魔力とイメージ
「よし、じゃあ簡単な魔法から教えるね」
「うん!」
診療所へ行った次の日、私はガドルに魔法を教えて貰うことにした。教えてほしいって言ったら、早速庭に移動した。
私には魔力があるらしいし、魔法が使えたらかっこいいし!
「じゃあまず、この小石を動かしてみようか」
そう言って、私の前に小石を置いた。
いや、動かしてみようかって……どうやって動かせばいいんだろう……。
「どうやるの?」
「こうやって手をかざして、魔力を小石に伝えるイメージで」
「魔力を伝える……」
魔力を伝えるって何?とりあえず手をかざして……えぇっと……、難しい……。小石は全く動かない。
「まあ、技は見て盗めとも言うし、まずは僕がやってみるね」
ガドルが小石に手をかざすと、ふわりと小石が浮かんだ。ふわふわと浮かんで、そのまま自在に操っている。
「すごい……」
「さ、やってみよう」
「うぅ……」
ガドルは浮かばせていた小石を私の前に置いた。できる気がしない……。ほんとに私には魔力があるのかな?
「ん〜、ラールは自分の中にある魔力は感じられてる?」
「え?」
「魔力ってね、第二の体力みたいなものなんだ。体の中をぐるぐると巡ってるエネルギーだね」
「エネルギー……」
「そのエネルギーを手に集中させて……」
言われた通りにやってみるけど、なかなか上手くいかない。魔法って、思ったよりも難しいんだな……。
「ラール、魔法はイメージだよ」
「イメージ……」
イメージか……。それなら出来そうな気がする!前世ではよく絵を描いてたし、その絵を見て父様が"想像力豊かだな"って褒めてくれてたし!
「小石を浮かせるイメージで、もう一度やってごらん」
「わかった」
手をかざして、小石が動くところをイメージする。そうすると、少しだけだけど小石が動いた。
「動いた!」
「よくできたね!もう少し練習したら、もっと動かせると思うよ」
「うん!」
ガドルが大きな手で頭を撫でてくれた。こうして撫でてもらうのって何年ぶりだろう。なんだかすごく嬉しい。
にしても、魔法を使うのって意外と疲れるんだな……。
「よし、じゃあもう一回やってみようか」
あれ、ガドルって結構ストイック?私まだ七歳だよ?笑顔でもう一回とか言うタイプなんだ……。
「習うより慣れろ。そういうでしょ」
「おいガドル、ラールはお前ほど体力がある訳じゃないんだぞ」
「トラヴァー!」
救世主!ていうかいつの間に来てたんだろう?全然気が付かなかった。
「あっ、ごめんねラール。人に教えるのが久しぶりで楽しくなっちゃって」
「ううん、大丈夫だよ!ガドル、前にも誰かに魔法教えてたの?」
「そうだよ。その時は一晩中教えたりしてたっけ」
「一晩中……」
想像よりもストイック……。一体誰に教えてたんだろう……?
「あれは本当に地獄だったよ……」
「そうなんだ……って、ええぇ!?」
トラヴァー、ガドルに魔法教えてもらってたの!?




