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第二章 支配に侵された魔の手 第十五話 叫び声

 

 

アンヘンガー帝國から、魔界大帝國の首都まで向かう古代装置までの距離は、かなりある。

導は、早歩きで古代装置に向かっていた。

 

導は、最初この魔界に来た時の事を思い出していた。

 

「ニヒツは、遠隔で現れていた。

もし、今も監視されているなら、私の行動は基本つつ抜けと見るのが正しい」

 

そう頭の中で考えを宿らせる。

 

「喋らなければ、監視されても意味ない。だけど、伝えると言う行為が不可能になる。

でも、“ 監視されてない時間 ”や“ 監視されてる ”かどうかが分かれば少しは楽になるが…」

 

と次々に考えが浮かんでしまう。

 

 

シンソウ

「主人様!主人様!」

 

神陽導

「ハッ!あっ、何?」

 

シンソウ

「考えすぎで、間違えて森の奥の方向に進んでますよ」

 

神陽導

「あっ…」 

 

シンソウ

「これからの事を考えるのはいいですが、歩きながら考えるのはやめてください」

「今回は、道に迷っただけで済んでますが…危険な事はあり得るんですよ」

 

神陽導

「ご、ごめん…」

「とりあえず、戻ろっか」

 

 

導が、一歩踏み出そうとした時、足元の空間が無くなる。

 

 

神陽導

「!?…」

「キャァァ!!」

 

シンソウ

「主人様!?」

 

 

導は、そのまま地面の中に落ちてしまう。

シンソウもその穴の中に落ちようか考えていると…

 

複数の魔族に囲まれる。

 

 

シンソウ

「何をするのですか!」

「主人様!!」

 

 

そのままシンソウは、何処かに連れ攫われてしまう。

 

 

______________

 

 

一方、導は…

 

ゴーーー

 

っと、音を立てながら、落ちていく。

手を必死に動かす。だが、その手は、全て空を切る。

 

 

神陽導

「!…」

「マズイ、このままじゃ!」

 

 

耳元で、聞き慣れた…嫌な声が聞こえる。

 

 

ギフト・シズム

「やっと…落ちてくれた」

 

 

横を見れば、薄紫色に淡く発光するギフトにそっくりな幻(・)夢(・)のコピーが一緒に落下していた。

 

 

神陽導

「なんで貴方が!」

 

ギフト・シズム

「そんなのエネミーの協力で、君を強制的に僕らの“ 一(・)部(・) ”にするんだよ」

「嗚呼、これで、僕らは…醜い魔界もいい魔界になるよ」

 

  

導は、武器を召喚すると、ギフトに向かって斬り付けるがサラッと避ける。

 

そして、周囲に大きめの茶色や緑色に輝く星が現れ、それを足場にして上に戻ろうとする。

ギフトの顔に、怒りが現れる。

 

 

ギフト・シズム

「テメェ!逃すと思っているのか!」

「既に、オメェの仲間は死んでんだぞ!」

 

 

導の動きが止まる。

が、「“ 嘘 ”だ」そう思って、引き続き上へと向かう。

 

ギフトの方も負けじと、薄紫色の霧の様なものを飛ばして、飛んでやって来る。

 

ガシッ

 

ギフトの手が、導の足首を掴む。

そのまま、下に引っ張り導に、抱きつく。

 

 

ギフト・シズム

「ずっと、これで一緒」

「あの時の様にはさせないよ」

 

神陽導

「……!」

 

ギフト・シズム

「君の辛い過去も経験も私たちと共有し合い、紛らわそう」

「大丈夫、ずっと僕が…僕らが守ってあげる」

 

「ヘルメス・ルシテア」

 

 

導の瞳が、大きく見開く。

そして、大粒の涙が出て来る。

 

首元に、痛みが走る。

 

原因は、ギフトが首元噛み付いていた。

ギフトは、何かを導の首元から注ぎ込む。

 

導が、目を閉じようとした時、目の前を“ 白い鳥 ”が飛んでいるのが見えた。

 

 


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