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第16話:霹靂神流とは

今日はとうとうCランク試験当日。そのため、朝早くから俺は冒険者ギルドまで出向き現在、冒険者ギルド会議室で会議が始まろうとしていた。


「それでは、皆さん揃われたようですのでCランク試験内容を発表致します。……試験内容は盗賊団の討伐です。その盗賊団のアジトの場所は把握済みです。ですので、明日討伐に向かう予定です。何か質問はありますか?」


優男風の男が挙手をし立ち上がる。


「盗賊の人数とアジト周辺の地形を知りたいのですが?」


「分かりました。盗賊の人数ですが詳しくは分かっていませんが、ギルドの予想では20人後半と言ったところでしょう。次にアジト周辺の地形については簡易的な地図を用意してあります」


「それは、人数分か?」


そう声を上げたのは先行して偵察などをしていそうな格好をしている男だ。


「いえ、こちらで用意してあるのは3枚のみです」


今更だが、司会を行っているのは初めて見るギルド職員の人だ。


今回、Cランク試験を受ける人数は16人とかなり多いい。なんでも、近くの町からもわざわざCランク試験を受ける為に来ているそうだ。



「それでは、作戦内容などについてはこれから話し合って頂きます。そのため、仮のリーダーを決めて頂きますがどなたかリーダーになりたい人はいらっしゃいますか?」


2人が素早く手を上げる。


「それでは、ユザムさん、ダマカルさんのどちらかという事で構いませんか?」


ギルド職員は一人一人を見回し何も反論がなかったのでそれを了承として受け取った。


「では、ユザムさんとダマカルさんにはくじを引いて貰います」


そう言うと細い棒を取り出す。片方の棒の先は赤く塗られている。


「分かった」


「あぁ」


ギルド職員が棒を見えないように隠したあと、端を握り赤く塗られている所が見えないようにした。


「赤く塗られている方を引きた方がリーダーです」


それぞれが同時にくじを引く。


見事、赤いくじを引いたのはダマカルさんだった。ダマカルさんは最初に挙手をした優男風の男だ。


「それじゃあ、今回のCランク試験のリーダーをさせてもらいます。作戦を立てる前にそれぞれ得意な武器を教えて下さい」


皆了承し自分のメイン武器を言っていく。


俺の順番が回ってきたので俺も言う。


「剣だ」


たったそれだけを口にした。なにぶん、ここにいるメンツを信用していない。俺はある程度、信用できると判断するまでは出来るだけ言葉を交わしたくない。と言うのは言い訳でこの会議中の独特な雰囲気が苦手で内心では早く終わって欲しいと祈るばかりである。


剣が俺合わせて7人。槍が3人。短剣が2人。弓が2人。魔法使いが2人。というバランスが良さそうな感じだ。


「それじゃあ、作戦については、まず斥候として2人に盗賊の見張りの人数や配置などを調べて貰いたい」


「俺は構わん」


「俺もだ」


「2人に見張りの人数や配置を調べてもらった後に弓使い2人で見張りを倒して欲しい。流石に2人以上、見張りがいた場合は剣使い又は槍使いの中から数人先行して弓使いの2人と連携を取り見張りを倒してもらいたい」


ここでも、反論はでない。


「見張りが片付いた後、魔法使い2人による全力の魔法を洞窟内に放ってほしい。その後、慌てて出てきた盗賊を連携して倒していくという作戦にしたいが何か意見はあるか?」


作戦内容を聞き、正直な話この作戦は欠点だらけだと思った。まず、出入口が1箇所である前提だ。もし、2つ目の出入口から盗賊が来た場合は挟み撃ちに合う可能性があるし、弓使いの2人は自衛が出来るだろうが魔法使いの2人は自衛が出来るかが怪しい。


他にも連携してと言っているが、殆どの人が今日初めて会ったという人が殆どだと思う。その中で連携しろと言われても出来るとは思えない。


そして、正面から堂々と盗賊と戦おうとしているという点も欠点だ。何せギルドの情報では盗賊の人数は20人後半という事だが、こちらの人数は16人だ。しかも、16人中4人は後衛だ。これでは、前衛が皆、盗賊を2人相手にする事になる。しかも、残りの12人の中から後衛4人を護衛する人を最低でも1人は付けるべきだ。他にも見つけようと思えばいくつか欠点を見つけられるだろう。


ギルド職員を見るが、どうやら口出しするつもりはないように見える。今回の盗賊団の討伐は失敗しても構わないと考えているのかもしれない。


試験なのだから、試験官がいるだろう。その試験官は1人ではなく数人いて最悪の場合はその試験官で対処する形をとるのかもしれない。


もし、試験官を頭数に入れていいのだとすれば後衛の護衛になるだろう。何せ試験官が前線に加わると試験にならない可能性がある。まぁ、これは全て俺の予想に過ぎないが。


「それじゃあ、作戦の内容は決まった。明日の朝に門前に集合してくれ」


俺が1人思考しているうちにどうやら終わっていたようだ。


2人を除き皆、会議が終わると立ち上がり明日の準備をするため足早に会議室を出ていくが俺は席に座ったままだ。俺以外にもギルド職員が座ったまま俺をじっと見てくる。


「今回の盗賊団討伐は失敗前提に考えているな?」


「えぇ、それは当たり前かと。あのような欠点だらけの作戦で成功するとは思えません。なので試験官にはギルド職員から元Bランク冒険者を2名と万が一の為、現役冒険者からBランクパーティーを1パーティー隠れて同行させるつもりです」


たかだか、Cランク試験の為だけに元Bランク冒険者に現役のBランク冒険者をか。


「そこまで教えて良かったのか? 俺は試験を受ける人間だぞ」


「構いませんよ。どうせ今言わなくても明日出発する際に気付かれると思いますので」


「そう言えばいつも、このな試験内容なのか?」


「いいえ、今回が特例みたいなものです。普段であれば1週間程の護衛になるのですが、今回はいつもの倍の人数ですので仕方なく」


「仕方なくねぇ」


俺は立ち上がり会議室から出て行く。


会議室は冒険者ギルドの2階にあるため、1階に降りて依頼ボードに向かう。朝、クレアに言われたのだがどうやら1週間分の夜営の準備と食糧をすでに、準備していてくれていたようで今日特にやることがない。


ただ、残りのお金がどれほど残っているかは知らないがあって困るものでは無いと判断し暇潰しも兼ねて依頼を受けることにした。そのため、依頼ボードを見ていた。


「残ってる依頼で割の良さそうなのは、なさそうだな」


そうぽつりと呟き、踵を返し冒険者ギルドを出て行く。気が変わった訳ではなく、ただ割りの良い依頼がなく依頼を受けなくとも素材を売れば良いかと判断したからだ。




という訳で森までやって来たのはいいのだが、素材を持って帰る方法を考えていなかった。今更戻るにも時間が勿体ない。という訳で高く売れそうな素材だけ持って帰ることにした。


今回は初めて森の中に入る。腰に下げた剣の塚に手を置きいつでも抜けるようにしている。


しばらく森の中を進むと周囲から殺気を感じ足を止める。その瞬間、視界内に複数の狼が現れる。


囲まれたが逃げるつもりはない。それどころかいい獲物が向こうから来てくれたことえの感謝すらある。


「ワオオォォーー」


唐突に1匹の狼が咆哮を上げる。するとそれを皮切りに狼達が襲いかかって来る。


腰に下げた剣を抜き横から襲いかかって来る狼をまるで舞を披露するかのように軽やかに交わし横に一薙し絶命させる。


背後から襲いかかって来る狼にはタイミングを合わせ振り返りざまに薙ぎ払う。


正面から襲いかかって来る狼にはフェイントを仕掛け引っかかった所を一突き、あるいは余裕を持って避け一歩踏み込み上段からの一撃をお見舞する。


これが刀夜の戦い方であり、霹靂神(はたたがみ)流 でもある。刀で相手の攻撃を受け流し一瞬の隙をつき一撃の下に相手を沈める。あるいは相手の攻撃を受け流すのでは無く避けたりフェイントを仕掛、相手の隙をつき一撃の下に相手を沈める。


霹靂神(はたたがみ)流 の基本はこのような戦い方である。


ただ、自分と同格あるいはそれ以上の強者と相対する場合は致命傷となる一撃を入れること自体が難しい。そのため、受け流しや回避、フェイントはそのままに、二手目以降で一撃の下に沈めるための一撃では無く相手にかすり傷といった小さい傷を少しでも多く与えるスタイルに変わる。要するに塵も積もれば山となるだ。


大きく分けて、この2つのスタイルを上手く使い相手を倒すのが霹靂神(はたたがみ)流 である。




為す術なく次々に狼達は一撃の下に沈められていく。ただ、狼達も馬鹿ではなくしっかりと連携を取り襲いかかって来ているが霹靂神(はたたがみ)流 免許皆伝である刀夜には全く持って意味を持たなかった。


狼の数が半数程にまで減った時に強烈な殺意を背後から感じ取り狼に牽制を入れ、背後を確認するとそこには5メートル程の巨体を持つ狼がギロりと睨み付けてきていた。


その狼が天に向かって「ワオォォォーー!!」と咆哮を上げ物凄い速度で接近してくる。


狼が巨体故に避けるのは困難と即座に判断する。だが、剣や槍といった武器ではないため受け流す事も難しい。そこで、取った判断は正面から受け止め、ある意味では受け流す事だった。


狼が速度を落とすこと無く口を開きその鋭い牙を剥き出しにし噛み付こうとする。そこに、自身から前に出て牙に剣を盾のようにしてぶつける。すると弾き飛ばされる形となり身体が吹き飛ぶ。


ただ、余りにも吹き飛ばされ過ぎた。刀夜から狼の牙に剣を盾のようにしてぶつけた瞬間に地面を蹴り後ろに飛んだ為だ。


「あれ? 思ったより……弱い?」


腕に来る衝撃を予想していたが押された程度の衝撃しか伝わって来なかった為、そんな言葉が出てきてしまった。


「それなら…」


地面を踏みしめ地面を蹴り距離を縮める。狼は距離を取ろうと走り出そうとしたが既に遅かった。右手に持つ剣が的確に喉に突き刺さっており剣を抜くとドバドバと血が流れ落ちていたからだ。


狼はゆっくりと目を閉じバタンと身体を横に倒して絶命した。


周りでその光景を見ていた他の狼達は自分達の群れのボスが殺られ一目散に森の中に消えていく。


「さてと、これどうやって持って帰ろう?」


そうぽつりと呟かれた言葉が木霊するのであった。



最後まで読んでいただきありがとうございます。


面白い! また読みたい! など思っていただけた方はブックマークと評価お願いします!


誤字脱字が多いいと思いますので誤字報告で教えて貰えれば嬉しいです。


アドバイスなど、してくれるととてもありがたいです。アドバイスよろしくお願いします。他にも何かあれば遠慮無くどうぞ。



この作品に良さそうな作品名があれば教えて下さい。

もしかすれば、その作品名にするかもしれませんご協力よろしくお願いします。

魔物の名前とかにあまり詳しくありません、なのでなんでもいいので教えて貰えれば嬉しいです。


スキルや武器などの特殊効果も教えていただければ嬉しいです。その際はどの様な能力かも教えていただければ助かります。


これからもこの作品をよろしくお願いします。


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