表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/27

第9話:王都へ

刀夜が国王と会談してから二週間が経とうとしていた。その間、刀夜の生活リズムは全く変わること無く、朝早く起きて昼前まで瞑想して昼食を食べ、その後に空想の相手を想像し、その相手と夕食の少し前まで戦いその後、風呂に入り身体を癒してから夕食を取りベッドに入り寝るという生活ををしていた。そのお陰で心身共にかなり鍛えられたと思う。


今日もいつもと同じように朝早くから瞑想を始め、昼食を食べる為に瞑想をやめるとゼルバさんがいつものように現れるが何時もと様子が少し違う。


「刀夜様。国王陛下より書状がつい先程届きました」


書状を受け取り書状に目を通す。


基本的な内容は変わっていないが、どこぞの組織あるいは貴族が個人で危害を加えた場合はその組織あるいは貴族を好きにしていいこと。その際に戦力が必要であるならば騎士団から数名派遣するという内容が増えていた。


次に俺の住む家についてだが、候補が3つあるらしく。その中から1つ選んで欲しいそうだ。


そして、まとまったお金についてだが大金貨5枚用意しているそうだ。


肝心な王都への行き方だが、どうやらこの書状を持ってきたものと共に王都にある王城まで来て欲しいとの事だった。


「ゼルバさん。俺は風呂に入って来るのでその間に、ここから王都まで必要な着替えを用意してきてください」


「分かりました」


ゼルバさんは俺の着替えを取りに行く為、部屋から出ていった。


「……ふぅー。やっとか、これで自由になれ」


そうボソリと呟き、部屋を出て風呂場に向かう。


少し前までは何処へ行くにもジルバさんに案内されていたが今ではある程度、信用されたのかこの屋敷内ならばある程度自由に動けるようになった。


ただ、まだ完全に信用されていないようで俺を隠れて監視している人がいるが姿を隠している為、大して気にならない。




風呂から上がり何時の間にか用意されていた衣服に着替え脱衣所をでると皮袋を持ったゼルバさんが立っていた。


「こちらが着替えになります」


俺はゼルバさんから着替えが入った皮袋を受け取る。


「それじゃあ、外まで案内してくれる?」


「勿論で御座います」


ゼルバさんの案内のとも屋敷を出ると馬車が1台とそのまわりに10人程の騎士が馬の手網を持って待っていた。すると、その中で一番強そうな騎士が俺を見つけ近付いてくる。


「お初にお目にかかります。私の名はグラントと申します。貴方が天雷刀夜様ですね?」


そう話し掛けてきたのは四十代後半程の男の騎士だった。


「はい、そうです。俺が天雷刀夜です」


「国王陛下の名により貴方を王城まで護衛致します」


「よろしくお願いします」


「天雷様はあちらの馬車にお乗りください。何かございましたら窓を開けて誰でも構いませんので要件を言っていただければ、対処致しますので」


「分かりました」


俺は馬車に乗り込むべく歩き出したのだが、数歩あるいて足を止め振り返る。


ゼルバさんには本当に感謝している。この世界に来て一番、接したのがゼルバさんなのだ。それに、とても良くしてもらった。ゼルバさんにお礼の一つも言わずに立ち去るのも良くないし、俺自身が許さない。


「ゼルバさん。本当にありがとうございました」


俺は出来る限り最高の笑顔でそう言い、頭を深く下げた。


「それでは、刀夜様。また近いうちにお会しましょう」


「えぇ、また…必ず」


そう言い踵を返すのだった。




そして、現在馬車に乗って移動中なのだが、グラトンさんも一緒に馬車に乗り込み出発してすぐに、グラトンさんが話し掛けてくる。


「天雷様。まず、護衛体制について御説明します。護衛の人数は私を入れて9人になります。馬車の前後に2人、左右に2人。そして、私は馬車の右側に基本的にはいますが何かあれば移動しますのでご了承ください。何か質問はありますか?」


「いえ、特にはありません」


「分かりました。それでは」


そう言うと馬車の扉を開けてすぐ横を走っていた馬に飛び乗り、御丁寧にもそのあと軽いお辞儀をして馬車の扉を器用にも馬に乗りながらゆっくりと閉めた。


「あんな事できる人っていたんだな。………これからどうするかな?」


そう声に出して考えるが瞑想以外のやる事が見つからない。


空想の相手と脳内で組手などをするのはいいのだが汗をかく為、ここでは出来ない。何せ汗をかいたら風呂に入らないと行けないが、ここには風呂が無いため極力汗をかきたくない。


という事で刀夜は馬車の揺れを歯牙にも掛けず瞑想を始めた。





――――――――――――――――――――――――


グラントは国王陛下直々に今回の護衛を頼まれていた。そもそも、グラントは騎士団内でも知らないものがいない程の男だ。


実力は騎士団内の平均よりも少し高いぐらいなのだが、もう四十代後半なため筋力の衰えなどで実力は落ちてきている。だが、指揮能力の点を上げるのであればグラントよりも高い指揮能力を持つ者は限られる。


そして、何よりも周囲から信用されている男でもある。その為、今回の任務を任せられたのである。


そんなグラトンの内心は刀夜を見た時から恐怖に支配されていた。生半可に力を持っているが故に刀夜の魔力量に気が付いたからだ。前もって刀夜がどのような存在なのかを伝えられていた。その為、心の準備はしていた。だが、実際に目の前にすると全て意味をなさなかった。


なんなのだ。この青年は、国王陛下から悪魔、それも悪魔皇クラスの悪魔だと伝えられていた。だが、これ程までに次元が違うとは思わなかった。


国王陛下はこの悪魔をどうするおつもりなのだ。よもや討伐しようなど考えてはいまいな? そうなれば国が滅びかねん。


私の立場では口出しは出来ても止める事までは叶わないだろう。



そうグラントは刀夜が何故、王都それも王城に連れていかれているかについては全く知らされていないのだ。これは、国王が隣国にこの事がバレないようにひと握りの者にしか伝えていない為、仕方ないとも言えた。この事から、グラントは刀夜については詳しく知らされていないが刀夜が悪魔であると知らされているだけでも、国王がグラントを信用している事が分かるだろう。



グラントは思考を一旦打ち切り街道を少し外れた木々の陰に隠れているゴブリンの気配に気が付く。


「右、ゴブリン2」


そう口にすると右側にいた二人の騎士は流れるような動作で弓を構え矢を放つ。


「「グギャ!!」」


見事放たれた矢はゴブリンに命中し、ゴブリンが絶命した。


今回、刀夜の護衛として連れてこられている騎士は騎士の中でも精鋭と呼べる者達であり、馬に乗りながらでも的確に弓を放つことを片手間でも行えるようなものが連れてこられていた。


弓だけではなく剣も扱う事が出来るため、万が一にも弓が外れ近づかれた場合でも落ち着いて対処できる者達だ。その為、グラントも冷静に指示を出せていた。


――――――――――――――――――――――――



刀夜がファンド辺境伯屋敷から旅ってから初めての夜がやって来た。


何度か休憩を取っていたがグラントさんとしかまだ話していない。グラントさんが意図的に話させないようにしている節があるが、俺が何者かであるのかをグラントさん以外には伝えていないのだと推測出来る。


俺は基本休憩の際は、馬車の外に出て石などの上に腰を下ろしてのんびり過ごしたりしていた。騎士達は周囲の警戒を交代でしていた。


そして、夜も同じくグラントさん夕食を運んで来てそれを食べ終わった頃にグラントさんが食器を回収しにきた。グラントさん以外の人達は見張りをする者、夕食を食べる者に別れているようだ。


俺は夕食を食べた後、馬車内に簡易的なベッドをグラントさんが作ってくれていたのでそのベッドに転げて眠りについた。


見張りは勿論、騎士の人達が交代で見張るようだ。



最後まで読んでいただきありがとうございます。


面白い! また読みたい! など思っていただけた方はブックマークと評価お願いします!


誤字脱字が多いいと思いますので誤字報告で教えて貰えれば嬉しいです。


アドバイスなど、してくれるととてもありがたいです。アドバイスよろしくお願いします。他にも何かあれば遠慮無くどうぞ。



この作品に良さそうな作品名があれば教えて下さい。

もしかすれば、その作品名にするかもしれませんご協力よろしくお願いします。

魔物の名前とかにあまり詳しくありません、なのでなんでもいいので教えて貰えれば嬉しいです。


スキルや武器などの特殊効果も教えていただければ嬉しいです。その際はどの様な能力かも教えていただければ助かります。


これからもこの作品をよろしくお願いします。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ