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第二章 支配に侵された魔の手 第十四話 包帯の奥底にある帝王

 

 

翌日、13時の待ち合わせのカフェにて…

 

 

リューゲ

「導ちゃん」

 

神陽導

「あっ、リューゲさん!」

「こんにちは!」

 

リューゲ

「えぇ、こんにちは」

「それと、カード持って来たわよ」

 

 

導の目が輝く。

   

 

リューゲ

「じゃ、早速行きましょ」

 

神陽導

「はい!」

 

 

リューゲは、導にカードを手渡し、魔界大帝國とアンヘンガー帝國の国境地帯にやって来る。

そこには、透明だけど、何かがある事が分かる。

 

 

リューゲ

「このカードを持っておけば、自由に出入りできるから無くさないでね」

 

神陽導

「うん、分かった」

 

 

そして、リューゲは何事も無く通り抜ける。

導もシンソウを肩に乗せて、進む。

 

すれば、すんなりと通り抜けられる。

 

 

神陽導

「ホッ…」

 

リューゲ

「これで、アンヘンガー帝國に行けるわね」

「それじゃ、この古代装置の使い方は分かるわよね?」

 

神陽導

「うん!」

 

リューゲ

「此処にある奴は、アンヘンガー帝國の最大にして中心都市の「王」って言う街に行ける古代装置よ」

 

神陽導

「おっ!」

 

リューゲ

「私は、ちょうどこれから用事があるから、此処でお別れだけど…」

「安心してね。アンヘンガー帝國の民は優しいから」

 

シンソウ

「そうですか」

 

リューゲ

「それじゃ、さようなら」

 

 

そう言って、リューゲは、その場から立ち去った。

 

 

導とシンソウも、古代装置を使って、アンヘンガー帝國の最大都市「王」に向かった。

 

 

目を開けると、其処には、多くの人々が往来する大きな発展した都市だ。

その発展具合は、移動には路面電車に似た乗り物を利用し、空を見上げればバイクの様な乗り物が空の上を飛んでいるではないか。

 

導とシンソウは、「なんじゃこの都市はぁぁぁ」と叫びたい気持ちを必死に抑えて、周囲を探索する。

 

 

すると、いい匂いのする場所を発見する。

 

そして、シンソウが導の手首を見る。

導の手首には、腕時計が付けられていた。

 

それは、トゥアからのプレゼントとして貰った時計だった。

 

時刻を確認すれば、16時を指していた。

 

 

シンソウ

「主人様、主人様は、体感何分くらい歩いていましたか?」


神陽導

「えっ、10分くらいじゃ…」

 

シンソウ

「ですが、時計は、16時を指していますよ」 

 

神陽導

「えっ?」

「……マジじゃん!」

 

 

導も咄嗟に時計を見る。

時刻は、16時だった。

 

2人が困惑していると、「グゥ〜」っと音がなる。

シンソウが、導の方を見ると…

 

導は、顔を真っ赤にしついた。

 

 

神陽導

「アハハ…忙しすぎて、お昼ご飯食べてなかったから、お腹空いちゃった」

 

シンソウ

「では、近くからいい匂いのするお店がありますので、そちらに訪れましょう」

 

 

2人が、近くのお店に入ると、店員がやって来て名前を確認してくる。

そこで、「神陽導とシンソウです」と答えると、店員は「席にご案内します」と言って一番奥の席に案内される。

 

そこには、一人のフードを被った先客が居て、相席する事になった。

 

 

神陽導

「あっ、えっと、相席…失礼します…」

 

  

シンソウもペコリとする。

フードを被った先客は、何も答えない。

 

2人も、席に付けば…先客が、口を開く。

 

 

先客

「君たち…知りたい事は?」 

 

神陽導

「えっ、あ〜ん〜アンヘンガー帝國の事や国王ニヒツについてとかかな」

 

先客

「国王ニヒツについては、答えられない」

「国王ニヒツは、“ 帝王 ”だから」 

 

神陽導

「!…」

「あっ、そうだったの!?ごめんなさい…」

 

先客

「アンヘンガー帝國について答えるなら…」

「平凡で平和な国家、争いなど起きない。中立的で穏和な国家…僕ならそう答える…」

 

シンソウ

「では、私から」

「貴方のお名前は?」

 

先客

「答えられない。僕は、“ 王 ”の命令で来てるから」

 

 

2人に緊張が走る。

先客は、淡々と話し続ける。

 


先客

「好きなもの頼んでいいよ」

 

神陽導

「えっ、ありがとう」

 

シンソウ

「……ありがとうございます…」

 

 

2人は、メニュー表で顔を隠すと小声で、話し合う。

 

 

神陽導

「ねぇ、なんか、私達の正体バレてない?」

 

シンソウ

「えぇ、確実にバレてますね…」

 

神陽導

「どうしよう…」

 

シンソウ

「少し、踏み込んだ話をしてもいいでしょうか?」

 

神陽導

「構わない」

「私も聞きたい事は山ほどあるし…」

 

 

2人は、視線をメニュー表に移し、食べたいものを選んで運ばて来る間に、先客に質問を掛けた。

 

 

神陽導

「アンヘンガー帝國での、魔脈に関する問題はある?」

 

先客

「今の所、主要都市では問題は起きてない」

「だが、ローゼ=マール王国やマイヤ連邦王国との国境地帯では問題視されてはいる」

 

シンソウ

「貴方は、わたくしたちに何をする気ですか?」

 

先客

「今のところ、我々に不利益となる行動をしなければ、何もしない」

 

神陽導

「私が、ギフトやフラメンに「会いたい」っと言った時は会える?」

 

先客

「彼らに、時間が有れば会えるが、今は、かなり仕事が立て込んでいるから不可能だろう」

 

神陽導

「そっか…」

 

シンソウ

「貴方達の目的は?」

「何故、幻(・)夢(・)や月光の回収などをするんですか?」

 

 

その言葉を聞いた導は…

 

「それ、流石に不味くない!?大丈夫な質問なの!?」

 

と内心ヒヤヒヤしていた。

シンソウの顔にも、冷や汗があった。

 

 

先客

「現在の魔界は、不利益だ」

「民同士で争い合い。知性も遅れ、弱肉強食の世界だ」 

 

神陽導

「それを変えたいの?」

 

先客

「嗚呼」

「正確には、魔界を我が物にして、この狂った世界をもう一度改変する事だ」

 

シンソウ

「…ッッ……」

 

先客

「その為に、我々、アンヘンガー帝國は、エネミーとファイントと手を組んだ」

 

シンソウ

「!?」

 

 

導とシンソウは、一気に警戒心を高める。

ファイントは、神界で暗躍してた“ 悪の組織 ”

 

逆に、“ エネミー ”は、魔界を主に活動拠点としているファイントと同列の“ 悪の組織 ”だ。

 

 

先客

「そんなに、警戒しなくてもいい」

「ファイントが、神界で何をやらかしたのかもこちらは、把握している」 

 

神陽導

「どうして、そんな奴らと手を組んだの…?」

 

先客

「先ほども言った通りだ」

「魔界を改変する為に、彼らの力が必要なだけだ」

 

シンソウ

「私が、それを“ 止(・)め(・)る(・) ”と宣言したら?」

 

先客

「勝手にすればいい、命を落としたいので有ればな…」

 

 

そんな所に、食事が運ばれて来る。

先客は、その食事が届けられたのを確認したのとに、静かに席を立ち上がり、会計をして、店を立ち去った。

 

 

導たちは、食事を早々に済ませ、店を後にはした後…

アンヘンガー帝國の城に視線を移す。

 

その目は鋭かった。

 

また、沢山の“ 死(・) ”を目撃するかもしれないからだ。

それは、確実に止めなければならない。

 

 

店は、後ろを振り向く。

この事を魔界の国王たちに「伝えなければ」と言う使命に駆られているからだ。

 

 

______________

 

 

紅月の月明かりが執務室に差し込む。

フードを脱ぐうと灰色の髪に目元を包帯で隠している人物がいた。

 

そう、ニヒツだ。

 

 

部屋には、ブルートにギフト…フラメンと重役が勢揃いだった。

 

ニヒツは、月を窓から覗く。

 

 

ニヒツ

「さぁ、どう動く…」

「支配に呑み込まれた魔界大帝國…」

 

 


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