人狼2
“人狼”
それは映画や小説などでは、人型の狼の姿で書かれている。
人や家畜を襲い、どんなに攻撃しても銀製の銃弾でなければ殺すことができない。
そんな怪物で有名だ、そんな人狼が今
「グルルルルーーー!!!」
うなり声を上げながら、目の前にいる僕達に、その毛や爪を逆立たせながら威嚇している。
だれもが今の状況を飲み込めていなかった、急に出てきた人狼に全員が意識を飲まれていた。
一人以外は
(おかしいでしょ!何で俺はこんなに落ち着いてみているんだよ?!普通、パニックになったりするでしょ!)
僕だけが、なぜかこの人狼を冷静に見ることができた。
最初現れたときは驚いた、だが人狼とわかったとたんなぜかすぐに事態を飲み込めた。
まるで、人狼が醸し出す、恐怖や混乱に“耐性”ができたみたいに。
そんな風に別の意味で混乱している僕をよそに、人狼は動き出した。
「グルゥアッ!!!」
吠えながら人狼はものすごい勢いで接近してきた狙いは
「天川先輩?!!」
「?!」
猿飛が天川先輩に向かって叫ぶ。
その声を聞いた天川先輩は慌てて持っている鉄パイプでガードしようとするが人狼の方が早く間に合わない。
やられると思った、次の瞬間。
「チェストーー!!」
「ギャウン?!」
木刀による突きが人狼の胸に入り、人狼は後ろに吹っ飛んだ
「大丈夫か!!天川!!」
「っつ!すまん!!康太!!」
「気にするな!」
人狼に突きを食らわせたのは、がたいのいい身長百八十ありそうな三年の先輩だった、木刀の扱い方がうまいことから多分、剣道部なのだろう。
そうこうしているうちに、人狼が立ち上がり怒りの形相でこちらを見ていた。
「くそ!康太の突きを受けても平気なのかよ!!」
「いや、あやつ拙者の突きを受ける際、後ろに飛んで攻撃の威力を逃がしていた、ただのけものではないな。しかも異常に堅い」
そう言って康太と呼ばれた木刀の先輩は、油断なく木刀を構え直した。
人狼は康太先輩を敵と判断したのかまっすぐに見据え、駆けだした。
「こい!!」
そう言って先輩は人狼の攻撃をはじき返していった。
受け流し,打ち落とし,打ち払いと、人狼の攻撃ごとに手を変え形を変え逆に人狼に攻撃を加えていった。
(いける!)
その場にいた全員がそう思った
しかしその矢先にあり得ないことが起きた
スパンッ!!!
「「「「?!」」」」
今まで人狼の攻撃を打ち払っていた康太先輩の木刀が、中程から切れた。
折れたのではなく切れたのだ。
木刀が切れた先輩は一瞬呆けてしまった、その一瞬のすきに、その人狼は先輩の体を斜め下に殴った
「戦国先輩!!!」
猿飛が悲痛な叫びが響いた
「ウオオォォォーーー!!」
人狼は吠え、とどめを刺すために先輩に近づいていった。
先輩はさっきの衝撃で動けないようで、しきりに人狼をにらみつけるだけで動こうとしなかった。
そんな中、人狼と先輩の距離が後三メートルと言ったところで
「うおおおおおおりゃあ!!!!!」
天川先輩が鉄パイプを人狼の頭に振り抜いた
ギャイン!!
人狼が情けない声を出した
しかし、人狼は反射的に殴りかかった天川先輩を、そっちを見ずに殴った。
「がはっ!!」
体長二メートル以上もある人狼の頭を殴るため、飛び上がったのが災いしたのか、人狼の攻撃をもろに受けてしまった天川先輩は五メートル離れた木にぶつかり止まった。
人狼の攻撃に力が余り入っていなかったのが幸いしたのか、弱々しくはあるが天川先輩は立ち上がった、しかしその姿はもうボロボロであった。
「ぐう! くそっ!!」
人狼は動けない康太先輩よりも、不意打ちを食らわせた天川先輩を敵と認識したようでそっちに向かって近づいていく
「天川!!くそっ、どうすれば!!」
瓜田先生は腰が引けてしまった生徒をかばうように立ち回っているので動けない。
僕は考えるこの状況を打破するにはどうすればいいのか、動けるのは天川先輩、戦国先輩、瓜田先生そして 僕・・・
答えはもう決まっている
「先生、僕がやつを引きつけます。その間にみんなを学校まで」
「なっ?! バカを言うなそうしたらお前はどうする!! あんなやつに勝てるわけがない!!」
「でもこのままじゃ全員あの人狼にやられる! それよりも少しでも生き残って、このことを伝えないと!」
「だが、しかし・・」
「大丈夫ですよ、ちゃんと帰るって約束したんですから死んでも帰ってやりますよ」
「・・・わかった、だが絶対帰ってこい!! 帰って来なかったら運動部特性 地獄メニューのフルコースだ」
「うへ~、それは嫌だな、じゃあ絶対帰らないと」
そんな軽口を言い合い、僕は学校の用務員倉庫から持ってきた武器を取り出した。
その頃、人狼は天川先輩にとどめを刺そうとしていた。
天川先輩は、ぱっと見立ち上がって一見無事に見えるが、あばらにひびが入りほとんど満身創痍であった。
しかしその状態にもかかわらず立っていたのは、ひとえに先生の背後に隠れている生徒たち、そして未だ立ち上がれない友のためであった。
(くそっ、いってー、あーあ俺こんなところで死ぬのかなー。
まあいいか、死んだら死んだで悔いの残らない・・・いや残るな、くそ、もっと生きたかったな)
そんな風に覚悟を決めていたとき、不意に自分にとどめを刺そうと振り上げていた人狼の手が一瞬の震えとともに止まった。
(なんだ? どうしたんだ?)
そんな天川の疑問をよそに、人狼は天川から目をそらし後ろを振り向いた。
その時天川は人狼の背中から何かが生えているのに気がついた。
「あっ、あれは・・・」
その背中には手斧が刺さっていた
「!!」
驚くよりも先にこんな言葉が聞こえた
「油断してるからだぞ、このクソ犬が」
そこには右手に手斧を、左手に鉈を持った大神 社がいた
「大・神・・なん・で」
「疑問は最もですが、こいつは僕が引きつけます! 先輩は学校まで逃げてください!!
おらこっちだ!このクソわんコロ!!」
そう言って俺は右手に持った手斧を投げつけた、しかし当然それは避けられたが、その一瞬で僕は反対側へと逃げ出し森の中に入っていった
「グルォアアアアアーー!!!」
背中の痛みか、それとも挑発のせいか。
人狼も俺を追いかけて森の中に入っていった。
「天川、大丈夫か?!」
「瓜田! 何で!」
「話は後だ、ひとまず学校に戻るぞ」
「くそっ!!」
そういって探索隊の九名は学校へと戻って行った。
一人の生徒をおいいき




