第二章 支配に侵された魔の手 第六話 道を失った者
亡くなった魔界の民たちに、“ 哀悼 ”を終えた。
導は、大きな声でシンソウとヴァーテルを呼ぶ。
だが、返事はない。
声の届かない遠くに行ったのかと思い、歩きながら大きな声でシンソウとヴァーテルを探す。
だが、それでも見つからない。
数十分ほど、周辺を歩いたが見つからない。
神陽導
「もう!何処に行ったの?」
「もしかして…!」
導の脳内に最悪なことが思い浮かぶ。
それは、「2人に何かあって、ピンチになっている」や「誘拐されている」
他にも、「事件にあっている」や「怪我をして動けない状態」と、嫌な情景しか思い浮かばない。
すると、背後から肩に手を置かれる。
神陽導
「ひっ!」
??
「お前、何をしている」
背後から、男性のような声が聞こえる。
ガクガク震えながら、後ろを振り向き、瞬時に距離をとる。
背後にいたのは、高身長の紫髪が特徴的な男性が立っていた。
導は、刀を取り出そうか考えていると、男性が話しかけてくる。
謎の男性
「お前、ここで何をしている」
「道に迷ったのか?もうすぐ、家に帰らないと幻夢が発生するぞ」
神陽導
「幻夢?」
謎の男性
「幻夢を知らない…もしかして君…」
「名前は、神陽導か?」
神陽導
「えっ、うん」
謎の男性
「嗚呼、そうか」
「とりあえず、君が探している2人は先にショーラ・ムー王国に帰っている」
神陽導
「あっ、そうだったの!?」
導の脳内に、「なんで教えてくれなかったのぉぉ!!」と思ったものの…
ヴァーテルに、「あの場面を見られずに帰るには、知らせない方がいいのかな」とも瞬時にそう思った。
紫髪の男性の案内の元、ショーラ・ムー王国に帰る事になった。
無言のまま歩いていれば、導の心の中に、少なからず“気まずさ”が出てくる。
神陽導
「……あの、」
謎の男性
「喋るな、既に、幻夢がただより始めている」
「情報を渡した瞬間、抜け出せなくなる」
男性の言葉を聞いてあたりを見渡せば、薄紫に銀色のラメのようなものが混じった霧が発生していた。
男性が、足を止める。
謎の男性
「読み込まれたか…あの会話だけで…」
「導、今からみる物事には、決して触れたり耳を貸すな」
神陽導
「えっ、分かった」
「けど、なんで…」
謎の男性
「彼処に、何か見えないか?」
男性が、指差した方向に薄紫に発光する魔族と思われる人がいた。
謎の男性
「あいいう風になりたくなければ、無視して歩き続けろ」
そう言ってからは、2人は、早歩きで急いで抜けれるように歩くが…
周辺からは、「助け」を求める声や「怒鳴り声」
他にも、「悲鳴」や「銃声」色々な声や音が聞こえる。
導は、それらを無視して歩き続ける。
すると、ガタガタと音が鳴り響き、謎の男性が後ろを振り向けば…
地面に大きな亀裂が、導たちに向かって伸びていた。
謎の男性
「導、走れ!!あれに触れた瞬間から死ぬぞ!!」
その声を放ってからは、2人は、思いっきり走り出す。
謎の男性も走るが、研究者の様な見た目をしている割りには、かなり早いスピードで走っていた。
それに、驚きつつも走り続ける。
亀裂は、2人を囲い込むように周囲から迫ってくる。
後ろを振り返る。
背後にあった背景は、無くなり、真っ黒い“ 何か ”が迫って来ていた。
そして、ある程度走り続けると亀裂は、迫って来ていなかった。
ホッと安心して、前を見れば、謎の男性の体が徐々に淡く薄紫色に発光して行く。
後ろに後退して行くと…背後は、かなりの高さのある崖になっていた。
謎の男性は…不気味な笑を浮かべ、導に近づく。
謎の男性
「最上級神さまぁ〜会いたかったですよぉ〜」
「我々は、貴方を求め続けていたんですよぉ〜」
「さぁ、我々の一部となって魔界を支えましょう〜」
謎の男性が、導の肩をがっしりと掴み、逃げれないようにする。
導が、抵抗しようとするが、力が強すぎて、逃げれなかった。
謎の男性
「我々は、アンヘンガー帝國から生まれた魔界を救う者」
「さぁ、我々の一部となって、なって…なって…なって…」
男性が、抱き着いて来て、そのまま崖下へと落下して行き…
意識が、薄れていった…




