第二話魔騎士
医者が来るまで、俺は取り敢えずベッドに横になることにする。
この世界は、魔法と剣と魔道科学が進歩している。
従来の魔法や剣を使った戦闘の他に、魔道科学で作り出された【魔騎士】と呼ばれる人型機動兵器を使った戦闘が主流になりつつあるんだ。
勿論、各貴族家にも【魔騎士】は整備されており、強大な魔力を持つ貴族しか動かせないし乗れない。
「俺の魔騎士は剣特化型だから、魔法も使うヒイロの魔騎士とは相性が悪かった。それも敗因だ」
……つまりは、魔騎士をアップグレードして対策すれば良くないか?
俺は立ち上がると、早速部屋から飛び出した。
向かった先は、格納庫である地下2階。
クオルグは勿論嫡男なので、顔パスで入れた。
「え?魔騎士をアップグレードするにはどうすれば良いかですか?」
メカニック主任であるザガマ・フォナードは、目を丸くする。
「魔騎士は魔物の魔石を格にして出来てます。強さも魔物の魔石によりますね。現在のクオルグ様専用魔騎士アールグレパスは、Cランクの魔物、ミノタウロスの魔石を使って居るので剛力と剣特化型になっております。今の性能では、魔法剣型と魔法型とは相性が悪いのも事実ですね」
ザガマは指摘してくれた。
「なら、新しい魔石を手に入れたらアップグレード出来るって事だろ?」
「はい、そうですが……」
「なら、俺が修行してダンジョン潜れるような冒険者になる!!」
「えっ!?クオルグ様がですか!?」
俺が言うと、ザガマはびっくりした。
「全属性適正あるし、剣術も学べば問題ない」
俺はドヤ顔して腕を組む。
「無理なさらないで下さいよ」
何故かザガマは疲れた顔をした。
「クオルグ様あっ!!」
「やばっ」
叫び声がして、振り返ると鬼の形相になったキサラが居た。
「さあ!!部屋に戻りますよ!!」
「わあ!!」
そのまま俺はキサラに担がれ地下格納庫を後にするのだった。
「一通り診てみましたが問題ないですね」
クオルセン伯爵剣主治医バーデル・ハリマーは苦笑いして答えた。
「ですが、クオルグ様が突然お礼を言ったのですよ!?」
キサラはバーデルに言う。
「心境の変化かもしれませんね。思春期は繊細で混乱することもあるから良くありますよ」
バーデルは苦笑いして頷く。
「ほらな、キサラが大袈裟なんだって」
「っ……」
俺が言うとキサラは顔を真っ赤にした。
「では、私はこれで失礼致します」
バーデルは一礼すると部屋から去って行った。
「すみません、クオルグ様、私が早とちりしたばかりに」
キサラが頭を下げて俺に謝る。
「別に良いよ、それより剣術教えてくれないか?俺、冒険者になりたいんだ」
「へ?」
俺が頼むと、キサラは思わず目を点にした。




