探索隊
丑崎先輩の発言に体育館内にいた生徒が騒ぎ始める
『全員落ち着きなさい!!たしかにこの選択は非情ですがこの状況を打破するためには情報が必要なのです理解してください!!』
丑崎先輩がこう話しても騒ぎは収まらないそれどころか「自分一人でやれ!俺たちを巻き込むな!」という非難の声が上がった。先生たちがなだめようとする中
ドゴンッ!!!
そんな大きな音とともに先程の喧噪が嘘のように静かになった
音のした方に目を向ければ、そこには握り拳をステージ上の講演台に振り下ろし顔を伏せている丑崎先輩がいた
数秒の静寂の中顔を伏せていた丑崎先輩が顔を上げ喋り出した
『ようやく静かになりましたね
で?何ですか?先程「俺たちを巻き込むな」と言った方、それじゃああなたはこの状況を改善できる策があるのですか?』
静かに、淡々と笑顔で話す丑崎先輩
その声音と表情は怒っているとは感じられないように見えた
しかし全員、特に先程非難の声を上げた生徒はその顔を青ざめさせていた
『・・・・・無いのですか?
それでは先程の言葉は私の空耳ということでいいのですね?
それでは気を取り直して話を戻します』
そういって丑崎先輩は話を戻していった
分からないかもしれないが丑崎先輩は先程キレた
丑崎先輩はキレると先程のように淡々とした口調となり何故かものすごいいい笑顔になる
しかもその笑顔、ぱっと見普通に見られるがその目は全くと言っていいほど笑っていないので、普通に怒られるよりも精神にくる
余談だが丑崎先輩はかなり強く、切れたら何をするかわからない危険人物なのだ。その昔粋がった不良十数名が先輩を怒らせ一生消えないトラウマを植え付けれたのは有名な話だ。
『それでは探索隊を派遣するのに反対の方はいませんね?』
「「「「「「「「「はい!!!」」」」」」」」」
この瞬間、生徒たちの心が一つとなった「絶対に逆らわないようにしよう」という教訓をもって
『それでは、探索隊の選抜を生徒会長にしてもらいます。生徒会長来てください』
続けてそういった先輩の言葉に反応して一人の生徒が壇上に上がった
「いや、俺出る必要ないよね、恵ちゃん最後まできみがしてもええんよー?」
「いえ、一応生徒の決定権はあなたに全部一任しますので後はよろしくお願いします風原会長、あと下の名前で呼ばないでください、いくら親戚でもセクハラですよ」
そう、この人が生徒会長 風原雄馬、別名お飾り会長、何でこういう通り名がついたかというと
「ひどいなー、まあ別にいいけど、普段の仕事やってくれてるし恵ちゃんのお願いをきいてあげるかー」
「あなたの場合は普段の仕事はポンコツじゃないですか
こういう時しか本当に役に立たないんですから役に立ってください、人望だけはあるんですからちょうどいいでしょ?
そして生け贄になってください」
「生け贄はひどくない?」
そう、この会長人望はあるのだがとにかく能力が偏っている
普段の事務処理と言った仕事は小さなミスが多くはっきりと言っていないほうが楽
しかしこの学校は月に一度、独自のイベントのようなものがあり、その企画やそれについての仕事は完璧という、ステ振りが変わっている人なのである。
ちなみにこの月一のイベントは校内でも結構な人気かつ学校に疲れている教師にもいい息抜きになっている。
「まあ、とりあえず探索隊の選抜については公平にするためくじ引きにしようと思う
というか今度のイベント「ドキドキ!お楽しみ抽選会!!」で使おうと思ったんだけど無駄になりそうだから今使おう」
「いつの間に作ったんですかそれ?」
「休み時間にこつこつと、いやー!三百枚以上を作るのは大変だったよ!」
「んなことしている暇があるなら仕事してください会長」
「ごめんごめん、てか今バカって言った?
まあとりあえずこのくじ箱の中には学年と組、そして全生徒教師の名前が書いてある紙が入っているのでそれを十枚、校長先生に引いてもらいます」
「えっ、私ですか!?」
「はい、ここは我が校の校長が引くべきでしょう」
そういってクジの入った箱をもって三河校長先生に歩み寄る生徒会長
対して三河校長先生は
「本音は?」
怪しんでそう質問した
その質問に生徒会長はいい笑顔をしながら親指を立て
「俺一人じゃ恨まれそうだから道連れがほしい」
そう宣言した
「ひどいね風原君?!!」
そんなコントみたいな台詞とは裏腹に、くじが引かれていく様子を生徒は、息をのみながら見守っていた
「それじゃあ、十枚引き終わったので発表しますまずは・・・」
そんなことを言いながら名前が呼ばれていく
呼ばれた生徒、教師は「嘘だろ?!」「マジで?!」などと悲鳴に近い声を出していたそして最後の紙に書かれている名前が呼ばれた
僕、大神社は心のどこかで思っていた、約三百分の一の確率そんなに当たらないだろうと。しかし現実は非情だった
「二年二組 大神 社、以上の十名を第一次探索隊とする」
この言葉を聞き、僕よりも実亜や大河の方が目を見開いて驚いていた、呼ばれた本人である僕はなぜか異常に落ち着いていた。




