第10話 最後の清掃 その4
一瞬光につつまれたあと、目を開けると、そこは同じ風景だった。
唯一違うのは円筒の中にアウリが居なかった。
そして外の機械にはリタが居なかった。
居たのは俺ともっさんと移動ボックスのみ
「アウリ?」
もしかすると自分たちは気絶かなんかしていて、先に目覚めていたアウリが周辺を調査しているかもしれない。しかし俺がかけた言葉はむなしく空間に響いただけだった。
「・・・もっさんどうしよう・・・・」
「うう~ん。」
もっさんはその天然パーマのもじゃもじゃ頭をしばらくかき回した後。
とりあえず移動してみるかとなった。
なにかあるかもしれないから遠くには行かずに近場を見てみようとなった。
俺の目の前にはオートマッピングの地図が表示されている。
今居るところから。。。。え?
出口から先が何もない。
出口と思われるメンテナンス用エレベーターの扉をカードで開けると、その先はまばゆいばかりに輝いている大きな球体とその周りを砂嵐のようなものが渦巻いていた。
試しに手を出してみると。
「いてっ!!!!!!」
すぐさま手を引いたが、無数の傷がついている。まるでヤスリで削られたかのような痛み。
もっさんがつぶやく
「・・・・ダンジョンコア?」
今度はもっさんが左手を扉から先に出すと、もっさんが装着しているEMCが即座に反応する。
「ううううっ・・・くっ・・・ヒール」
俺の傷ついた手にもっさんの右腕から何か出る。見る見る間に回復する俺の手。
いったん扉を閉めて落ち着こう
「・・・もっさんありがとう」
「やべぇな。あれ。この機械で変換された奴でちょっと酔っちまった。」
ミシッ、、、ミシッ、、、、
部屋からよからぬ音がする。
エレベーター周辺の壁に亀裂が入る。と、ばあんという音とともに回りの壁が崩壊し、あの砂嵐のようなものが吹き込む。
俺はとっさに移動マジックボックスのボタンを押した
『Safety Field 展開
前回使用より時間が経っていない為 3分ほどしか維持できません』
「マジか、カップ麺かよ。」
もっさんは首をこきこきならしながら、腕を屈伸させた。
「しょうがねぇ。腹くくるしかねぇか!!!」
EMCを装着した左腕を出しながら構えるもっさん。
俺はモニターに問いかけた どうしたらいい?と
そのとき、背後からあの声がした
「藤堂さん、轟さん こちらです!!!」
壁だったはずの場所に、四角い光の裂け目が開いていた。アウリが手招きしている。
俺たちはカートを移動させつつそこまでたどりつき、その空間へと入った。
「た、たすかった。。。。。」
今までの工程で本当に死ぬのか?と楽観視していたが、マジで死ぬかと思った。
入ったとたん出入口だった空間は閉じた。
「ご心配おかけしてすいません」
俺たちに謝るアウリ
「こんな状況じゃなにおこるか分からねぇ。しかしなんで突然居なくなった?」
「実は、私の身体の機能にもかかわるのですが、高エネルギー下にさらされると自分の意志とは別にランダムで次元移動してしまうんです」
?
「現時点では、そのように理解していただければ十分です。ここは安全です。なんでしたら人間が食べる食料もあります」
改めて回りを見てみると、無数の透明な長細い半球が並んでいる。どの半球も「なにも入っていない」それはケーブルがつながっており、無数のケーブルは一つの装置らしきものへとつながっていた。そこには一つの長方形のクリスタル片のようなものが置かれていた。
アウリはそのクリスタルを慎重に持ち上げると、突然、自らの胸部を開いた
「これを収納する為だったんですね。。。。
すいません。しばらくこのクリスタルを解析しますので、お二人はお待ちいただきたいです」
読まなくても大丈夫ですが、私の別作品の「夢喰らうシェルター」の最終回を見てもらえるとつながります




