↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ーその勇者の名前は、『名無し』と言ったー‼︎  作者: みかづきん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
13/18

第13話 作戦変更








ー深夜の1時の宿で、



ルイラとオルモ


メゼリーとアリナとリリアーノで、


男女分かれて部屋で寝ていた時、突如のことである。


リリアーノの御守りが光る。




「……?、リリィ…様?」


その光で最初に起きたのは、メゼリーである。


彼女は軽くリリアーノの肩を揺らし起こす。



「……んぅ?」


リリアーノはゆっくりと起き上がり、お守りを見て

その眠たげな顔は、すぐさま焦りの顔に変わる。




「みんなッ‼︎起きてッ‼︎」



リリアーノの切迫した甲高い声に、ルイラ達は一斉に反応する。



「どうしたリリィ⁉︎」


ルイラ、後を続いてオルモがすぐに服を整えながら部屋に入る。


「ひ、光ってるの…護りの加護が‼︎」



そういう彼女の手のひらには

ネックレスのように首から下げている橙色、白色、黒色の宝石の中から橙色の宝石が強く光っている。





「…くる、アンドレートが来る‼︎」



「「「「アンドレートォ⁉︎」」」」


思わず四人の声が揃う。


絶対に会いたくない公爵が運悪くついてしまったのだ。


「どうするんだ‼︎、間違いなく奴ら

俺らを処刑するぞ?」


「取り敢えず今すぐ荷物まとめて出ましょう‼︎」


「その後どうする!?

多分今頃もう包囲してるよ!?」




四人はてんわやんわしながら、

作戦を立てようと必死の中、


リリアーノは覚悟を決めた様子で


「貴方達ッ‼︎」


と声を張り上げ、四人の視線を集める。







ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー






その頃、


公爵、アンドレートは、明るい茶髪の髪を、

馬車の窓から入る満月の月光に当てながら、ルイラ達が泊まる宿を包囲していた。


ミディアムヘアでセンターパートに分けた髪を風に遊ばせながら、指先に不格好な火の玉を作りタバコにつける。


「やっぱり…俺は魔法は苦手だな…」


そう独り言を言いながら少し火をつけすぎたタバコの先をフッと火を消して吸う。


「閣下、もうすぐで目的地です」


馬に乗った兵士が伝えると、アンドレートは頷きながら隙間のない灰皿にタバコを無理やり押し込む。


「たくっ…これで僕も、エレーンに叱られずに済むな」


そう言いながらまた一本吹く


本来ならば、箱入り娘の如く大切に育てられ、

同時に城下の知識など無いに等しい彼女(皇女)が、


あんなボロボロな宿に入るには抵抗があり入らないはずである。


帝国民ならば間違いなく皇女をそんなところに連れて行くわけもない。



「十中八九、冒険者のガキ、それかガキどものせいだな…。」


情報から聞いたとおりでは、まだ20もない子供らしい、


正直、子供を処刑にする趣味など持っていないんだけどなと色々考えていると、馬車が止まる。



「閣下ぁ!こう…巫女様がおりませんッ‼︎

店主以外もぬけらしいです‼︎」



「……ハァ⁉︎」


思わず、もう一本タバコにつけようとした火の玉で火傷する。





数分後になり、馬車から降りて急いで駆けつけたアンドレートは直接部屋の様子を確認すると、確かに部屋は急いで出たのであろう慌てぶりは見てわかるが、すっかりもぬけの殻の様子に

アンドレートは思い切りため息を吐き、


周りの兵の空気は緊迫に包まれる。


アンドレートは自身の顔を思い切り手のひらで拭うと、布団の上を触ると、ニヤリと笑う。


「…まだ温かい!近くの包囲は絶対解くな!

先ほど出たばかりだから遠くには」


ー行って無いはずだ。


そう言おうとしたのだ。


突如、自身が持つ護りの加護の宝石、

ハイドンデアを表す橙色の宝石が光り、ゆっくり顔を上げる。


「……。」



アンドレートのこめかみに青筋が浮かぶ。


「…魔術師、すぐさま加護の方へ」



行けと言おうとした瞬間、遮るようにローブを着た魔術師が少し震えながら言う。


「か、閣下、加護はあくまでも塀を越えたら反応する仕組みでございまして、場所までは加護の強力すぎる魔力で…、恐れながら場所が探知できず非常に難しく…。」



魔術師がモゴモゴしながら言う。



その場にいる兵の誰もが殺されるんではと身構えている中、




意外にも彼は



へたへたとその場でしゃがみ込み顔を手のひらで覆う。




「…エレーンの説教は確定だな」









ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー






その頃、ルイラ率いるリリアーノ達は




「すごいわメゼリー‼︎

本当に上手くいっちゃうだなんてッ‼︎」


「やりましたねぇ〜‼︎メゼメゼェ‼︎」



「ふっふ〜ん‼︎」


リリアーノとメゼリーから褒められてすっかりドヤ顔になっているメゼリーがいた。



「…ルイラ、お前の幼馴染どうなってんの⁇」


「…いーや、俺も知りたい」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




アンドレート来る1時間前



「『|中級空間移動魔法(ワープホール)』…貴方達知ってる?

人を移動させれる魔法よ!」


リリアーノが言うにはこうらしい



四人の中で一番魔法が上手い者に、リリアーノがワープホールを教えるから、それをなんとか実現させて、最初にセブナール帝国の外に連れて行きそこに護りの加護を捨てる。


あくまでも加護は、リリアーノに何かあった時と、帝国の外に出たら反応する仕組み。


また、リリアーノが持っている宝石は、

三つの宝石は、それぞれ担当する公爵が近くに来たら反応する仕組みでもある。



つまりは居場所はわからないのだ。



「だから、この加護を帝国の外に捨てて、その後にすぐにセブナール城の近くに移動するの!


決行するなら今しかないわ!」



因みに、このパーティで魔法使い担当はメゼリーである。


「ごめんなさい、私が使うともしかしたらアンドレートにバレてしまうの…」


「ううん、大丈夫、取り敢えず教えて下さい

リリィ様」



そしていよいよ短い時間での練習が行われる。






ゆらゆらと魔力が形作ってゆらめいている。




青色のどこか炎のようなその魔力は最初は四方八方動いていたがだんだんとメゼリーに集まる。


「いいメゼリー!、ワープホールのコツはしっかり移動したい場所を思い浮かべるの‼︎なるべく城に近い場所をッ‼︎」




(ワープホールで一番肝心なのは…、

移動したい場所をしっかり思い出す事…)


メゼリーはゆっくりと深呼吸をする。


(…。



…



……見えた)



その瞬間、彼女の足元には大きな魔法陣が現れ光だし、強い光を放つ。





何とメゼリーは、

リリアーノから教えられてわずかものの40分で、



少し不安定でありながらも、出来てしまったのだ。


直径3メートルほどで、ゆらゆらとゆらめきながらも円型に輝いていた。





「す、すごいはメゼリー‼︎私でも10日もかかったのに‼︎」


リリアーノが驚き、メゼリーが興奮し、


オルモとルイラは目を点にしながら唖然としながら


彼女を見た。



「…ッ!取り敢えず‼︎みんな乗って‼︎」






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



そして、加護を塀の外に捨て、


ワープホールで城の近くに来たのだ。








「今、帝国の公爵家でお爺様…クロノデイヤ家は隣国に行ってるし、フローディア家も同様!

だからアンドレートは間違いなく、加護の反応のある塀の外の方に言ってるはずよ‼︎」




実際彼は、この後、魔術師







ーそう言い、周りが意気込んでいる中













(…さっきリリィ様が捨てちゃったけど、)


(絶対あれ…)



((死んでも離しちゃダメレベルぐらいに

高価な物だよな〜))



オルモとメゼリーは







どうしても不憫に捨てられた加護の宝石の方に

意識が向いてしまった。




※国宝です。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ーアンドレートが宿に着く5分前








セブナール城内



侍女長室





そこでは、城の守り神とさえ言われる。



暗い色の茶髪に艶のある髪を一纏めして前髪を分け。

長身で凛々しい顔をした。


侍女長、エレーンが頭を抱えていた。



(…ゼーゼレン様は発作を起こすし!

グラノラディウスが予定よりも早めに遠征行った隙に限って

リリアーノ様は城を抜け出すし…‼︎)



エレーンは頭が痛くなる。


先程部下が気を利かせておいてくれたであろう

お茶も飲む気がしない。



ここまできたら、

もはや境地とまで言うべきであろうか



そんな時のことー



ゴンゴンー‼︎、ゴンゴンー‼︎



部屋のドアを強く叩かれる。


今度は何事かと、エレーンはため息を吐く。


「そんなに強く叩かなくても開けていいですよ!

何ですかこの夜分に!」


その瞬間に、汗をどっとかいた兵士が入る。




「…皇女様がッ‼︎…」


最後まで言おうとして、

思い切り走ってきたのか

ゴホゴホ咳をする兵士に彼女は少し心配する


「……お一人でッ、…帰還いたしましたァッ‼︎」


ーガシャンッ!



思わず、お気に入りのカップを落とす。









ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 







すぐ様にでも、エレーンはリリアーノが待つ部屋に向かうとら


そこには風呂に入れた後、寝巻きのリリアーノが、

肩を狭ませ、俯いている。汚れも落としたはずが、すごく痛々しい。




「…‼︎」


エレーンを眉間に皺を寄せ、目をカッと開く。



「…何をしたのかわかっているのですか‼︎‼︎‼︎」


エレーンの怒号が廊下に響く。


「今ハイドンデア様が、わざわざ遠くまで貴方を探しに行っているのですよ‼︎‼︎

城下に…しかもこんな夜遅くまで…一体何を考えていたのですか‼︎」


エレーンの怒号に、リリアーノはぎゅっと己の腕を強く握る。


ー本当は、更に言いたいことがある。


しかし、今は何もなくてよかったと言ったほうがいいのだろうかと思い、彼女もまたグッと飲み込む。


「…取り敢えず、今回は大きな傷が無かったから良かったです。」


そこで初めてエレーンはしゃがみ込み、改めてリリアーノの顔を確認する。


擦り傷は多くあるが、体に残りそうな一生物はなさそうだ。


それにしても、後でアンドレートには労わってやらなければいけない。



(今ワープホールができるものは皆捜索に行ってるから…。

部下が馬を走らせて伝えてくれてはいるけど…)


エレーンは少し連絡が遅れるなと頭を抱えながらも


ふと気づく、



「…殿下?加護はどうしましたか…?」



そう言うとリリアーノは俯き震えながら言う



「…実は、ここに来るまで…誘拐されかけられてね



その時取られちゃって…」


そこまで言うと、エレーンは無言でリリアーノを胸に抱き寄せ背中を撫でる。


「…、怖い目に遭いましたね殿下?」


彼女は優しく微笑むと、リリアーノは少し目頭に涙を浮かべる。


「…もう2度と勝手の外出はダメですよ?」


そう言いリリアーノもまた抱きしめる。


「…ごめんなさい!エレーン…‼︎」


その際、リリアーノからは見えなかったが、エレーンの顔は先ほどように更に恐ろしく、


般若のような顔になっており、周りの侍女はもちろん、厳しい訓練で鍛え上げられたはずの兵士すらも怯えている。


『今すぐ、そのゴミを調べ上げて、


取り返してきなさい』


顔からそんな声が届いたかのように、


兵士たちや侍女は急いで向かい、部屋はすっかり空になる。



「全く…本当に貴方は、お父様やお母様ではなく、

お兄様似ですね…」


「お兄様もよく抜け出してたの?」


リリアーノにそう言われ、エレーンはまずいと思ったのか、撫でていた手を止めて、立ち上がるとコホンと一つ咳をする。



「…取り敢えず、今欲しいものはございますか?」


「ううん、今日はもう寝るわ」


「そうですか…」

そう言いリリアーノの頭を撫でる。


「おやすみなさいませ、殿下…」


そう言い、エレーンもまた出ていく。



それから一分後、リリアーノはしっかり周りを確認すると、


クローゼットの方に目線を向ける。


「みんな、出てきて!」


そうリリアーノが小声で話すと、


ゆっくりと、大きな布が突然現れ、


その中から、


ルイラ達が現れる。



「ー作戦成功!」








ーーーーーーーーーーーーーーーーーー




ーリリアーノが城に戻る30分前






リリアーノは第二の作戦として、

ルイラ達にある小瓶を見せる


「このエキスはね、エレーンがもしものことがあればお使いなさいと、」


その小瓶はリリアーノの華奢で小さな手のひらにも小さくおさまってしまうサイズだった。



「皇家に伝わる透明になる薬よ! 


相手から出る魔力や気配を消去する強い薬だから

体ではなく物にかける必要があってね、

とても貴重な薬なの」


最初にそれを使ったらよかったのでは?と言いかけ一瞬飲み込むルイラと


高度な魔術薬品に目を輝かせるメゼリーに、


どっかに布はないか探すアリナと打って変わりオルモは…




(貴重な…⁇先ほどの国宝であろう加護を捨てた相手の口から…『貴重』…⁇)



「皇女…いえリリィ様、

本当に使っていいんですね⁇



俺ら、首飛びませんよね⁇」



オルモが声を振るわせながら言うとリリアーノは何故かふふんと自身ありげに言う。




「大丈夫よ‼︎、エレーンもアンドレートたちも

優しいからッ‼︎」




ーそれは貴方が皇女だからだよ。


と言う意見さえも、グッと堪える。





「皆さーん‼︎さっき裏で盗賊を返り討ちしてローブ四つ取れましたよ〜!」

とアリナの声が響く。






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー






(にしてもまさかここまで順調にいってしまうとはなぁ…)



あまりの順調さに、逆にどこかで災いにでも会うのではないかと心配するオルモを裏腹に、


ルイラはグラノラディウスから貰った金の鳥の機械を取り出す。



「メゼリー…!」


ルイラはメゼリーに目を合わすとお願いするように手を合わせ、メゼリーはその仕草にやれやれと言いたげな顔で鳥を握る。





するとだー。


最初、一切動きもしなかった鳥がゆっくりと動き始め、そのまま彼女の手から脱出する。


「…‼︎」


驚く周りを押し除け


鳥は飛び始めると扉のドアノブに留まる。


さっさと開けろと言いたげにー。



「よし、さっそくだ!みんな行くぞー!」











ーーーーーーーーーーーーーーーーーー





その頃、エレーンは









アンドレートが報告用に送り込んだ魔術師に全ての内容を聞かされていた。





「…何ですって?、もうこちらには皇女殿下は帰ってきているのよ?」



「し、しかし確かに…!殿下は先ほどまで宿にいたはずなのですよ!」







ふと、エレーンは気づく




いや!なぜ気づかなかったのだろうと後悔する。




護りの加護、

そんな大切なものを普通無くすであろうか?


もしも彼女に共犯者がいたら?



本当に盗賊に誘拐されかけていたら、

魔術師が言ったように宿にいるはずなく、馬車でとっくに連れ去られているはずなのに…。



さらにもし全て本当ならば、ワープを使わなければいけないが、彼女が使ったのならアンドレートが魔力探知を使うため気づかないはずがない。





優秀な魔術師、


いや、宿だから


優秀なパーティと組んでいたら?





「…一つ聞かせて、殿下の脱出をほじょした男がいたのね?」



「はい、黒上の少年で、街のものに聞くと、一人でなく、四人と…」





ー四人




エレーンはキッと顔の表情を締め、眉間に皺を寄せる。











「…今すぐに警備状態を固めなさいッ‼︎


侵入者が四人いるわよ‼︎」












評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。