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第一話目覚め

俺は思い出して鏡を見詰める。


そこには、銀髪碧眼の美しい少年が映っていた。


見覚えありまくるその容姿は、序盤の敵キャラだ。


クオルグ・ジグルセイド。ジグルセイド伯爵家嫡男で、腹黒に暴言言いまくる我が儘なガキだ。


クオルグはヒロインである伯爵令嬢を婚約者にしときながら、冷遇し罵倒して苛める屑キャラだ。


ヒーローである主人公ヒイロ・サーバナイト公爵令息と、クオルグはヒロインを巡り決闘に挑む。


結果、ヒイロにクオルグは敗北して殺された。


ふざけんな、俺は死にたくない。


俺は半年前と10年間の過去に滅茶苦茶後悔しながら、善良になると誓う!!


クオルグと前世の記憶が混ざり合って頭が痛くなるが、素早く状況を判断しようと周りを見回す。


此処はクオルグの部屋で、どうやら一人で魔道書を読んでいたらしい。


高い場所にある本を取ろうとして、本が頭に落ちて前世を思い出したようだ。


「……えっと婚約したのが8歳だから、今は十歳の半年過ぎた頃。季節は夏」


冷静になって思い出した。


……使用人苛めたり、婚約者を罵倒してるよ!?うわあ、もう取り返し無理じゃねぇ!?


思わず俺は頭を抱えるのだった。


コンコンッ


部屋のドアがノックされた。


「……どうぞ」


取り敢えず俺は返事をする。


「失礼致します、クオルグ様、御部屋から物音がしたので……クオルグ様御怪我などございませんか?」


部屋に入って来たのは、俺が幼い頃から仕えてくれてる侍女だった。


金髪の長い髪を纏め、侍女の制服を着たナイスバディの美女。


キサラ・ムーンソード。

月の剣と呼ばれる固有の剣術の使い手で、ムーンソード子爵家の子爵令嬢。

護衛兼侍女。


そうだ、ゲームで決闘の際、キサラがその場に居なかったのは魔物に深傷を負わされて寝込んでいたからだったな。


じゃないと、クオルグをキサラが守るはず。


「本が落ちただけだから問題ない。様子を見に来てくれてありがとう、キサラ」


俺は苦笑してキサラに礼を言った。


「……クオルグ様がお礼を素直に言うなんて……」


だが、キサラは蒼白になり固まる。


「直ちに主治医を!!クオルグ様!!ベッドに横になってください!!」


キサラは慌て俺をベッドに寝かせると、部屋から飛び出して行った。


……そっか。クオルグは傲慢だから命令はすれど、お礼なんて言わなかったから驚かせてしまったのか。


ベッドに寝かされた俺は顔をひきつらせるのだった。

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