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014 私の…and it goes on like this……。

私の病気を患う姉は『シンパシーを感じた!』とかで、

TV番組の企画に出演し、

幸せな笑顔を見せていた難病の姉妹の言葉の意味を知る為、

独自でネイティブな英語の勉強をしていました。


結果、時として、そうでもない時もあるのだけど…、

ちょっとした幸せで口にする彼女の口癖は、

「and it goes on like this」となっていました……。

私的に、英語の意味は全く理解してあげられなかったけど、

彼女が幸せなのは何となく理解できました。


でも、忙しい時や、私の心に余裕が無い時に…、

彼女が私に伝えようと話す言葉は…、本当に苛立たされる事も……。

それでも…、彼女の子供みたいな説明…、

クイズか?とも思わさせる謎かけの様な彼女の言葉を…、

母の所為で彼女と別家族となり、亡くしてしまった今では…、

本当に懐かしく思います……。


母親の情報制限によって生まれた「彼女の世界」は…、

人間関係に立ちはだかる「シガラミ」と言う名の「柵」に囲われる事無い、

悪意や嫉妬を感じさせない…、

もう一人の私の中にだけ存在した彼女オリジナルの…、

綺麗で穏やかな楽園だったと思えます……。

今では、継接ぎだらけのノートの中にだけ残されたエデンです。


私は、何度もその世界に触れ…出会った事も無い「彼」を想います。


あの時…、

運よく母親に破られずに済んだ愛らしいノートのページの一部……。

引張られ少し伸びた部分のある、

そんな場所に書かれた「彼女の彼に対する気持ち」を…、

彼は知っているのでしょうか?

引き裂かれたノートの大きめな切れ端に残され…、

難を逃れた行き場を無くした「彼女の恋心」を…、

今更ながら、私は「彼」の元に送り届けたいと思いました……。


でも、「彼女」は…、

ノートに「彼」の事を「彼」としか表記していなかったから…、

手掛かりは殆どありません……。

病院は、個人情報の保護の為に取り合ってもくれませんでした。

勿論、今更でも、母には尋ねる訳にはいかないのも現実です。

私を産んだけど、親である事を自らの意思で辞めてしまったあの女は…、

自分の崇拝する神の理想に逆らう者を許さなかったのだから……。


そして、残念な事に、

あの女の崇拝する神を祀る「宗教法人」が経営する病院の制限の中で、

「宗教」と、その「宗教法人が経営する病院」の間に

「宗教の教え」の強制は無くても、

「信者」の要望は通りやすい風習が残っていたのでしょう。

どんな情報も、与えては貰えませんでした。


その為に、姉を亡くした当時の私は…、

母親の知られない様に看護師の一人をこっそり捕まえ…、

『「手紙」は駄目でも、これだけは…』と無理を言って…、

彼の為に残されたもう一つの「ノート」と、

「てるてる坊主」を残してきたのでした……。


そして、あの女の要望の為に

「千切られたノート」や「てるてる坊主」も、

「彼」の元に届いていないかもしれない可能性もあります。

それでも、あの時の私には

信じてもいない神に願い、運を天に任せるしかなかったのです。


そして今日、

ラジオと、そのネット上のの中で見付けた「繋がりの糸」…

私と似た境遇の「LIVE BBS」を発見し、

その頼りなく細い糸を手繰り寄せる事にしました……。


その「LIVE BBS」にて、

彼に「てるてる坊主」が届いていたかもしれない可能性を、

見出しす事が出来たのです。


私は、早速、対となるであろう、

「ノート」と彼女御手製の「てるてる坊主」を持って…、

墓の場所は、母だった女の我儘で教えて貰えなかったから…、

彼女を焼く為に使われたであろう火葬場の…、

「火葬場の石碑」の前に降り立ちます……。


私の所有する彼女御手製の「てるてる坊主」は…、

私と彼女が共有していた「ワンピース」から切り出された端切れ、

それぞれの「前衣」と「後ろ衣」の生地を使い作られています。

そして、私が今、持っているのは…、

私が着用していたワンピースで作られている方で、

嘗て「彼女が持っていた方のてるてる坊主」だったりします。


出会いの願いを込めて、

私は「てるてる坊主」を交換して残したのでした。

だから、これは…彼女の思いを伝える為の「てるてる坊主」…、

私は、彼女の「てるてる坊主」と一緒に、この快晴の空の下…、

「彼」と、私の為に作られた「てるてる坊主」に会って伝える事を…、

彼女に誓い、俯いて青空に願いました。

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