診察と魔力
トラヴァーに連れられて、村の診療所へやってきた。扉には"CLOSE"の札が掛けられているけど、トラヴァーはそのまま中に入っていった。
「入っていいの?」
「ん?もちろんだよ。ここは俺の診療所だからね」
「……え?」
トラヴァーの診療所ってことは、院長ってこと?全然そういう風には見えない……。
「お、その顔は信じてないなぁ?」
「だって、そんな偉い人には見えない」
「あははっ!正直者だな」
トラヴァーは私を椅子に座らせると、道具を出したりと準備を始めた。手際がよくて、本当にお医者さんなんだって何となく分かる。
「さて、ラール。今から診察を始める前にまず、歳は分かるかい?」
「うん、七歳だよ」
「七歳ね。にしては小さい気もするけど……。ご飯はちゃんと食べてた?」
「ガドルのところ来るまでは一日にパン一個とか……?」
両親はパン一個を置いて出かける事が多かった。何かを作ってくれた記憶なんてない。
そんな話をすれば、トラヴァーは一瞬だけ手を止め、困ったように眉を寄せた。これは言うべきじゃなかったかな。
「そうか、教えてくれてありがとう。じゃあ診察を始めるね」
それから身長や体重を測り、いくつか質問に答えた。前世でいう健康診断のようなものだ。
体重計に乗った時、トラヴァーが難しそうな顔してた。どうやら私は平均よりも小さい体なのかもしれない。
「う〜ん、だいぶ痩せてるね。栄養も不足気味。これから美味しいものいっぱい食べなよ」
私にはそう言っているけど、書いてる文字はそれよりも多い。たぶんあれはガドルに見せるためのものだと思う。きっと私がまだ子供だから、簡単に言ってくれたんだろう。
「よし、最後に魔力の検査をしよう」
「魔力の検査?」
「そう。君が魔法を使えるかどうか確かめる検査だよ」
トラヴァーはそう言いながら、棚から透明な水晶玉のようなものを取り出した。
「これは魔水晶。魔力に反応して光る水晶玉だよ」
「へぇ〜」
「実際にやってみるとこんな感じ」
トラヴァーは水晶玉に手をかざした。そうすると水晶玉が光り輝いた。例えるなら白熱球くらいの明るさで、少し眩しいくらい。
「わあぁ……」
「この光は魔力量に応じて強さが変わるんだ。俺の魔力は平均より少し上くらいかな」
「ガドルはどれくらいなの?」
「あいつの魔力量はすげぇぞ。俺なんか比べもんにならないくらいだ」
そんなにすごいんだ……。でもガドルはあまり魔法を使わないみたいだし、見せてもらうのは難しいかな……。
「じゃあ次はラールな。この魔水晶に手をかざしてみて」
「わかった」
言われた通り、魔水晶に手をかざしてみる。そうすると、水晶玉がじわじわと光りだした。
「お、魔力はあるみたいだね」
「ほんと!?」
「うん。魔力量は多くないけど、練習すれば魔法は使えるよ」
「やったぁ!!」
魔法が使えるなんて思いもよらなかった!前世のアニメで見てた魔法少女みたいに使えるのかな?
「魔法を使うためにも、体力は大事だよ。しっかり栄養をつけようね」
「はーい!」




