第8話 価値は誰が決める その3
「モニターの先にいる貴方。この通信は私が支配しているので、出てきても大丈夫ですよ」
しばらくした後に俺の目の前のモニターに文字が走る
『我々には監視者へのコンタクトは許されていない。』
俺はその文字を読み上げた。
回りからは息をのむ
「わかっていますよ。でもそちらでも、将来的にこの星で起こるエネルギー爆発「大厄災」を防ぎたいと考えているからこうして監視しているんですよね。」
『もうしわけないが、我々は事情を知らさせていない。対象者が〇×△■で取得するものをこちらでも判定しているだけだ。』
「上の立場の人に出ていただきたいところですが、今回はむずかしそうですね。貴方から上司に報告してください。解決策について話し合いたいと」
『報告はするが、私の立場を保証してくれるのだろうか?』
「・・・わかりましたよ。それはこちらでも手配いたします。」
そうしてモニターは消えた
わけがわからない。今まで自分の能力だとおもっていたものは偽装された力で、、、、
「藤堂さん。」
アウリが俺をまっすぐと見ながら話し始める。
「貴方の「鑑定」自体は貴方自身の能力です。ですが、その能力の改変をおこなったのは別世界の人です。貴方が望んで得た能力ではありません。向こうの都合で振り回されているだけなのです。」
しばらく間をあけて
「あなた方の世界は、確かに他世界では不要物処理場です。」
「ですが。」
「不要と価値がないは、同義ではありません。」
「……その違いを理解している世界は、案外少ないのですよ。」
俺は「まっくすばりゅ」の2階にあるゴミ捨て場へと移動する。
道に点在する黄色い点を回収しながら。
つぶれた空き缶を回収する。
■アルミ缶
価値:0円
再生可能
モニターに表示された「鑑定」結果
平助は少し笑う
昨日までは、その表示をそのまま受け入れていた。
でも今は違う。
この世界だって、向こうから見れば「価値ゼロ」のゴミ捨て場だった。
それでも、この世界には笑う人がいて、泣く人がいて、暮らしている人がいる。
価値なんて、本当に数字だけで決まるのだろうか。
平助は空き缶を袋へ放り込む。
「価値なんて、誰が決めるんだろうな。」
ゴミ袋を見る。
昨日までは、「ダンジョンでゴミを拾っている。」そう思っていた。
だが、違う。 冒険者も、俺も。
結局は――
「清掃員なんだな。」
モニターには次の回収地点が表示される。
俺は何事もなかったように歩き出した。




