第9話 旅立ちの装い その1
俺はその日アウリに呼び出された。
しかも一体いつどうやったかわからないが、ライムから
『藤堂さん お疲れ様です。 先日お願いしていた「まるい」10階のサッキュバスさんの服の件でお打ち合わせしたい』
中央区 冒険者管理センター
今日も金ぴか野郎は表情は変わらないが、おそらく満面の笑みで俺を迎えた
「早速ですが、この布で彼女の装いを作っていただきたい」
アウリが見せてきた布
「……なんだこれ。」
布を光にかざす。
繊維の中で細かな結晶が星空のように輝いている。
「これ……布なのか?」
「クリスタルを織り込んだ布です。」
ぶうっ!!!
■ 布
仕様 ダンジョン産クリスタル片を繊維状にして織り込んだ布
使用糸 木綿・絹・ポリエステル・クモ糸 推奨
市場価格 鑑定不能
「服作成後のあまり布に関しては、藤堂さんへ進呈いたします。」
「・・・おまえ・・なんていうもの作ってんだよ!!!」
クリスタルってあの、「まるい」4Fのクリスタルだよね?!
それを織り込むって。。。ハサミで裁断するだけでも怖くてチビりそう・・・
実は何度か「採寸」ということでアウリと一緒に「まるい」10階には訪れている。
その度に俺は・・・・・・・
いやいやいや、それはおいといって!!!
「しかし、なんで服が必要なんだ?地下に行くなら「まるい」は地下に直結しているし必要ないだろ?」
「そうなんですけどね~。私の『ゴースト』が作れとささやくので。それに今の彼女の姿のままでは他の方が遠慮しますよ」
ゴーストってなんだよ?!ときどきコイツわけのわかんないこというんだよな。
あと、サッキュバスちゃんは生まれた姿のままででっかくなってるから、たしかに一緒に行動するには目のやり場にこまるのもわかる。。が!!
「あのさ、何度もいうけど、俺は裁縫は得意だけど、服は作ったことねーんだけどいいの?」
「貴方か作るからいいんです。」
アウリはきっぱりと言った。
そこまで言われたら、言い返しようもないし、逆に男がすたるというかんていうか・・・
「・・・・わかったよ。服はこの間見せた型紙でいいんだよな。」
「はい、できれば裾に刺繍をいれていただきたく」
アウリは俺にスマホを出すように指示し、写真から刺繍をいくつか指定してきた。
「こちらでお願いいたします」
「了解」
「経費に関しては先日、前金としてお支払いした金額で足りないようであれば連絡ください」
アウリはそういうとゆったりとソファーに座り込んだ。
ほんと、コイツ人間だったら、絶対イケメンだろうなと思う。
そこの座ってるだけで絵になるというかなんていうか・・・・
急にモニターが立ち上がる
『話し合いに応じる旨をそちらの方へお伝えください』
俺はそのまま文章を伝える。
「ようやっとですか?」アウリはため息をつきながら
「それで、いつ何時?こちらの時間軸で指定してください」




