囚われた天使
身体をハッキングされ無力化されてしまったルディアル。果たして勝機はあるのか!?
「う…うぅ…」
俺が目を覚ますとあたりは夜になっていた。
「くくっ、やっと起きましたでちゅね」
足元の下の方からベルゼブブの幼児語が聞こえてきた
…俺は負けたのか…。
「み、みんなは?」
まさか全滅させられた!?
そこでハッときがつく。
身体がうごない!
って言うか半裸状態で磔にされていた!!
ボロボロになった見習い天使の鎧でギリギリ乳首とアソコが隠れている状態だ!!
肌色率80%越えてる!?
「おわぁ!!」
敗北したヒロインが煽情的な姿で縛られるのは、視聴者サービスで大好物だが、磔にされているヒロインの視点で見ても嬉しくない!
つうか、離れた場所に陣取った魔族軍やテンプルナイツ達の男どもが総出で磔にされた俺を視姦してねーか!?
「おっと!こっちに来たら、こいつがどうなるか知らないでしよ!」
俺の首筋に槍を押し付けるベルゼブブ。
うーん、ここは囚われのヒロインらしく「私に構わず攻撃しなさい!」と言った方が良いのだろうか?
しかし、俺を人質にしなければならない程ベルゼブブは弱っているらしい。
なんとか器械天使になれれば余裕で勝てるが…どうやっても器械天使のライセンスが買えない。
それに…
「うぅ…」
さっきから背中が痒い!!
身体をくねらせ、俺を磔にしている柱に背中を擦り付ける。
「ルディアルさま!!」
「おぉ、なんて事だ天使さまが苦しんでいる」
ジリジリと包囲網を縮めベルゼブブに近く騎士達。
なんか、俺の痒みに堪える姿を良く見ようと近づいているだけのような気もするが…
「それ以上、寄るな!」
騎士達を威嚇するベルゼブブ。
そういえばベルゼブブのマイクロビキニがいつの間にか旧スクール水着になっている。
俺を人質にして時間稼ぎをし、魔力の回復を待っているのか!?
不味い。ベルゼブブが大人に戻ったらもう勝ち目はない。
膠着状態で朝を迎える。
その時!!
「大地の戒め!!!」
大地がめくり上がり、ベルゼブブを拘束する
「な!?どこから!!!」
驚くベルゼブブ。
魔族軍もテンプルナイツも近づいてはいない。
「全軍、突撃!!!ルディアルさまをお助けしろ!!」
ランバード国王の号令とともに突撃してくる10騎の王国騎士!
ベルゼブブに向かって突進する騎士達。
「ルディ!!!」
騎士達の後ろからナイトで突っ込んでくるアリシアさん。
「はぁぁぁぁっ!!」
ナイトのサンルーフから身を乗り出し、磔柱ごと俺を担ぎ上げるノエルさん。
そのまま、全力逃走。
「全軍突貫!!!!」
うおおおおおおおお!!!
魔族軍とテンプルナイツ。そして遅れて到着した王国軍がベルゼブブに向かって一斉に突撃する。
「小癪な!!!」
強力な魔力の渦で障壁を展開するベルゼブブ。
ぐぁぁぁぁぁ!!
障壁に弾かれる騎士達。
やばい、ベルゼブブの身体が幼女から中学生ぐらいに戻っている。
「てりゃぁぁぁ!!」
魔王ルシファさんのランスアタック!!
「ぐぅぅぅ!!」
そのランスを受け流すベルゼブブ。
「ハッ!!」
「なんの!」
勇者エミリナの一撃を魔力の盾で受けるベルゼブブ。
ヤバ、女子高生ぐらいに成長している!
おっぱいもDカップぐらいになった。
旧スク水が弾けそうだ!!
ルシファさんとエミリナ、そして天使のリリネルの猛攻を前に一歩も引かないベルゼブブ。
もう、俺たちに勝ち目はない!!
「ルディ!liteパック買える?」
「まだ無理みたいです」
「……そう……プランCよ…」
苦渋の表示で無線でランクルに指示を飛ばすアリシアさん。
「了解」
ナイトの無線からクラリスさんの返答が聞こえた。
「全力で逃げるわ!!」
「え!!!」
「ルディ、貴方が生きていればみんな生き返れる。だから逃げて」
戦場から逃走を図るナイトとランクル。
「んふふ、残念。逃がさないわよ」
逃走を図るナイトのボンネットの上に降り立つベルゼブブ。
その姿は幼女でも女子高生でもなく、妖艶な微笑みを浮かべたアダルトなベルゼブブだった。
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