北京のダンジョン
エリーとの取引が終わり、リンといつの間にか契約が始まった次の日。
リンから提案があった。
「中国のダンジョンを攻略しませんか?場所は観光もしやすいので、北京はどうですか?」
何かリンの様子がおかしく感じたが、北京ダンジョンと観光には、興味がある。
俺は、リンと、北京のダンジョンに挑戦することになった。
飛行機を使いつつ、北京へ。
中国はさすがに広い。
北京だけで、73ヶ所もダンジョンがあるらしい。
リンには一番難易度の高いダンジョンをすすめられた。
リンは、俺のことを殺したいのだろうか?
リンには、少しの寒気を感じたが、現地にいくとダンジョンの方は、強者の見極めで確認すると、勝てそうな雰囲気だった。
俺は、入る前に、リンから渡された中国語の書類にサインして、ダンジョンに入った。
ダンジョンは1階層がすでにボス部屋だった。
荒野に青空がずっと続いている。
ボスモンスターは、龍だった。
龍は、爪だけでミイラドラゴンくらいある超巨大な体だった。
まるで、神話のような光景にしばらく目を奪われる。
鑑定
魅了(中)
龍の火焰(中)
危うく魅了されるところだったのか?
それともまだ魅了されているのかわからない。
龍と目が合う。
龍は、火焰を用意し始めた。
俺は、思考加速、並列思考を限界まで振り絞り、アサシンブレイクと斬るより先のキズを使う。
龍の体の至る所から血が吹きでる。
瞬動と浮遊術で、龍の頭の上に移動して、強者のいかくを放った。
どうやら、龍のテイムに成功したようだ。
鷹の目を使うと地面に、輝く宝箱が3つ現れたのが見えた。
中身、スキルポイント20000、龍化(人化)のスキル、いつもの1000倍くらいの金の宝。
収納のようになっている宝箱から、金をとりつくした所で、光があふれ、ダンジョンのあった広場に戻ってきた。
空には、血が止まり回復に入った龍が悠々と浮かぶ。
北京は大騒ぎになった。
俺は、電話でリンを呼ぶが電話がどういうわけか繋がらない。
仕方ないので、待っていると、リンがやってきた。
「一郎さん、ダンジョンクリアしちゃったんですね。あの龍テイムしたんデスカ。ドウシヨ。」
何故かリンは青い顔をしていた。
「一郎さん。あの龍、どけてもらえますか?」
俺は龍化して、龍の元へ行く。
俺の体は、龍になっても10階建てのマンションくらいだが、龍と会話するなら十分な大きさだろう。
龍は頷き、空のさらに高くへ昇っていった。
リンと話をした広場に戻るとリンが、涙目になっていた。
とりあえず、事情を聞くが要領を得ない。
そこにエリーから電話がかかってきた。
俺は登録した覚えも、エリーと連絡先を交換した覚えもないので、エリーが勝手に電話番号を登録していたのだろう。
『エリー♡』という登録は少しイラッとくる。
とりあえず、電話に出てみる。
「一郎やるね!B級ダンジョン先にクリアされちゃった!」
嬉しそうなエリーの声。
「ご褒美に、リンのこと教えてあげるね。そいつ、中国マフィアの下っ端構成員で、一郎をB級ダンジョンで殺して、あなたの金だけ持ってくつもりだったみたい。預金0になってるよ。」
スマホで預金を確認してみる。
…0円。
というか、人の預金額を勝手に調べてる時点で、エリーも相当なんじゃないだろうか…。
その日のうちに、北京ダンジョンの騒ぎの件で、俺は、中国政府に呼ばれてしまう。
俺は、龍のダンジョンで手に入れた大量の金で、何とか誤魔化した。
リンも国に目をつけられたようで、自分のために俺と協力してくれた。
結局、俺とリンは、1週間で開放された。
俺の、持っていた金もすっからかんになった。
即刻の国外退去命令。
俺は、リンと一緒に日本に帰った。
日本に帰ると空港で、警察官たちが出迎えてくれた。
そのまま、俺は収納の中身を全て持っていかれ、半年間の勾留が決まった。
国単位で問題を起こしたのだ。
仕方ないと受け入れた。
ここまで、お読みいただきありがとうございます。
2023/9/23 23時
修正、加筆しました。
ダンジョンフリーランスの章は、ここでいったん終了となります。




