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第二章 支配に侵された魔の手 第五話 藍色(哀悼)の炎

 

ニヒツとフラメンが、消えた部屋は沈黙がなれると思いきや…

 

 

ヴァーテル

「ねぇ、ねぇ!さっき魔脈って言った〜?」

 

神陽導

「うん、言ったよ」

 

ヴァーテル

「此処に途中に、大きな木の根みたいなのがあってね」

「其処に、小さい丸い竜巻があったの!」

 

シンソウ

「ん?」

「小さい丸い竜巻…これって」

 

神陽導

「破損した魔脈だよ。きっと!」

「ねぇ、ヴァーテルちゃん!そのさっき言った場所って覚えてる?」

 

ヴァーテル

「うん!ヴァーテルはいい子だから覚えてるよ!!」

「ついて来て!!」

 

チリク

「そう、行ってらっしゃい」

 

 

そう言えば、チリクは、少し大きめの猫になってソファーに丸くなって眠る。

導は、その姿を見て、目をギョッとしたが、魔界は、神界と違うのだから「当たり前」と無理矢理納得して、ヴァーテルに手を引かれる形で、案内して貰った。

 

 

数十分ほど、歩いて…行き着いたのは、ショーラ・ムー王国の都市部から約20kmと言う近場の場所にある森だ。

 

 

ヴァーテル

「此処だよ!」

 

 

目の前には、また悲惨な惨状が…

魔脈を知らない魔界の民が、「魔脈の樹液」に触れたせいで即死していた。

 

だが、此処は、まだ、軽い方なのか腐敗臭はしていなかった。

 

 

ヴァーテル

「皆んな、おねんねしてていいなぁ〜」

 

神陽導

「……………」

 

シンソウ

「………」

 

 

導とシンソウは、内心…

「この子は、純粋すぎる。死なんてものを知らないんだ」

そう思った。

 

 

神陽導

「シンソウ…お願い出来る?」

 

シンソウ

「‥…!承知致しました」

「ヴァーテル様、この近くにもこの様な場所があるかどうかと言うゲームをしましょう!」

 

ヴァーテル

「する!!」

 

 

そう言って、ヴァーテルとシンソウは、その場から離れた。

導は、シンソウが、自分の意図に気づいてくれた事に感謝しつつ、魔脈を守る様にある小さく丸い竜巻に触れる。

 

其処には、まだ、出来立てホヤホヤの小さな傷が無数にあった。

 

亡くなっている魔界の民もかなり小さな姿をしているので、すぐにこの子達である事がわかった。

 

導は、亡くなった魔界の民に軽く手を合わせると、傷ついた魔脈に向き直り、手元に光を集約させ、工具を作り出す。

そして慎重に、そして素早く治していく。

 

治してる最中に、魔界の民がやって来て、魔脈を攻撃しない様に…

 

今回は、比較的、早く治し終わった。

それは、傷口がまだ浅かったからだろう。

 

 

だが、一つだけ問題があった。

導は、“ 藍色(哀悼)の炎 ”を出せないのだ。

 

出し方やどう言う原理で出しているのかすらも分からない。

 

赤い通常の炎の出し方なら、炎の源守力を使えば問題ないが…

藍色の炎ともなると…

 

「化学反応でも起こして出すのか?」

 

「魔界の民は、それを体内で平気で起こせるのか?」

 

その様な疑問が、次々と出てくる。

早くしなければ、ヴァーテルたちが戻って来てしまう。

 

それまでには、どうにかしなければ…いけない…

 

 

神陽導

「……ニヒツくん」

「此処にいる?」

 

 

ザー

 

周囲に、テレビが壊れた時に流れるノイズ音が聞こえる。

導は、周囲を警戒する様に見渡す。

 

すると、導の視界のちょっと上くらいから、藍色に輝く炎が現れる。

それを包み込む様に導は、両手で受け取る。

 

後ろから声が聞こえる。

 

 

ニヒツ

「あげる。“ 藍色(哀悼)の炎 ”を出すための力」

「それじゃ」

 

神陽導

「あっ、ありがとう!!ニヒツくん」

 

 

その声への返事は、無かった。

周囲に、聞こえていた不快なノイズ音も次第に消えていく。

 

導は、手元にある“ 藍色の炎 ”を見て、胸に当て吸収し、出し方を覚える。

 

そして、導は、手に炎を出す。

最初は“ 赤色 ”の炎だったが、導が、「哀悼」を思えば思うほど、それが炎へと伝わり、徐々に“ 藍色 ”の炎へと姿を変える。

 

 

導は、それを目撃した。

導は、優しく魔界の民たちにその炎を与えて“ 哀(・)悼(・) ”を示していくのであった。

 

 

___________________

 

  

とある暗い部屋に、それはいた。

 

大きな口、大きな目、大きな体

 

側から見れば、異形だ。

ある者が言った。

 

『王(・)」とは、「魔(・)王(・)」とは、人ならざる者だ。

 

 

___________________

 

 

また、とある暗い部屋

赤い月が、窓から入り込む。

 

見えるのは、書類が積み重なる机と奥には大きなベッドがあった。

 

誰かが、窓の前に立ち月明かりの侵入を防ぐ。

 

目には、包帯をつけた高身長な女性が、一人

灰色髪で、白と黒に分かれた服を身につけた女性が、悲観的な顔をしているのか…

 

窓から見える月だけを見ていた。

 

この部屋に通じるであろう扉から、「コンコン」と音が鳴る。

その後、「ガチャ」と音が鳴り、紫髪で長いポニーテールをした男性が入ってくる。

 

 

紫髪の男性

「兄さん、体の調子はどうだ?」

「体に負荷のかかる行為を今からすると、姉さんから聞いた」

 

灰色髪の女性?

「導に、“ 藍色(哀悼)の炎 ”の出し方とその源を少し渡しただけ」

 

紫髪の男性

「ハァ…そう言う事は、事前に言っておいてくれ」

 

灰色髪の女性?

「ごめん…」

 

紫髪の男性

「次からは、気をつけてくれ」

 

灰色髪の女性?

「うん」

 


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