第十八節 腿太郎4
「ザザーン……」
「……着いたか」
腿太郎達は荒波にもまれながらも、舟をこぎ鬼ヶ島へ辿り着きました。鬼ヶ島には、ご丁寧に船着き場があったので、腿太郎はそこに舟を止めて、鬼ヶ島の奥へと入って行きました。鬼ヶ島の内部は、月明かりしか頼りにできないほどの暗がりが続いていました。
数分後――、
「! ……」
歩いた先に、にぎやかにゲラゲラと笑う様な声と、辺りを照らす明かりが確認できました。
(鬼……か? 行くぞ……!)
腿太郎はサルと、犬、Tの死体、トルトリの死体(キジ枠)にひそひそ声で確認を取りました。1匹と1人の死体に確認を取る必要はあったのでしょうか?
腿太郎は一呼吸入れて、恐らく鬼が居るであろう場所に足を踏み入れました。
「俺は松本だ!! 鬼達め、成敗してやる!!!!」
『あいー?』
「!?」
なんと、そこに居たのは後ろ美人、赤オニキ、後ろ美人、青オニキ、後ろ美人、黄オニキ達でした。そしてそいつらは、刺身盛り合わせを肴に、宴会を開いていたのでした。
「もろたろうひゃんやらいれすかー?」
「いひえ、赤オニキひゃん、まちゅもちょきゅんれすー」
「青オニキひゃん、わらちらを成敗するといってたれすー! じゃあ……」
『あいれりらっれやるれすー!!』
後ろ美人、赤オニキ、後ろ美人、青オニキ、後ろ美人、黄オニキ達は声を揃えて、どっこいしょと重い腰を上げます。
「キエ―――――――――!!」
後ろ美人、赤オニキは金棒を両手で持ち、特攻してきました。しかし、その胸中は――?
(もろたろうひゃん、おとろまえれすー。すきょしおどかちて、ちゅちゅうりおさえるれすー)
なんと、ふてぶてしくも腿太郎を口説こうと構えていたのです。
「ブン!」
後ろ美人、赤オニキは金棒を振りかざしてきました。腿太郎に当たらない様に寸止めという形で――。
しかし――、
「サッ」
腿太郎は犬、Tを自分の前方へ差し出し、盾に使ったのです。一歩前に出た分、犬、Tは後ろ美人、赤オニキの射程に入り……。
「ゴッ!!」
犬、T! 犬死に!!!!
「あらー? すんろれにするよれいれちたおに」
「(寸止め……と言ったのか?)そうか、ならばこちらも少しばかり手加減してやろう……」
後ろ美人、赤オニキの言葉を聞いた腿太郎は、腰に装備していた刀を抜き、正眼の構えで後ろ美人、赤オニキの前に立ち塞がりました。
瞬間――、
「!」
「!?」
「ゴッ!!!!」
腿太郎は、刀のみねで後ろ美人、赤オニキの頭を叩きました。
「みね打ちだ……安心せい……」
後ろ美人、赤オニキ、頭部陥没骨折!!!!
「あいー……」
崩れ行く後ろ美人、赤オニキを横目に、腿太郎は次に後ろ美人、青オニキを相手する様です。美人、青オニキは黒い槍を構えて突進してきました。
「覚悟! 腿太郎ぉぉおお!! おけけけ――――!!」
「うるせぇ、俺は松本だ」
腿太郎は、刀を持った右腕で後ろ美人、青オニキに正拳突きを食らわせていきました。
刀の意味は――?
「ゴッ!!」
「あいー!」
後ろ美人、青オニキ、顔面陥没骨折!!!! 最後に腿太郎は、後ろ美人、黄オニキに狙いを定めます。
「もうお前だけになったな?」
「あぃぃいい……!!」
後ろ美人、黄オニキは考えました。
(もろたろう、まちゅもちょきゅんがおっれいる武器は、あのかちゃなと、さゃ、あとあ……!! あれあ!?)
窮地に追いやられた後ろ美人、黄オニキは砂漠の中のオアシスのようなものを目の当たりするのでした。
つぎでおわり!




