第8話 価値は誰が決める その2
アウリはつづける
「私の解析としては・・・・」
ホワイトボードのA世界の円の中心に一つの点を打つ
「どうやって、我々がいる世界と他の世界をつなぐのか?
ほかの世界の優秀な方々は、他次元と自分の世界をつなげるために。まずはわずかな質量の物体を転送させることとしました。そしてその転送物を媒介にしてつないでいるという次第なのですが、ここで今問題視されている事が発生していたわけです。」
A世界に今の西暦が書かれる。そして回りを囲む他世界にも同様に数字が書かれる。だが、その数字はバラバラに書かれてゆく
「彼らは同時間帯での星々間の次元結合を想定していたのですが、実際は時間のズレが生じている。
そうですね、、、現時点ではこの星と他の星とで100~1000年単位での時間のズレが生じています。さて、轟さん、貴方が仮にごみ箱に紙屑を捨てたとして1000年後どうなっているとおもいますか?」
いきなり指名された轟はしどろもどろで答える
「え・・・と・・・残らない?」
「そうですね。時間経過とともに大抵の紙は微生物等に分解され霧散する。1000年後にはよほど保存状態が良くなければ存在しない。または変質して存在する。さまざまなことが考えられます。
ましてや、彼らが捨てているのはその世界では不要とされるやっかいな物質。時間経過とともに良質な素材へと変化するならまだしも、そうではない場合もある・・・・」
しばし沈黙のあと
「現在のこの星には今、存在している人類やヒューマノイドでさえ解決できないぐらいの膨大なエネルギーが溜まっています。この星で抑えきれる質量が限界に近いのです。そしてこのエネルギーを制御できるのは接続点だけです。では、どうしたら解決できるのか?」
ホワイトボードのA世界から他の世界へと矢印をいくつも出す。
「他の世界へと溜まったエネルギーを逆転送する。彼らにはその責任があると私は思っています。」
具体的な解決策といてアウリはいう
「想定となりますが・・・」
1.この星の次元接続の元になっている「ダンジョンコア」と呼ばれるものに直接操作し、エネルギーの逆転送機能を発動させる
2.ダンジョンコア自体はダンジョンの最深部にある
「みなさんもおわかりのようにダンジョンの最深部へ向かう為には地下をすすんでいく必要があります。
我々ヒューマノイドは戦闘能力がほぼありませんので、そういう面で戦闘特価の筐体製作となると、時間がかかりすぎます。私はもちろん同行いたしますが、戦闘面での期待はしないで頂きたい。」
「・・・じゃあ、高ランクの冒険者を募るとか」
「何人いても狂暴なモンスターのいる地下は開拓がすすんでいない為、多くの犠牲をだしてしまう。・・・藤堂さん、あなたのスキル「鑑定」。今発動できますよね?」
部屋にいる皆が藤堂を見る。
「・・・・・」
「すいません。最初にお会いした時に簡単に貴方を見させていただきました」
「正直申し上げますと、その「鑑定」は偽装されています。本当は「監視」です。」
アウリがそういうと、目の前にモニターがでてくる。
「面白いでしょう?あなた方は"鑑定"と呼んでいますが、他世界では"監視"と呼びます。
読むがなが一文字違うだけですが、本質はまったく異なります。貴方はダンジョン清掃員として働いている。別世界からしたらちょうどよい「監視」要員なのです。」




