第一章 主導者の帰りを待つ世界 第十二話 道標の会議
豪華な会議室
そして、その空間では皆が険しい顔をしていた。
神陽導
「それでも、私は行くべきだと思ってる!」
「魔界にも私は必要なところはあると思う!」
ハボリム
「それでは、貴方様の安全が保証出来ない!」
トゥマイニ
「そうですね」
神陽導
「ムゥ…でも、私は強いんだよ!」
レプブリーク
「だが、時よりあそこには、強さが異常な奴が生まれると聞いている」
「せめて、精鋭クラスの軍人の護衛付きでないと厳しいはずだ」
レプブリッカ
「まぁ、その点、ヴィントさんに護衛を任せるのはありだと思いますけどね」
ミスト
「でも、問題点としてヴィントさんは、神界大帝國の全戦闘部隊隊長なのですよ」
「神界大帝國側の任務だってあるはずでしょう?」
トゥマイニ
「まぁ、そうですね」
「ですが、彼はよく仕事をサボっているので、彼がいなくても然程変わらない気はします」
ネブラ
「そこまで、評価低いの…?」
ハボリム
「まぁ、あいつは実力であそこまで昇り上がったからなぁ〜」
トゥマイニ
「確かにですね」
導以外が、少し呆れる様な「ドヨ〜ン」とした空気になる。
導だけは、どうすれば安全にかつ皆を説得出来る方法を考えている。
状況は、何も進まない。
会議室の入り口にいた神界大帝國の部下は、しれっと立ち去っていた。
???
「でぇ?導ちゃんは、考えがついたのかなぁ?」
導の耳元で、チャラけた様な煽った様な声が聞こえた。
導は、驚いてすぐに横を見れば、ヴィントがケラケラと笑っていた。
神陽導
「うわぁぁ!?」
「あっ、えっ、あ…ヴィント」
ヴィント
「話は、風伝いで聞いていたよ」
「まぁ、でも、ちゃんとこう言うのはちゃっちゃっと決めた方がいいぜ?」
ハボリム
「どう言うことだ」
ヴィント
「魔界には、神脈と似た性質を持つ魔脈が存在するだろう?」
トォオーノ
「確か、最上級神様が作った魔界の人々の魂の拠り所ですわね」
ヴィント
「そうそう。それが、地上に露見し始めているんだ」
「まぁ、気付いたのついさっきなんだけど」
テヘッとした顔をするヴィント
ハボリム
「なんだと!それをさっさと言わんかぁ!」
ヴィント
「だから、今、ちゃんと言ったじゃねぇかよ」
ハボリム
「ハァ…それで、どれくらい露見してるんだ?」
ヴィント
「確認出来ただけで…全魔脈の10%くらいは露見してる」
「だが、そのうち3%に破損を確認している」
「まぁ、魔界の奴らは、魔脈を基本的にしらねぇ奴が多いからなぁ〜」
「不思議がって、攻撃して破損ってわけ」
神陽導
「なんで!?魔脈が、地上に露見してるの!?」
「普通、地中に埋まってるんじゃないの!?」
ハボリム
「まぁ、神界大帝國や魔界大帝國内の特定の地域には管理の目的で、露見してることはあるが…基本的に地中や海中に埋まってる」
「一応、各王が、その国に結ばれている神脈や魔脈への扉を開けることは出来るがな」
トゥマイニ
「それで、魔界大帝國側には…報告しましたか?」
ヴィント
「しておいだぞ〜」
シンソウ
「と言うか、さっき破損が3%もあるって言ってませんでした!?」
「そうなると、破損から魔脈を枯らすウイルスなどが入る可能性があります…」
ヴァッサー
「それじゃ!早く行かないと!」
ヴィント
「まぁ、ウイルス関連は多分大丈夫だとは思うぜ?」
「今、露見してる所を風で保護し始めているからなぁ〜」
ヴィントが、そう話せばシンソウは少しホッとしていた。
ヴィント
「まぁ、魔脈の露見は徐々に広がってるから、早めに解決せんとあかんけどなぁ〜」
神陽導
「それは、そうだけど…」
「でも、みんな私の安全性を担保できないと…」
ヴィント
「あ〜まぁ、俺は、そうだなぁ〜」
「1週間後に、ちょうど魔界の方に偵察行く予定があるからそのついでに行くか?」
神陽導
「行く!」
ミスト
「ちょっと!安全を確保できないと!」
ヴィント
「まぁ、2日間しかいねぇから大丈夫だろ」
「長期滞在じゃないし、魔界には偵察に行ってる間に仲良くなった魔族もいるしそいつに手伝ってもらうから」
レプブリーク
「強いのか?」
ヴィント
「アイツが言うには、魔界大帝國以外に現存してる王国の国王全員が、弟子らしい」
「まぁ、そこの国王たちも面識はあるから、なんとかなるしょ」
と、楽観的な言い草でそう言うが、国王たちの不安感は完全には拭えなかった。
トゥマイニ
「……ですが、このままでは停滞してしまいます」
「最上級神様やシンソウ様は、どう思いますか?」
神陽導
「まぁ、私は、ヴィントが魔脈の露見箇所と破損箇所を全部特定をしてすぐに終わらせれればあまり怖くないと思うけど…」
シンソウ
「私としては、まだ、魔界の危険性などがわからない状態で行くのは断固拒否します!」
トゥマイニ
「対立してますね」
ヴィント
「あぁ?あ?ダル…」
「なんか、魔界で異変起きたぽいから、ちょっと行ってくるわ」
神陽導
「待って!私も連れて行きなさぁぁい!」
ヴィント
「すまん無理」
神陽導
「えぇ…」
導は、ショボーンとしていたが、ヴィントはそれを気にせずに、体を風に変えてどこかへ飛んで行ってしまった。
ネブラ
「仕方ないですよ。もし、とっても危険なことだったら、最上級神様の命が危ないですよ…」
レプブリッカ
「それは、そうね」
「でも、ヴィントさんが帰って来るまで待ちましょう」
ヴィントが、立ち去ってから30分の時が経過した。
皆が、険しい顔をしている。
ヴァッサー
「まだぁ〜?」
ハボリム
「サボりながらやっていたとしてもそろそろ帰って来るはずだよなぁ?」
トゥマイニ
「確かに、そうですね」
すると…
窓ガラスが、ガタガタと揺れる。
外では、強風が吹いている様だった。
ネブラ
「風、強いですね…」
ネブラが、窓に近づく。
ネブラ
「キャッ!!」
皆が、ネブラの声のした窓を見る。
そして、ミトスが近づく。
ミスト
「ネブラ、どうしたの?」
ネブラ
「あぁ…あれ…」
ミスト
「なっ…」
皆が近づき、窓ガラスを見る。
其処には、白い手紙が黒い樹液の様なもので、外の窓ガラスに引っ付いていた。
ミトスが、慎重に窓を開けて、手紙を取る。
黒い樹液の様なものも一緒に取ると、それを見た導とシンソウが驚いた声を出す。
神陽導 / シンソウ
「えぇ!?」
シンソウ
「これって…」
神陽導
「あっ!ミストちゃん!それ早く手放さないと魂に影響出るよ!」
ミスト
「えぇ!?ちょっとそれを早く言いなさいよ!」
と言って、速攻で机に置いて手紙が引っ付いた黒い樹液の様なものを机の上に置いた。
レプブリッカ
「これって…何?」
シンソウ
「魔脈の樹液です」
「要するに、神脈を見た時に、薄黄色い液体が流れていますよね」
「あれを、神脈の樹液や魔脈の樹液と言うんです」
レプブリーク
「だが、神脈の樹液や魔界の樹液には魂に作用があるのか?」
神陽導
「うん、その神脈の樹液や魔界の樹液の主な成分は、“ 高濃度の源守力 ”と“ 天使の欠片 ”から作られているからね」
レプブリッカ
「“ 天使の欠片 ”とは?」
ハボリム
「神界を作ったのは、天使界の者だからな」
「その当時の天使界の国王が、神界を作るのに使用としたとされるやつか?」
トゥマイニ
「確か、“ 天使の欠片 ”別名、『天樹』でしたかね」
シンソウ
「そうですね」
ヴァッサー
「ねぇ〜手紙早く読もうよ〜」
神陽導
「確かに!」
導が、魔界の樹液から綺麗に手紙を取り出すと、横からハボリムとトゥマイニが見る。
トゥマイニ
「あっ、ヴィントの文字ですね」
「相変わらず、汚い字ですね」
ハボリム
「確かに」
手紙に書かれていることを、導が読む。
神陽導
「えっと…」
「魔界の異変の原因がある程度分かった。ファイント含む魔界の悪組織が、露見した魔脈を破損しそこから出ている魔脈の樹液を使って実験をし、魔界の住人たちに異変を齎している」
「現在、大部分が破損している魔脈を発見」
「これは、修復不可能だ。導ちゃんじゃないと厳しい。早めに行かないと魔界が大変なことになる」
「それと、ここは魔界でも重要な要点の場所だ。魔界大帝國側にも報告はしておいた」
そう書かれてあった。
導は、手紙を机に置くと…
神陽導
「私、行く!」
「このままじゃ、魔界の人々に影響が出る!」
シンソウ
「でも、主人様の命が安全が!」
神陽導
「そんなの関係ない!私は行くから!」
シンソウ
「主人様…」
そう言って、導は、会議室を後にする。
シンソウは、机の上に乗りショボーンとしていた。
ハボリムが、トゥマイニに目配せをする。
そして、ヴァッサーは、心配した顔で導を追う様に会議室を後にする。
トゥマイニにも、後にするかの様に部屋を後にする。
会議室には、沈黙とドヨーンとした空気になっていた。
トォオーノが窓を見る。
そして、心の中で、「次は魔界ですのね。お兄様たちが活躍しそうですね」と思うのであった。




