第二章 支配に侵された魔の手 第三話 歓迎か、拒絶か
2人とシンソウは、バシャで目的へ向かう。
フラメンが、窓の外を覗く。
フラメン
「まだ、軽く数分はかかるみてぇだな」
「今の間、なにか話すか!」
神陽導
「うん!」
「ねぇ、ねぇ、“猛獣相撲大会”って何?」
フラメン
「まぁ、トツの正確な種族は、冬牛って言って、寒い地域に住む牛だ」
「冬牛は、知能が普通の猛獣と比べるとかなりあるんだ」
シンソウ
「それで、独自の大会を?」
フラメン
「大会と言うか、冬牛から見れば儀式に近い」
「その年の最強の冠を決めるって儀式」
シンソウ
「冬牛も冠を決めるんですね」
神陽導
「冠?」
フラメン
「魔界の階級制度の事だ。冠は、上から2番目の階級だ」
「階級はざっと…“ 王 ”、冠、槍、盾、剣だ」
シンソウ
「その中でも、王は、国王クラスの方がなれる階級です」
「フラメンさん、“ 魔王 ”と言う階級は無くなったのですか?」
フラメン
「制度上あるには、あるが、それに達すほどの実力者は今はいないから、実質、無い様なもんだ」
神陽導
「なんで、シンソウは、魔界のこと詳しいの…」
シンソウ
「私は、主に魔界の現状を報告して改善案の提案などしてましたから」
「一応、詳しいには詳しいです」
フラメン
「おっ、そろそろ着くみたいだ」
「ほら、見てみろ」
フラメンが、窓から外を覗くように言う。
窓から、外を見れば、大きなお城とその後ろに赤い月が光っていた。
そのまま大きな扉を抜けて入れば、丁寧に作られていた庭が目に入る。
目の前には、天にも届く様な大きな城
バシャを降りて、バシャを運転した軍人の案内の元、接客用の応対室に案内される。
部屋に入れば、黒いソファに、赤髪の猫耳の生えた男性が寝っ転がっていた。
フラメン
「チリク…お前、あいっかわらずだらしねぇなぁ…」
「導、そこのソファに座りな」
そう言って、「チリク」と呼ばれた赤髪の猫耳の生えた男性の前に合ったソファーに座る様に言う。
フラメンは、部屋の奥に合った棚から、魔茶を取り出して出す。
魔茶とは、魔界に生息する薬草虫と言う虫と魔草をブレンドしたちょっと高級なお茶だ。
フラメン
「ほら、チリク。自己紹介しろ」
チリク
「めんどくさい」
フラメン
「ハァ…」
「改めて紹介すると、コイツは、俺の古参弟子の“ チリク・Z・ムー ”」
「ショーラ・ムー王国の国王だ」
ショーラ・ムー王国 初代国王 「チリク・Z・ムー」
チリク
「ども…」
「嗚呼、めんどくさい」
シンソウ
「この方、ほんとに国王なんですか?」
フラメン
「嗚呼、一応」
「ただ、怠惰すぎるんだよなぁ…」
チリク
「ねぇ、ニヒツは?近々、魔界大会議だよ?」
フラメン
「多分、ブルートが参加すると思うぜ」
「報道陣とかもいるだろうから、余計に参加しないだろうな」
チリク
「そう、ニヒツは、この子、気にいる?」
フラメン
「知らね。まぁ、聞ければいいけど」
「おい、ニヒツ。聞いてんだろ?少しでいいから話してくれ」
フラメンは、空に向かってそう問いかける。
すると、応接室の出入り口付近の隅から、灰色のカメラの様なものに薄水色の歯車の様なものがついたのが現れた。
そこから、中性的な声が聞こえる。
アンヘンガー帝國 初代国王 「ニヒツ・ベグリッフ」
ニヒツ
「なに、魔界大会議のこと?」
フラメン
「そうだ。それと、お前は、導をどう思う?」
ニヒツ
「魔界大会議には、参加しない」
「その子は、信用できるかと言えば…どっかの怠惰の国王よりも信用は出来る」
「まだ、王国には入れるつもりはない」
「得体の知れない人を入れるつもりはない。国民は、僕の言うとおりにすればいいんだよ」
フラメン
「相変わらずだな」
「でも、導の事は、そんな信用出来ねぇか?」
ニヒツ
「うん」
「……しばらく、監視は続ける。信用に値するか検査する為」
フラメン
「っま、自由にすればいい」
「ただ、ブルートに負担掛けさせんなよ?」
ニヒツ
「分かってる」
「チリク、1分後…ヴァーテルが来る」
チリク
「どうして?」
ニヒツ
「知らない。僕は、帰る」
そう言って、カメラの様なものは消えていった。
フラメン
「(やっぱ、監視は続けるんだな)」
「また、問題が起こりそうだな」




