進む闘技大会
当日、俺は自衛隊員の人たちに迎えに来てもらい、虹の城へと向かった。
虹の城の街はすでに、たくさんの人で、賑わっていた。
街に入った瞬間、俺はステータスに異常を感じた。
よそ者に対してマイナスな効果の結界が張られているようだ。
しかし、俺にはあまり効果はなかった。
異常喰らいがどんどん回復させていって、俺はこのデバフを、5分もかからず食い尽くした。
さらに異常喰らいが、中にまで上がった時には、自衛隊の皆のステータスまで、普通に戻してそれぞれが結界耐性(小)を取得してしまった。
そんな俺たちの状態を知ってか、虹の城の相手は高圧的なものではなく、礼儀正しい印象だった。
俺は、城で偉いのであろう人と顔合わせをした後に、闘技場へ案内された。
闘技場の待合室は、人やモンスターたちで賑わっていた。
俺が待合室に一歩足を踏み入れると、ピリッとした雰囲気が強まったように感じた。
「一郎!」
俺は、聞き覚えのある声にそちらを振り返る。
そこには、エリーがいた。
エリーのすぐ近くには、クマの獣人、翼の生えた男、見るからにモンスターの外見のコボルトが倒れていた。
「絡まれたから殴っといた。日本の刀って便利ね。峰打ちができるから!」
そんなことを言っていた。
エリーも準備はしっかりしてきたようだ。
「スキル合成か!!盲点だったわ。あなたはかなり強くなっていると思う。私は、あなたと戦うことになっても容赦しないけど、私にキズつけたくなかったら降参することね!」
どういう煽り文句だろう。
でも、確かにやりづらくはなった。
俺は周りを鑑定していく。
強そうなのは、同じ騎士服を着ているグループに、絶対防御のスキル持ち、先手(中)の戦士、さらにはどういうわけかいる災害龍というモンスター。
気になる奴らはチェックしておこう。
と、思ったが、予選を無難にクリアして1回戦目は絶対防御の男だった。
俺は色々試したが、最終的にかなしばりの魔眼を使ってドレインでギリギリまでけずることができた。
最後は魔眼をとくと、震える声で参ったと言っていた。
俺の試合はほとんど動きが、なかったこともあってブーイングがひどかった。
エリーは、セントラル騎士団という名前の所属の騎士と戦い、収納と念動を駆使した剣で、華のある勝負を繰り広げていた。
俺の次の相手は、災害龍だった。
フィールドに立った瞬間、目が見えなくなり、耳も聞こえなくなるほどの言いしれぬ恐怖と吐き気に襲われた。
眠れる才能で感覚が、強化されていたから余計に危険な感覚が強まった。
先手は自分へのかなしばりの魔眼だった。
気は失わないですんだ。
しかし、魔眼を使った瞬間に一気に距離を詰めて殴られた。
根性のスキルが自動で発動する。
瞬動と浮遊術で空中に逃げ、ミスリルの剣に触れる。
異常喰らいは俺の恐怖を食い尽くしてくれていた。
眠れる才能で集中力を高めていく。
斬るより先のキズ。
災害龍の腕から血が流れる。
災害龍は、俺のスキルのからくりには気づいていないようだったが、すぐに距離を詰めてきた。
俺は、瞬動で逃げながら災害龍に斬撃キズをつけていく。
さらに、ドレインに熱線、レーザー、水魔法。
なんでも使った。
相手の災害龍は、スキルを食らうたびにどんどん耐性を覚えていき、瞬動や自然治癒まで使いはじめるようになった。
俺は、災害龍を生かしてこの試合を終えるのを諦めた。
思考加速、並列思考、眠れる才能をギリギリまで使い、斬るより先のキズを放とうとした。
その瞬間、災害龍は両手を挙げて降参した。
試合が終わると、握手を求められた。
それにしっかり応える俺。
「また、やろう!今回は俺の負けだが、次はそうはいかん!」
気持ちのいい龍だった。
災害龍は人化している時は、アラヤという名前を名乗っているらしく、何かあれば空に来いと言っていた。
恐らく、空の城の周りの街に行けばいいのだろう。
さて、観客はといえば、また俺に対してブーイングをしていた。
アラヤが、途中まで追い詰めているように見えたのに急に降参したからだろう。
俺はしょんぼり控室に戻った。
エリーは、セントラル騎士団の副団長を倒していた。




