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第一章 主導者の帰りを待つ世界 第十話 心の中

暗く何も見えない空間

 

其処に、男性が立っていた。ボロボロの姿で

目の前には、一つのスポットライトに照らされていた茶色の綺麗な宝石が落ちていた。

 

その茶色の綺麗な宝石に、手を伸ばせば…黒い雷が出て来る。

  

バチッ!

 

即座に手を引っ込める。

ボロボロの男性は、眺めることしかできない。

 

また、手を伸ばす。

 

バチッ!

 

黒い雷が、発生する。触れることが出来ない。

ボロボロの男性は、スポットライトを避ける様に奥へと向かう。

 

コツコツ

 

周囲から、声が聞こえる。

 

「お兄ちゃん!」

 

「殴って!」

 

「いい子、いい子して!」

 

 

ボロボロの男性

「……………………」

 

 

沈黙を、貫く。一本道を、歩き続ける。

暗く光のない空間を、ただ、ひたすらに歩いている。

 

傷口からは、絶え間なく血が流れ出ている。

 

 

ボロボロの男性

「600年間、俺は、この空間で過ごしていたのだな」

「……もう、私の時間は、終わったのだ。このまま歩き続きれば…」

 

「さようなら、兄さん、父さん、皆んな」

 

ガシッ

 

ボロボロの男性の手首が、掴まされる。

男性が、振り向くと黄緑からエメラルドグリーンのグラデーションがかった髪の男性が、手首を掴んでいた。

 

 

ボロボロの男性

「兄さん…」

 

兄

「何処へ行くつもりだ。……そっちの方向には行かせないぞ」

 

ボロボロの男性

「離してくれ、俺の体は、もう持たない」

 

兄

「離さない。父さんが、家族が悲しむ」

 

 

兄が、ボロボロの男性に抱きつく。

 

ボロボロの男性が、困惑してしまう。

 

 

兄

「行くな。お前が、そっちに行くなら俺も行く」

「お前は、俺の大事な弟なんだから、フェルス・ガラクスィー・ウニヴェルズム」

 

フェルス

「兄さん」

 

 

フェルスも抱きしめ返し、涙を流す。

 

 

____________________________

 

 

白い天井、白いカーテン、程よい明るさの照明

 

瞼が、ゆっくりと上がる。

左隣りから、声が聞こえる。そちらの方を向けば、ズィヴァーチと導、シンソウの3人が心配そうな顔で見つめていた。

 

 

神陽導

「大丈夫?フェルス」

 

フェルス

「嗚呼、大丈夫だ。だが、此処は俺は…」

 

シンソウ

「貴方は、疑似界から帰る途中に傷口が空いて、そこから大量の血が流れた事や疲労から倒れたんですよ」

「それと、此処は神界大帝國の医務室です」

 

フェルス

「そうか、迷惑を掛けたな」

 

神陽導

「もう!めっちゃくっちゃに心配したんだからね!」

 

フェルス

「すまない……」

 

 

その様子を、無言で見守り続ける、ズィヴァーチ

フェルスは、起きあがろうとするが、体に激痛が走る。

 

 

シンソウ

「もう、ダメですよ!傷口は、塞いだとはいえ、怪我人には代わりないんですよ」

 

神陽導

「そうそう、今日は、大人しく寝る事!」

「分かった?」

 

フェルス

「嗚呼、分かったよ」

 

神陽導

「それでよし!」

「それじゃ、私、用事があるから戻るね」

 

フェルス

「嗚呼、心配を掛けたな」

 

 

フェルスがそう言えば、導は、笑顔を見せてその場から立ち去る。

 

沈黙が、部屋を包み込む。

 

 

フェルス

「ズィヴァーチ、俺は何時間寝ていた」

 

ズィヴァーチ

「3時間6分です。それと、明日には、貴方の回復力なら元に戻っていますよ」

「兄さんの修繕も既に、終わっております」

 

「任務に行かれますか?」

 

フェルス

「嗚呼、明日には任務に行く。あとは、フェルスとお前に任せるつもりだ」

 

ズィヴァーチ

「そうですか。任務…頑張ってくださいね」

 

フェルス

「嗚呼、お前たちも任務を頑張るように」

  

ズィヴァーチ

「承知致しました」

 

 

____________________________

 

 

とある会議室には…

5人の王と3人の秘書がいた。

 

  

ハボリム

「……暇だ。だが、ファイントの件を片付けなければならない」

 

トゥマイニ

「そうですね。早いうちにレーラー王国にある本拠地を叩かなければ…」

 

ガチャ

 

会議室の扉が開く。入って来たのは、導とシンソウだった。

 

 

神陽導

「皆んな!戻ったよ〜!」

「あと、フェルスが目を覚ましたよ!」

 

ハボリム

「それはよかった!」

 

ミスト

「えぇ、よかったですね」

 

ネブラ

「そうですね!国王様」

 

神陽導

「それじゃ、本題に移ろうか」

 

レプブリーク

「了解した。資料には先に目を通した。かなりいい作戦だな」

 

神陽導

「まぁ、細部まで考えてくれたのは、レプブリッカにネブラ、トゥマイニのおかげだもん!」

 

ネブラ

「褒めて貰えた」


レプブリッカ

「嬉しい…」

 

 

ドタバタドタバタ

 

外から大急ぎで、走る音が聞こえる。

そして、勢いよく会議室の扉が開かれる。

 

 

部下

「報告です!」

 

シンソウ

「なんですか?今は、会議中ですよ!」

  

部下

「ハァ…ハァ…ファイントが、活動拠点を、ハァ…ハァ…魔界に移しました」

「そして、魔界で暗躍している。組織と手を組みました…」

 

部下以外

「ハァァァ!?!?!?!?」

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