第12話:ステータス
刀を元に戻した後、刀夜は階段を上り鍛治工房に戻り棚を動かし地下室への入口を元あったように塞ぐ。
あの刀から放たれるものは感じるが放っているものが分かった為、あまり気にならなくなった。それでも、全く気にならない訳では無いのだが。
鍛治工房を出て文官が待っているところに戻る。
「どの物件に致しますか?」
「ここで頼む」
文官は驚いたようで目が一瞬ではあるが見開かれたもののすぐに、平静をとりもどし言う。
「……分かりました。すぐに手配いたします」
「あぁ、頼む。それといつ頃、住めるようになる?」
「明日には」
「分かった」
「それでは、王城に戻りますので馬車にお乗り下さい」
それから俺は王城に戻り別室にて国王、王妃、王女と会談をしていた。
「刀夜殿。屋敷は無事決まったようだな」
「えぇ、お陰様で」
「…それでだ、使用人はどうするつもりだ?」
確かに、あの広さの屋敷の掃除をするには人がいるだろう。少なくとも、俺には出来そうにない。
「まだ、考えていません」
「そうか、であるならば使用人はこちらで用意しよう」
「よろしいので?」
俺は普段通りの口調に戻している。
「うむ。元々、そのつもりでいたのだよ。娘がこれから住むことになる屋敷だ。信用出来る護衛兼使用人を三名用意しょう。どうだ?」
「こちらとしても、助かります」
「そうか、それは良かった。早速だが、その三名のうち二名の顔合わせも兼ねて呼びたいのだが、構わないかね?」
「えぇ、構いませんよ」
「そうか」
国王はそう言うと机の上に置かれた鈴をチリンチリンと鳴らす。すると、扉がノックされ二人の人物が入ってくる。
「失礼します」
「失礼します」
「刀夜殿。紹介しよう。赤髪の娘がクレア。青髪の娘がセレスだ」
紹介されたクレアとセレスという娘はどちらもアリシアと並ぶ程に美しかった。思わずアリシアの時同様に見惚れてしまったほどだ。
クレアは紅蓮の炎を思わせるような髪と瞳をしており、少し目付きが鋭い印象を受ける。
身長が女性にしては少し高く170センチ近くあるだろう。スラリと伸びた手足にスレーンダーな体型でいわゆるモデル体型と言うやつだろう。忘れてはいけないが胸は決して小さい訳ではなくどちらかと言うと平均よりも少し大きいと思われる。
次にセレスだが、こちらはクレアとは正反対とまでは行かずとも、真逆な印象を受ける。大海原を思わせる髪と瞳をしており、目は大きく優しい印象を受ける。
身長は160センチはあると思われるがクレアよりも数センチ背が低い。胸は大きく腰はしっかりと括れており、メリハリがハッキリとしている身体をしている。グラビア体型と呼べるだろう。
「ご紹介に預かりました。クレアと申します。以後お見知り置きを」
そう言い終えぎこちなくも軽く一礼する。心做しか声が少し震えていた気がする。
「陛下よりご紹介に預かりました。セレスと申します。以後お見知り置きを」
こちらもぎこちなくも軽く一礼する。やはり、心做しか声が少し震えていた気がする。
二人ともかなり緊張していることが分かる。
「えっと、俺は天雷刀夜といいます。これからよろしくお願いします」
俺も相手にならい軽く一礼する。少しクレアとセレスが驚いていた気がするが気のせいだろう。
「この二人が護衛兼使用人を務める。クレアはかなりの剣の使い手だ。次にセレスは結界駆使し防御を得意としておる。どちらも好きなように使ってくれ」
好きなように使ってくれと言われても家事くらいしかしてもらうつもりがないんだけど。
「…分かりました」
二人に身体を向けて、出来るだけ笑顔を意識して口を開く。
「二人には主に家事をしてもらうことになると思うから。これからよろしく」
「「承知致しました」」
「……さて、刀夜殿。軽い顔合わせはここまでにして、本題に入らせてもらうが構わんな?」
先程までとは雰囲気が一変してこれぞまさに国王と呼べる雰囲気になっている。その為、俺も雰囲気をガラリと変える。
「あぁ、構わん」
この部屋にいるメンバーで俺と国王を除いて平然としているのは王妃だけであり、他の面々は目を見開き驚きをあらわにしている。
「刀夜殿はこれからどうするつもりでいる?」
「どうするとは?」
「これから王都に住むのだ。食費や生活費その他もろもろはどうするつもりでいる?」
最初っから何を問われているのか分かってはいた。要するにお金はどうするのだと問われているのだ。俺は余り考えないようにしていたが、いざ口に出されると現実から目を背けたくとも背けられない。国王から貰ったお金もすぐとは行かずとも無くなるだろう。そのお金が無くなった後はどう生活すればいいのか全く決まっていない。
全く決まっていなかっため、沈黙しているとその沈黙で察して国王が再度口を開く。
「……やはり、決まっておらんようじゃな」
「えぇ、全く決まっていないな。そもそも、どのような仕事があるのかすら分かっていない」
清々しいとさえ言える態度で言ってのける。かなり、堂々としたものだといる。
「ふむ。では、冒険者になるというのはどうだ?」
「冒険者か? てっきり、騎士団に入れとか言われるものかと思ってたんだがな」
「考えはしなかったと言えば嘘になる。だが、何かと自由に出来る冒険者の方が都合が良いと考えたまでだ」
「そうか。そもそも、俺は冒険者がどんな仕事か、すら分からないんだが?」
「ふむ。刀夜殿ならば、だいたい察しはつくと思ったんだがな」
皮肉げにそう言ってくる。流石は国王なだけの事はある。
「だいたい察しはつく。だが、それが間違っていないとは限らないだろう?」
「その通りではあるが。どうやら、用心深くもあるようだな」
「これぐらい普通だと思うが?」
「あいわかった。冒険者については明日にでも冒険者ギルドに案内させよう。そこで、詳しい事は聞くと良い」
「分かった。それで? これで終わりじゃないんだろ?」
口角を上げ、ニヤリと腹黒そうな笑みを見せる。すると、国王は当たり前だと言わんばかりに口角を上げ、ニヤリと腹黒そうな笑みを返してくる。
「流石としか言えんな」
「ふっ、前置きはいい。さっさっと話せ」
「気付いておるだろうに。…それで、喜んでくれたと解釈していいのだな?」
「わざわざ、あんな仕掛けまでして御大層なものだな」
国王の返事を返す事なく言ったが、国王は俺の顔を見て本心を見抜いたようで返答を返す。
「あれは元々、あそこに合ったものだ」
「それを押し付けたと?」
「押し付けた? 自分からそれを受け取ったようなものだろう?」
「チッ……それで、あれはなんなんだ?」
「正直、分からんとしか言えん。何せ数百年前からあそこにあるようだからな」
「そうか。なら、あれを好きにしていいんだな?」
「構わん。元々、誰も近づけんからな」
近づけない? どう言う事だ? そんな疑問が浮かぶが、近付くどころか手に取れたことは今は内緒にしておいた方が良さそうだ。
「なら、好きにさせてもらうぞ」
最後通告のように言い放つ。
「構わん。好きに使え。………話はここまでにしよう」
「そうですね。聞きたいことは特にないですし」
そう嫌味ったらしく言うとそれをサラリと受け流す。
「そうだな。聞きたいことは全部聞き終えたからな。……忘れるところだった。刀夜殿のステータスの確認をしたいのだが構わないか?」
「構いませんがどうやってするんですか?」
「この水晶に触れてもらえば分かる」
そう言い国王が机の下から人間の頭程もある大きな水晶をドンと机の上にのせる。
俺は恐る恐る水晶に触れると水晶の中に文字のようなものが浮かび上がってくるが文字が小さ過ぎて見えない。
国王が真っ白な用紙を取り出し水晶にその用紙を触れ合わせると真っ白だった用紙に文字が浮かび上がってくる。
「刀夜殿のステータスだ。先に確認してくれ」
そう言いながら文字が浮かび上がった用紙を渡してくる。その用紙を受け取り書かれている内容を見る。
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名前:天雷刀夜
種族:悪魔皇
年齢:0
性別:男
職業:雷帝
適性:無、雷
固有スキル
【霹靂神流剣術】【心眼】【異世界言語】【雷帝】【魔素吸収】【超速再生】
称号
【霹靂神流剣術免許皆伝】【転生者】
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「確認途中に悪いが、見せたくないところがあれば見せたくないところを指でなぞるとよい」
俺は自然な感じを装いながら【霹靂神流剣術】を指でなぞる。すると、すぅーと消えた。別にバレてもよかったのだが、色々と説明を求められる可能性があった為、消す事にしたのだ。
「それと刀夜殿。次からステータスが見たい時は脳内でステータスオープンと唱えると良い。そうすればステータスを見る事が出来るようになる」
そう言われ脳内でステータスオープンと唱えると用紙に書かれているステータスと全く同じものが脳内に浮かんで来る。
なんか不思議な感じだな。それに、前やった時はステータスなんて浮かばなかったのにとボヤきたい気持ちになった。そんなことを思いつつ、ステータスも見終わったので国王にステータスが表示されている用紙を渡す。
俺のステータスが気になっていたようで国王が持つ用紙に皆、視線を釘付けにしている。
しばらく時間が経ち、まず最初に口を開いたのは国王だった。
「………これ程までとは恐れ入った」
「そんなに凄いのか?」
「うむ。そもそも、固有スキル自体を所持している者がかなり希少なのだよ」
なるほど。固有スキルを六個も持ってる俺は異常なのか。
自分が異常である事を実感しているとステータスに表示されている項目にいくつか分からないものがあった。
「ここにある。職業と適性ってなんだ?」
「そうじゃな。職業といっても、曖昧での。剣士や魔法使いのようにわかりやすい職業もがるが、刀夜殿のように雷帝というわかりにくい職業も存在する」
「分からないということか?」
「うむ。そうじゃが、分かっておることもある。職業によって身体能力などの補正が変わってくる。珍しいものとなると固有スキルを得る事もある。刀夜殿がそうであるようにな」
「この【雷帝】は職業によるものだと?」
「推測に過ぎんがな」
「職業が変わることはあるのか?」
「あるが、それは変わると言うよりも進化のようなものじゃな。例えば魔法使いの次は火魔法使いと言った具合になる。ただ、魔法使いの次が火魔法使いとは限らん」
「なるほど」
「次は適性じゃが。これは、使える魔法の適性の事だ。刀夜殿の場合は無属性魔法と雷属性魔法を使うことができるが、それ以外の属性魔法は使うことが出来ん」
少し残念そうな声音で言う。
「そうか」
俺がそう言葉を発したすぐあと扉がノックされる。それに、いち早く国王が口を開く。
「入れ」
「失礼します。陛下、時間になりました」
「分かったすぐに行く」
国王がそう言うと入って来た者が一礼して部屋か出ていく。
「済まないが、そういう事だ。これで失礼する。……それと 屋敷の準備が整うあいだは王城に泊まっていくと良い」
「そうさせてもらいます」
それから、ステータスを見て呆気にとられていたアリシア、クレア、セレスが平静に戻るまで差して時間は掛からず。三人が平静に戻ってすぐに、王妃と共に部屋から出て行く。すると、入れ替わるようにメイドが入って来て今日泊まる部屋まで案内してもらった。
国王と二人で話している時、王妃は動じる事もせずにニコニコと俺と国王の会話にしっかりと耳を傾けていたようだった。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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誤字脱字が多いいと思いますので誤字報告で教えて貰えれば嬉しいです。
アドバイスなど、してくれるととてもありがたいです。アドバイスよろしくお願いします。他にも何かあれば遠慮無くどうぞ。
この作品に良さそうな作品名があれば教えて下さい。
もしかすれば、その作品名にするかもしれませんご協力よろしくお願いします。
魔物の名前とかにあまり詳しくありません、なのでなんでもいいので教えて貰えれば嬉しいです。
スキルや武器などの特殊効果も教えていただければ嬉しいです。その際はどの様な能力かも教えていただければ助かります。
これからもこの作品をよろしくお願いします。




