第17話:感覚
結局、持ち帰る方法が思い浮かばず、最後に戦った大きい狼だけを持ち帰ることにして現在門前で兵士に止められていた。
「おい! そこのお前! 止まれ! そのでかい狼、魔狼じゃないか! どうしたんだそれ」
「森で遭遇して倒しただけだが? 何か問題が?」
「いや、問題は無いがそれを持って街中を歩かせるわけには行かない。少し待ってくれ、すぐ馬車を用意させる。……おい! お前、馬車を持ってきてくれ」
横にいた兵士に馬車を持ってくるようにいい俺の身分を確認した後、仕事に戻って行く。
チラチラと色々な人の視線を向けられながら馬車が来るのを待つ。
数分後、兵士が御者をする馬車が運ばれてくる。
「魔狼を後ろに乗っけてくれ」
言われるがまま、魔狼を馬車に乗っけ俺も乗る。すると、馬車が動き出す。
10分程で冒険者ギルド前までやって来た。
どうやら、事前に魔狼の事は伝わっていたらしくすぐに解体場に持っていかれた。
ギルド内で数分待たされた後、魔狼の査定について言われる。
「魔狼についてですが、全て買収という形で大丈夫ですか?」
「それで、構わない」
「それでは、大金貨8枚になります」
大金貨8枚が入った袋を受け取りつつ疑問を投げかける前に先に言われてしまう。
「どうして、そこまで多いいのか気になってる顔ですね。実は魔狼自体は大金貨6枚くらいなんですけど、近年魔狼の討伐事態がほとんどない為、希少価値が着いたんですよ」
なんほど、そういうことだったのか。まぁ、魔狼自体が大金貨6枚ってもの予想外なんだけど。
魔狼自体はBランクに近いCランクなのだが、魔狼の毛皮我得に高く買取られる為、Cランク魔物の中ではかなり上位の査定金額になる。
査定終え冒険者ギルドを後にし屋敷に戻ってくる。
「お帰りなさいませ刀夜様。それで試験内容はどのようなものだったのですか?」
「盗賊団の討伐だ。明日の朝に門前に集合になってる。あと、これを渡しておく」
俺は大金貨7枚を袋ごとアリシアに渡す。残りは食費だ。
「これで足りるか分からんが、前々から言ってた使用人を増やしてこい。ただし、奴隷で頼む」
「分かりました。大金貨7枚もあれば十分です。何かご希望は御座いますか?」
「うーん、そうだな。アリシア達が一緒にいて不快にならない人で構わない。それと種族は問わない。要するに自由に選べ」
そう言った後、足早に風呂に入りに行く。
クレアかセレスが気を利かせてくれたのか風呂にはお湯が張っていたので、身体を洗い風呂に浸かる。
「ふぅ~、気持いぃ」
心底気持ち良さそうな声を出しながら風呂を堪能し始めるのだった。
刀夜が風呂を堪能している頃、刀夜の屋敷にあるアリシアの部屋では話し合いが開催されていた。
「アリシア様。主は無事お風呂に入ったようだ」
「ナイスよクレア! 刀夜様は長風呂だからずぐには出てこないはず。それで、セレス。下見はどう?」
「確認した所、運良く1人だけいましたぁ」
「アリシア様の希望通り、私達と並ぶ子で初めての子をよく見つけられたな」
「そうね。それで、その子はなんの種族なの?」
「アマゾネスですぅ」
「それは、また珍しいな」
「珍しいですね? でも、私達からしたら運がいいわ。もしかしたら、これで、刀夜様に……」
「そうだな。これで主に……」
「楽しみねぇ……」
3人が3人とも頬を赤く染めうっとりとした目を風呂がある方向に向ける。
刀夜の知らない所で色々と起きようとしていた。
実はアリシア、クレア、セレスの3人はアリシアが主でクレアセレスが従者という関係ではあるが、実は仲のいい友達同士だったのだ。
実は貴族であるクレアとセレスは身分を偽り王都の学園に通っていたその時に同じく身分を偽ったアリシアと本当にたまたま出会い。それから、仲のいい友達になっていった。
そして、学園を卒業する際に3人が3人共自分の本当の身分をいい。驚いた後、実力もあったクレアとセレスはアリシア専属の護衛兼使用人になったのだ。
そして、今に至るというわけだ。
風呂から上がった刀夜はあの刀の所まで足を運んでいた。
「なぁ、この感覚はなんなんだ? お前がやってるんだろ?」
そう、刀に話し掛けるが当然返答は帰って来ない。
刀と繋がっているような感覚。意識しなければ分からないくらい薄いが確かに存在する。
それが何なのか、俺に何をしたのか、俺に何をさせたいのかそれすら分からない。
俺に何かさせたい訳でもなく何かした訳でもないのであれば、何故この刀と繋がったような感覚がするのか。いや、何故この刀は俺と繋がっているのか。全くわからない。呼べば飛んできそうな不思議な感覚。でも、嫌ではない。逆に落ち着く。
「意識があるなら、いつか教えてくれよ」
俺はそういい階段を登っていく。
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これからもこの作品をよろしくお願いします。




