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また帰って来た松本達  作者: 時田総司(いぶさん)


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第十六節 腿太郎2

 腿太郎はおじいさんとBBAの寵愛を受け、すくすく育ちました。その上腕二頭筋は目を見張るものがありましたが、何と言っても腿の筋肉の大きさが尋常ではありませんでした。



 ――


 ある日から村に不穏な噂が流れ始めました。


“鬼ヶ島の鬼が村を襲おうとしている”


「怖いねぇ……」

「うちの子は大丈夫かしら」

「何か盗られないか? 食料、お金はどうなるのだろう」


 村中を不安が襲っていました。


(こうしちゃ居られねえ)


 腿太郎は、一大決心をし、おじいさんとBBAに直談判するのでした。


「じいさん、ばあさん……。俺、鬼退治に鬼ヶ島へ行こうと思うんだ」


「おお……」

「嗚呼、腿太郎や……」



「俺は松本だ」



「……」

「……」


 おじいさんとBBAは深い静寂に包まれました。


「お……、お腹を空かしてはいけないじゃろう? コレを持っていきなさい」


 腿太郎は、BBA特製の地味団子を手に入れました。腿太郎は、刀と地味団子のみを荷物に、玄関口へと歩いて行きました。


「じいさん、ばあさん。じゃ、行ってくる……」


「腿太郎、どうか無事帰ってきてくれ」

「腿太郎や……。ケガ、するなよ」


 おじいさんとBBAは涙ながらに腿太郎に話し掛けました。すると腿太郎は一呼吸入れ、二人に返しました。


「……必ず、生きて帰る……!」


 こうして腿太郎は、鬼ヶ島への一歩を踏み出しました。



 ――、


 村から出発して小一時間後、腿太郎の前に一匹の犬が姿を現しました。


「ワンワン! 俺、Tって名前の犬なんだ! その団子、俺にくれよ」


 腿太郎は少し悩みなしたが、犬、Tに地味団子をあげました。


「ハッハ! もぐもぐ。うめぇ! もっとくれ!」


 腿太郎は少し悩みなしたが、再び犬、Tに地味団子をあげました。


「ハッハ! もぐもぐ。うめぇ! もっとくれ!」


 腿太郎は少し悩みなしたが、更に犬、Tに地味団子をあげました。


「ハッハ! もぐもぐ。うめぇ! もっとk(ry……」



「ゴッ!!」



 腿太郎は、犬、Tに鉄拳を食らわせました。鉄拳を食らった犬、Tは動物愛護団体も真っ青になる、悲惨な状態になっていました。


(この犬は盾に使うか。地味団子……残りあと2つか……クソ!)


 地味団子が少なくなってしまったので、腿太郎は、俯いてしまいました。

 不意に――、



「キキー!!」



「!?」


 サルが腿太郎の前に現れました。


まだつづく

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