第一章 主導者の帰りを待つ世界 第十三話 決心
コツコツ
神陽導
「もう、シンソウのバカ!」
「魔界の住人たちを見捨てるなんて私にはできないよ…」
そう言って、目には涙があった。
其処に…
ヴァッサー
「導ちゃん!」
神陽導
「ヴァッサーちゃん」
ヴァッサー
「大丈夫?悲しい顔してる」
神陽導
「うん、大丈夫…」
「ねぇ、シンソウの言い文も分かるんだよ」
「でも、魔界の住人たちを見捨てるなんて私にはできない…」
ヴァッサー
「うん、そうだね」
「じゃ!これあげる!お兄ちゃんが頑張って作ってくれたの!」
「大切なお守りなんだよ!」
神陽導
「えっ?でも、こんな大事なもの…」
ヴァッサーの手には、小さな水色のお守りがあった。
そして、ヴァッサーは、導の手にお守りを乗せる。
ヴァッサー
「それに、僕の力も込めてあるから大変な時に活躍してくれるから!」
「大丈夫!」
???
「お二人で、何を話されているのですか?」
ヴァッサー
「あっ、トゥマイニ!」
トゥマイニ
「行きますか?魔界に」
神陽導
「行きます!絶対に!」
トゥマイニ
「分かりました。では、ハボリム様から加護を貰ってから…にしてください」
「現在、道案内の出来るヴィントは不在です」
「その為、魔界のある程度の場所を把握出来る加護を貰ってから行ってください」
「よろしくお願いします」
トゥマイニは、腰を九十度にしてお願いをする。
神陽導
「分かった!」
「そうする!流石に、無茶苦茶な状態で行くのは…ダメだからね」
トゥマイニ
「!…ありがとうございます」
そう言って、トゥマイニが先頭を行く様に歩く。
ヴァッサーは、その場に止まり、その後ろ姿を見守っていた。
そして、2人の姿が見えなくなった時に…
ヴァッサー
「全くお兄ちゃんたら…」
「でも、今日も一緒に寝られるといいなぁ〜」
「お兄ちゃんたちも頑張ってね!」
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赤い月が夜空に浮かび上がる。
その隣には、砕けた星が散らばっている。
その空間をもうスピードで飛んでいる黄緑からエメラルドグラースの髪が靡く。
ヴィント
「ハァ…めんどくせぇ…」
「魔脈の露出が増えてる。しかも、原因が分かったが…これは…アイツに決めて貰わんと行かん」
「さぁ〜て、真面目に仕事をしますか〜!」
「ゴーゴー」と言いながら、空間を踏んで爆速でスピードを出す。
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そして、窓から赤い月の光が入っている。
書類が机の上に大量に乗っている。書類上部には、「魔界の安全保障政策契約書」と魔界語で書かれてある。
窓から入る光が、誰かによって遮られる。
白と黒の服を着た女性の体格をした人が、外の様子を見ていた。
赤い月明かりが、その者の顔を照らす。
コンコン
???
「入って…」
扉が開く。
赤に近いピンク色の髪に、藍色のメッシュのある高身長な女性が入ってくる。
???
「ふふ、呼んじゃって〜」
「お姉さんに撫でて貰いたくなったのかしら?」
???
「別に…」
「各国の国王は、どう動いてるの?後、あの煽り魔は?」
???
「まぁ、そうねぇ〜神界の動向に注力してるみたい」
「それに、自由くんからの情報とフラメンからの情報なんだけど〜」
「今、魔界の魔脈が露見してるって問題があるの、それが、魔界大帝國の仕業の可能性があるんだって」
???
「そう…」
「じゃ、僕の王国が、悪者になろう」
???
「あなたの口から言うのね」
???
「これまでの経験…」
「それに、その方が最上級神様が成長するでしょう?」
???
「まぁ、そうね」
「でも、どっちみち私たちの王国が悪者にされるんだから仕方がないことよね」
???
「うん…」
「僕、いっぱい頑張るから、いっぱい撫でてね。ブルート」
ブルート
「はいはい、もう、甘えん坊ね」
そう言って、優しくブルートの目の前にいる子の頭を撫でてあげる。
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豪華な国王面会室
金で装飾された輝かしい部屋。
まるで、王の威厳を表しているかのようだった。
目の前には、太陽がモチーフとされる玉座に、ハボリムが座っていた。
周囲には、レプブリークたちが立ち現状を見守る。
ハボリム
「最上級神様が、魔界に行かれるとのことだ」
「それ故に、私は、尊敬の念を抱きます。各国の王も同様の尊敬の念を抱いております」
「これからは、想像しようもない苦悩が舞い降りるかもしれないだが、それにも負けずに頑張って頂きたいと思っております」
「これは、私や秘書、各国の王からの祝福です」
皆が、胸に手を置く。
手に、赤や水色などの淡い光が集まり、それが導へと飛んでいく。
導の手に、その光は集まり胸の中に吸収される。
神陽導
「みんな!ありがとう!」
「私、頑張るよ!」
「それじゃ、行ってきます!」
そう言って、国王面会室の扉を開けて、魔界へと繋がる扉へと向かう。
トゥマイニ
「必ず戻ってください」
ミスト
「長引かなけれないいけど…早く戻って来れるといいわね」
国王面会室を静寂が包み込む。
皆、真剣な顔をしていた。
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夕焼けの光が、窓から入る。
木製の机に、肘を乗せる。隣には、白髪の女性
フェルス
「……行った様だな」
ズィヴァーチ
「はい、私たちも動きますか?」
フェルス
「……危険な時に、最低限の支援をしてやればいい」
フェルス
「承知致しました」
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大きな禍々しい門の前
神陽導
「ハァ…ハァ…」
「さて、行くぞ!魔界の住人を助ける為!」
???
「主人様!」
導が後ろを振り向く。
其処には、シンソウがいた。
神陽導
「シンソウ」
シンソウ
「……行かれるのですか?」
神陽導
「うん!見捨てられないもの!」
シンソウ
「そうですか…」
「……では、私も向かいます!」
「私も色々と考えました。ですが、私の独りよがりなところもあったて自覚しました」
神陽導
「……!」
「うん、私も君の意見をちゃんと聞かずに決めてごめん」
シンソウ
「では、向かいましょう」
「魔界へ」
2人は、魔界への扉を開ける。
そして、その扉へと入って行く。
黒い空間
進む道は、淡い白のスポットライトが進むべき道を照らす。
そうして、異界の世界『魔界』へと進む。




