第14話︰初依頼
風呂から上がるとアリシア達がそれぞれ選んだ部屋をわざわざ伝えに来てくれ、その際にクレアとセレスが自分達にも個室を与えてもらった事にたいしてのお礼を言ってきたりもした。
廊下を歩いているとアリシアに声を掛けられた。
「刀夜様」
「どうした?」
「使用人を増やしては頂けませんか?」
「どうしてだ?」
「御屋敷を見て回りましたがクレアとセレスの2人だけですと、屋敷の掃除と庭の御手入れは難しいかと思いまして」
「……そうか、分かった。でも、今は持ち合わせが今は少ないんだ。明日から冒険者ギルドで依頼を受けるつもりなんだよ。ある程度、稼げるようになるまでは済まないけど頑張って貰うしかないんだよ。それでも、大丈夫?」
「はい。二ヶ月であれば問題はありません」
「分かった。二ヶ月以内には使用人を増やすよう努力すよ」
「分かりました。…それと…ですね……また、刀夜様の居た世界のお話をお聞きしたいのですがよろしいですか?」
少し恥ずかしそうにそう言うアリシアはいつも以上に可愛く見えた。
「……うん、いいよ。ここじゃあ、何だし場所を移そうか」
「はい!」
俺とアリシアは場所を移して話し始める。
「そうだなぁ。俺がいた世界は前も言ったけど魔法がない世界なんだ。でも、文化レベルはこの世界よりも上だってことは話したと思う。何故、魔法がないのに文化レベルが高いのかと言う化学が発展しているからだよ」
「化学ですか?」
「そう、化学。前にも言った飛行機や車なんかも化学によって生み出されたものなんだ」
「そうなのですか!」
目をキラキラとさせアリシアは聞き入っている。
「うん。この世界では魔法が発展していっているけど、俺がいた世界は魔法の代わりに化学が発展したと思って貰えればいいと思う。そして……………」
それから、クレアが呼びに来るまでアリシアに元いた世界のことを熱弁した。それに、アリシアは目をキラキラさせ聞いてくれていたので話していてとても楽しかった。こんどは、軽い実験のようなものをしようと思う。
アリシアに元いた世界について熱弁した次の日、俺は朝早くから冒険者ギルドに来ていた。
「うーん。これじゃあ、依頼ボードに行けそうにないな」
現在、依頼ボードの周りには武装した冒険者達が血眼になって依頼の取り合いをしていた。そんな光景を少し離れた所から俺は眺めていた。
「あっ、そうだ」
俺はそう口に出し受付に向かう。数人並んでいたがすぐに順番が回ってきた。
「次の方、どうぞ」
「あの、手っ取り早くランクを上げたいので依頼を見繕って貰えませんか?」
「分かりました。ですが、定期依頼のみになりますが構いませんか?」
「はい。大丈夫です」
「では、現在のランクの確認のためギルドカードの提出をお願いします」
「分かりました」
ポケットからギルドカードを出し受付嬢に渡す。
「Gランクですね。それでは、討伐系か採取系どちらに致しますか?」
「では、討伐系で」
「分かりました。それでは、王都周辺に生息するゴブリンまたはスライム討伐がオススメです。ゴブリンですと合計10匹、スライムですと合計25匹を討伐するとFランクに昇格出来ます」
「では、ゴブリン討伐でお願いします」
「分かりました」
受付嬢はギルドカードを魔道具らしき物にスキャンして渡してくる。
「討伐証拠にゴブリンの魔石が必要になります。…無理のなさらないようにお願いします。定期依頼なので違約金などは気にしないで下さい。命を大切にして下さい」
受付嬢にそう言われ俺は「ありがとう。命は大切にするよ」と返してから受付を離れた。
それから、まず王都を出る為に門を潜り、そして王都近くの森に向かっていた。門を潜る際はギルドカードを見せただけで王都から出ることが出来た。
森に近づくに連れて馬車で踏み固められたような道になって来た。森がすぐそこまで迫った時に森の中にゴブリンらしきものが見えた。腰に下げた剣の柄に手かける。
周りに隠れるものがなかった為、ある程度の距離まで近づくとゴブリンに気が付かれた。
「ギャギャギャ!!」
そんな鳴き声と共に勢いよく森から姿を現し手に握る棍棒で威嚇しながら近づいてくる。
「数は一匹か、この世界で戦うのは初だな」
そう小声でつぶやくと軽く呼吸をしゴブリンに向かって走り出す。そして、ゴブリンが剣の間合いに入った瞬間。一閃する。
たった、それだけだった。それだけでゴブリンは何が何だか分からないまま、首から上が身体から引き離された。
「剣より刀が良かったな」
ぼとりと地面にゴブリンの顔が落ち、身体が膝から崩れ落ちる。
「まぁ、仕方ないか国王にないって言われたんだし」
そう言葉にした時、あの刀が浮かぶがそこで思考を止めポーチから解体用のナイフを取り出す。そして、ゴブリンの魔石を取り出し袋に入れた。
実は昨日の朝、王城を出る先に国王に剣、解体用のナイフ、ポーチ、魔石を入れるための袋を渡されていた。
「さてと、このまま森に入った方がいいのか? 受付嬢に命は大切にっ言われたばっかりだし森に入らずに出てきたゴブリンを狩るか」
という訳で森に沿うように歩き始めようとしたのだが、先程倒したゴブリンを見てひらめく。
「このまま、ここにいたらこのゴブリンの血の匂いに引き寄せられてほかのゴブリンもやってくるんじゃないか?」
その考えに至り周り見回すとギリギリ隠れられそうな木を見つけその木の影に隠れゴブリンを待つ。
待ち続けること10分程で先程倒したゴブリンと似たような気配を放つものが四匹近づいてくるのを感じる。
四匹かなら大丈夫だな。
森に視線を送るり剣の柄に手をかける。
森からゴブリン四匹が姿を現す。そのゴブリン四匹は一直線にゴブリンの死体に向かっていく。そして、俺は木の影から飛び出て一番近い位置にいるゴブリンと距離を詰める。
一匹のゴブリンが俺の存在に気が付きほかのゴブリンに伝えるためか鳴き声をあげる。
「ギャギャ!!」
だが、ほかのゴブリンがその鳴き声に反応して向いた時には既に、そのゴブリンは刀夜によって絶命させられており二匹目のゴブリンを絶命させる所だった。
「「ギャギャ!!」」
残った二匹が鳴き声を上げながら棍棒で攻撃を仕掛けてくるが、その前には既に棍棒を持つゴブリンの手が肘あたりから切断されていた。勿論、二匹ともだ。
もし、この光景を見たものが居たのだとすればこう言っていただろう。「まるで、演舞をまっていたようだった」と。それ程までに洗練され美しかったのだから。
ゴブリン二匹の肘あたりを切断した勢いのまま、流れるように二匹のゴブリンの首を身体から切り離した。
ぼとり、ぼとりとゴブリンの顔が地面に落ち膝から前のめりに倒れるようにして二匹のゴブリンが絶命した。
「ふぅー。……魔石を取り出すか」
それから、何回か繰り返しゴブリンの魔石が合計27個になっていた。ふと、空を見上げると空は茜色になっていた。
「そろそろ、帰るか」
刀夜が王都に着いた時には空は暗くなっており、冒険者ギルドが空いているか心配になりながらも冒険者ギルドに向かうとかなり騒がしかった。騒がしいと言っても喧嘩などではなく、宴のような騒がしさだった。冒険者ギルド内に設けられている酒場で何人もの冒険者が酒の飲み肉を食いとどんちゃん騒ぎ状態だ。
そんな光景を横目に俺は受付に並ぶ。幸い、並んでいる人が少なかったのですんなりと順番が回ってきた。
「次の方どうぞ」
それと、受付嬢は最初に冒険者ギルドに来た時も依頼を受けた時も同じ受付嬢だ。勿論、今回も。
「依頼の達成ですか?」
「そうです」
「では、ギルドカードの提示をお願いします」
ポケットからギルドカードを出して渡す。
「では、魔石の提出をお願いします」
ポーチから袋を取り出し中に入っているゴブリンの魔石合計27個を出す。
「えっと、合計で27個ですね。おめでとうございます! Fランクに昇格です! それでは、先に報酬の銀貨2枚と大銅貨7枚になります。ランクを更新しますので少々お待ち下さい」
「分かりました」
受付嬢が奥にいる職員を手招きで呼びギルドカードを渡す。
「どうやら、朝の言葉は必要なかったみたいですね」
「いえ、ありがたかったですよ。お陰で慎重に行動できましたから」
「そうですか、それは良かったです。それと刀夜さんってお強いですよね?」
「そうですか?」
「これでも、受付嬢ですから。ある程度の実力の有無は分かります」
「そうですか。では、俺を冒険者ギルドのランクで表すとしたらどれくらいですか?」
「そうですねぇ。…少なくともBランク以上なのは間違いないと思いますよ」
「御冗談を」
「いえ、事実ですよ」
「そうですか」
「そんな、刀夜さんに提案があるのですが、ランクアップ試験を受けませんか?」
「ランクアップ試験ですか?」
「はい。受けてもらうのはCランク試験ですね」
「いいんですか?」
「えぇ、特例としてですが」
「何故、ですか?」
「現在、冒険者ギルドは人手不足なんです。優秀な冒険者を低ランクに置いて置くのが勿体ないので一部のギルド職員のみですが特例でCランクまでの試験を受けさせる許可を出す事が出来るんですよ」
「そうなんですか」
「それで、どうしますか?」
「分かりました。受けさせて下さい」
受付嬢はニコッと笑顔を見せる。
「試験は三日後を予定しています。三日後の朝、冒険者ギルドに集合して下さい。試験内容ですが三日後の朝に皆さんが集まり次第、発表されます」
「分かりました」
職員が見計らったかのように話が終わったタイミングで受付嬢にギルドカードを渡す。
「では、更新が終わったようなのでお返しします」
返されたギルドカードを見るとGと書かれてあったところにFと書かれていた。
「あっ、そう言えばまだ名乗っていませんでしたね。私はグレースと申します。これでも、元冒険者だったんですよ」
「えっ、そうだったんですか。納得です」
何となく予想はしてたけど、いざ言われると驚かざるを得なかった。勝手な思い込みで悪いとは、思うが魔物と戦っているイメージがわかなかったからだ。それと同時に納得もしていたのだった。
何せ彼女からただならぬ雰囲気を少し感じていたからだ。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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誤字脱字が多いいと思いますので誤字報告で教えて貰えれば嬉しいです。
アドバイスなど、してくれるととてもありがたいです。アドバイスよろしくお願いします。他にも何かあれば遠慮無くどうぞ。
この作品に良さそうな作品名があれば教えて下さい。
もしかすれば、その作品名にするかもしれませんご協力よろしくお願いします。
魔物の名前とかにあまり詳しくありません、なのでなんでもいいので教えて貰えれば嬉しいです。
スキルや武器などの特殊効果も教えていただければ嬉しいです。その際はどの様な能力かも教えていただければ助かります。
これからもこの作品をよろしくお願いします。




