を消して、お兄様の事を助けれなかったアンヘンガー帝國に敵意を向けるだけですから」
トゥア・シズム
「アガッ!?アッ!ガ!?」
「アァァァ!!兄さん!兄さん!!嫌だ!忘れたくない!」
「嫌だ。兄さん…」
トゥアは、数分間苦しんだ。
そして、何事もなく立ち上がる。
トゥア・シズム
「醜いところを見せたな、客人」
???
「いえ、大丈夫ですよ」
「では、会議を続けましょう」
トゥア・シズム
「嗚呼、そうだな」
「これからの魔界について…」
???
「えぇ…」
男は、目を細める。
トゥアの目は、以前より鋭くなっている様に見えた。




