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015 僕の…and it goes on like this……。

・・・「てるてる坊主」は、俯きながら祈りを捧げていた・・・

「and it goes on like this」これは彼女の口癖、

中学生だった彼女は、不器用に伝える事に、いつも必死になっていた。


彼女の「あんな」「こ~んな」と、自分なりに伝えようとする姿は、

当時、高校生だった僕を捕えて離さなかった事を思い出す。

1年の「年の差」が大きかったあの頃…、

当時、彼女と彼がそれぞれ、中学生と高校生であった…あの時代……。


彼は今更ながら『我ながら…ロリコンだな……。』

なぁ~んて思い悩んでいた事が馬鹿らしく思えた。

大人になって、学生時代感じていた年の差の壁は、

嘘の様に低くなっている。


あれから僕は、

いつのまにか自分が大人だと信じていた年齢に達していた。

でも、二十歳越しても僕は…、

自分がまだまだ、子供だと感じる事が多い……。

体が年齢を重ねただけで、心が成長していない。


「彼女の面影」を未だ引き摺り、「癒し」を求めては、手を伸ばし…、

「違う事」に気付いて傷付き、相手を傷付け…、

「面影を求め」次に手を出し……。

また、「違う事」に気付き…、

毎回「似たモノを持つ存在」を失う事を恐れ…、沢山、拾い集めては…、

簡単に捨てられないのに、引き摺るのに…、

毎回、「違い」に落胆し、嫌になって捨ててから後悔して溜息を吐く……。


フェス参加を決めてから、何日かの間で、僕はいつの間にか、

「彼女を求め」て、他人を傷付けて回っていたみたいだった。

而も、友人達に指摘されるまで、それに気付く事はできなかった。


その結果、一人で参加する事となった生まれて初めてのフェス会場。

そんな僕の前に…彼女とそっくりな「もう一人の彼女」が現れる……。


まだ、出会った事の無かった「もう一人の彼女」は、

「彼女の面影」を携えていた。

それだけではなく、彼女は「てるてる坊主」を持っていた…、

僕に残された物とそっくりな「てるてる坊主」と一緒に、

フェス会場に張り出された写真の中で微笑んでいたのだ……。


僕は上着のポケットの中から顔を出し、フェス会場を供に廻る相棒、

「てるてる坊主」をポケットから取り出し、

もう一人の彼女の持つ「てるてる坊主」と見比べ、

写真の撮影日が今日である事を確かめて、

相手も同じ「てるてる坊主」を持つ者を捜している事を知る。


彼女が好きだった番組のDJへ向けて「LIVE BBS」書き込んだ言葉が、

彼女をこのフェス会場に呼び寄せたのだと知る。

「これは偶然ではなく必然、運命だ!絶対に会える!!」

僕はそう信じ、その気持ちを誰かに伝えたくて、

通信アプリに書き込んで友人達に送信。

広大なフェス会場を走り回って、何の収穫も無いまま夜になり…、

『本当はチケット買ってたから一緒に着ても良かったのだが…』と、

苦笑いするフェス常連の友人が、スマホのGPS頼りに僕を見付け…、

他のフェス常連メンバーが待つ場所へと連れて行ってくれた……。


常連な彼等はテント等を持ち込み、木々にLEDランタンを下げ、

その灯の下に机を並べて、軽く音楽を掛け…、

それぞれのライブ会場のタイムテーブルが確認できる様に、

パンフレットを置き…、ライブに出掛けたり…、

ライブから帰って来て、感想を述べ合ったりしている……。


そこで僕は、フェスに来たのにまだ、

一度もライブ会場に行き、ライブを楽しんでいない事に気が付いた。

僕がその事を友人に話すと、友人は『やっぱりな』と言い。

スマホ片手に『お前がフェスを楽しめる様に手伝ってやる』と言って、

彼女の情報を集め、SNSに書き込み、彼女に呼び掛けてくれた。


その御蔭の、もう一人の彼女との出会いは…、

僕が最初に写真を見た時程の感動は無く…、

連絡先の交換の後、ライブを一緒に見に行って楽しんで…、

『また、来年!若しくは、別のライブ会場にて!』と、

凄くあっさりした…モノとなっていた……。


その翌日、まだ続くフェスの日程を残し、

僕は「てるてる坊主」と「彼女へ送る筈だったプレゼント」を持って、

「彼女の一部」骨壷に入らなかった残りの遺灰が眠っているであろう、

「火葬場の石碑」へと向かう。


彼女の遺骨は…彼女の母親が持ち去り……。

何処にあるか捜す事もできないらしいが、そんな事はもう、

僕にはどうでもいい事になっていた。


and it goes on like this


嘗て、彼女は独りで逝ってしまいました。

彼と、もう一人の彼女は置いていかれてしまいました。

今度は彼が一人で行ってしまいました。

もう一人の彼女は、また置いていかれてしまいました。


連れて行く事は何となくできなかった。まだ、一緒に居たかった。

だから、独りで泣いた。

これは、嘗て彼女が思い、時を経て彼も思った、似て非なる気持ち。


それぞれの時に…彼も、彼女達も…悲しくて寂しくて泣いていました。

それぞれの時を、それぞれに見守った「てるてる坊主」は、

申し訳なさそうに俯きながら晴れを祈りました。


「and it goes on like this」

この言葉と対となる言葉が、幸せなモノであります様に!


俯いて空に祈った日。彼は、もう一人の彼女と再会しました。

嘗て、この御話は、忙しさを理由に…、

途中、完全に未完成の状態で投降した物語でした……。

今回、その事を思い出し、

今回は誰も何も急かす人も存在しなかったので、忙しいながらも、

ちゃんと、それなりに完成させたくて、手直し投降したのがコレです。

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