002話 公爵令嬢の婚約者の義務。
この作品を選んで、お読み頂きありがとうございます。
この物語はフェイクションです。
物語中の世界観は独自の世界観で書いておりますので、法律、慣習、習慣、常識等に異質な部分が多々ありますが、其れ含めて楽しんで読んで頂きたいと思います。
お披露目会でエディナス公爵様が娘のレティア嬢に対してあまりに貴族達が次男の子息をしつこく何度も売り込んでくるのに嫌気が差して、国王ダティダス様に根回しを行い急遽婚約発表した形になった。
お披露目会が終った翌日には騒動になると行けないので、両親が俺とレティア嬢を連れて公爵家の王都邸を魔導車に乗って出発して、急ぎ男爵領へ帰ることになった。
魔導車の中ではレティア嬢はご機嫌麗しくて、大好きな俺の両親に甘える感じで過ごしており、俺だけが何だか蚊帳の外に置かれた感じとなり車窓から外の景色を眺めていた。
俺は大好きな両親に甘える様に過ごしているレティア嬢をチラ見しながら、いくら両親の大ファンだとしても俺みたいなやる気のないグズな男と本気で結婚するの気なのかと女心とは摩訶不思議だなと感じて俺には理解が出来なかった。
俺の両親からして俺が公爵家に婿入りするのなら、一番信用できる貴族でもあるし領地も隣なので安心して任せられると言われてしまった。
隠していた事を怒るにも親の立場では公爵家には逆らえないのもあるけど、信頼できる貴族と言われたら確かにそうなのかと思い怒れなかった。
公爵様には家に訪問してくる度にお土産や欲しい物を沢山プレゼントされているし、可愛がられているのも事実なので文句が言えないのもあるし、俺自身も公爵様のお人柄が好きで尊敬しているのもある。
ただ婚約者のレティア嬢は俺の天敵でもあるユリア姉さんと性格がそっくりで容姿もそれとなく似てるような気がしてならず、屋敷に帰ったら二人が揃うと思うとストレスが溜まり倒れねかもしれないと心配になる。
ルティス兄さんは王都にある王立アカデミー学園の寮生活をしているので、屋敷に居らず味方になってくれそうなのは居ないので胃が痛くなりそうである。
屋敷に帰ったらレティア嬢が居る間は日中は森の中に逃亡し、姉さんとレティア嬢とは出来るだけ一緒に居る時間を少なくするかとか思案する。
「あっ、ディアス男爵領に帰ったら、ユリアお義姉様と一緒に3人で森へ行きましょうね、久しぶりに憂さ晴らしがしたいのよ宜しくね」
「アハハ、憂さ晴らしね、うん分かったよ、一緒に行くよ」
俺はレティア嬢に一緒に姉さんと行こうと誘われてしまい、俺が考えている事が見透かされているんじゃないかと思わず恐ろしくなった。
「ディアス、それとね2年後には公爵領にある中等学園に私と一緒に通うことになってるから、公爵領の屋敷で私の家族と一緒に住んで貰うわ、その事も忘れないうちに伝えておくわね」
「えっ、そうなの、もう完全に公爵家に掴まってる感じになってるのかよ、お父さんそれで良いのかよ、俺の人生はどうなっちゃうの」
「あら、ディアスの人生は私と共にあるんだから心配ないわよ、しっかりと私がディアスを養ってあげるから安心してね」
レティアはディアスと婚約が公になってからは、ディアスに対しては飴と鞭を上手く使いこなし、あまり嫌われないような配慮をする様に勤める。
以前の様な一方的な仕打ちはしなくなり、優しさの中にも厳しさもあってディアスを手の平に乗せて転がす様にコントロール出来れば、彼とは今後とも上手く付き合って行けると思うようになった。
レティアは王都に滞在している間に様々な貴族達を見て来たけど、お父様が嘆く様に自分の利益ばかりを優先し、国益や領地の利益などは蔑ろにする始末であり、国王様が大鉈を振るう時期が来たと言うのも頷けた。
そんな貴族の子息もまた自己中心的で男尊女卑の考えが根強く、自己主張ばかりでプライドだけはやたらと高く領地経営は自分に任せろだのと、自分の実家の領地さえ真面に運営できていない癖に口だけは一人前であった。
そういう意味ではディアスは普段はヤル気が無さそうにしているけど、時々突飛よしもない事をするとけど、魔導車の開発や優れた魔道具など開発の他に新しい料理や調味料や日用品などを創作したりして、その成果が男爵領の民達の生活向上に貢献し発展に遂げている。
公爵家もその恩恵を受けていて領地も発展し、ディアスが開発した魔導車や魔道具や玩具や料理器具や調味料や石鹸などは公爵家直営のエディナス商会で製造と販売を一任されて業績を伸ばしている。
その収益の一部を特許料として男爵家に支払い、その資金で男爵様は領地の発展のために使っているので、男爵家の生活は相変わらず慎ましいものになっている。
※※※※レティアの心情※※※※
私が2年前にディアスと婚約したいとお父様にお願いしたら即座に話しを進めてくれて、本人には内緒で内々で婚約を成立させておいて、折を見て婚約発表する予定だった。
私には魔眼のスキルがありディアスを魔眼で見た時にステイタスの高さもあるけど異世界の知識があり才能もあり、そして何と言っても神の加護を有しているのが婚約する決め手となった。
ディアスのやる気のない表情もある意味ご愛敬であり、ご自分の才能を隠す意味でも有効だと思うし、本気を出した時のディアスを見た時に私の好みのルーカス叔父様にそっくりだったので惚れ直しました。
ディアスの格好好いのは私だけが知っていれば好いことなので、他の者達にはダサいやる気のない男だと思われた方が私も都合が好いので、ディアスは私のものであり他の女に譲る気はない。
ただ今回の10歳のお披露目会では、あまりにもしつこくお父様と私に婚約を迫って来る自己中な腐った貴族達のお陰で痺れを切らし、いい加減に腹が立ったお父様が国王様に根回しを行い、此度のお披露目会での緊急の婚約発表となった。
※※※※レティアの心情以上※※※※
男爵領に帰ると留守番していたユリア姉さんが玄関で出迎えると、レティアが居るのを見て直ぐに自分の部屋へ連れて行き、レティアにお披露目会の話を聞きながらお茶とお菓子を食べて過ごす。
俺はレティアのお陰で姉さんに絡まれずに済んだので部屋に行って、休息を取りながらレティアの婚約者になった事について色々とこれから先の事を考える。
ユリアはレティアからお披露目会での惨状を聞いて、様々な貴族の親と子息から必要以上に婚約の申し込みが殺到して、お父様が鬱陶しくなってキレてディアスとの婚約発表に至った事を話す。
「うわ~、それは大変だったのね、あのバカはどう反応したの」
「あ~、お披露目会の前に話したから、あまり動揺はしてなかったですけど、ただ発表後に他の子息からだいぶ陰口とか文句は言われてましたわね」
「あぁ、あのバカは冴えない顔してるから余計よね、まぁ、陰口とか文句を言われたぐらいなら動じないでしょうけどね」
「うふふ、そうですね、そんなの知るかという感じでしたよ」
「まぁ、私もそれなりに高位貴族の子息から婚約の申し込みは合ったけど、既に辺境伯爵家のオディスと婚約が決まってから、オディスが一緒に居てくれて護ってくれたけどね」
「ユリアお姉さまがお綺麗ですもの、それにルキアス男爵は貴族の間でも人気がありますから余計ですよね」
「う~ん、そんなに私が綺麗という程でも無いと思うけど、レティアは美少女だし公爵家の後継者だから余計に貴族連中がどうしても群がって来るから大変よね」
「まぁ、お義姉様ったら、私が美少女という程でもないですわ、言い寄って来る貴族達は私自身ではなく、公爵家の後継者という肩書に群がって来るので本当に嫌になるわ」
「あ~、そうか肩書の方にね、あのバカにはレティアは勿体ない気もするけど、他の貴族の子息に比べたらマシなのかな」
「えぇ、そうですわ、でもディアスには才能がありますから、後は私しだいだと思ってますわ、彼には公爵家と男爵家そしてお義姉様が嫁ぐ辺境伯爵家の繁栄の為にも才能をフルに発揮させたいと思ってますわ」
それからレティアはディアスとの婚姻後の夢を義姉になるユリアに嬉々として語り始めて、ユリアは想像以上にレティアが弟のディアスに期待し惚れ込んでいる事を思い知らされる。
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