生徒総会にて
“体育館”
その建物は一言で言っても多くの形や機能がある
コートのみの比較的小さなものから武道場など多機能な施設がある大きなものまで
この学校は後者である
武道場から卓球場、変わったところではダンスホールまである。そんな体育館に全校生徒300名あまりと教師が集まっていた、その顔は皆一様、困惑や恐怖などがほとんどであった
『えー、みなさん大変困惑されていると思いますがこれより緊急の生徒総会を始めます。
議題は今の現状についてと対策です・・・・・・というか対策もくそもないよね、これ?こんな意味不明な現状どうすればいいのよ!!!』
『ちょっ?!宇野原先生落ち着いて!素が出ちゃってますよ!』
そんな挨拶とともに本音が漏れてしまっているのは三年学年主任である宇野原先生と、それをたしなめているのはこの学校の校長でもある三河先生である。
普通校長の方が学年主任よりも偉いのだがこの二人は
『何?この状況で私に説教するつもり校長先生?』
『いやいやいや!こういうときは先生である宇野原先生が落ち着かな「うるさい!!」イダダダ!!?ちょっ!?何するんですか!!?』
そういって、宇野原先生が横から正論を吐く三河校長先生に目にもとまらない速さでアイアンクローをかけ怒鳴った
『うるさい!弟のくせに姉に意見しようなんざ百年早いんだよ!』
『ちょっ?!先生!ここ学校!学校ですから!公私のことは時と場所を選んで・・・』
『だまれ!公私云々以前に私より社会的立場が上でもね、家庭内ヒエラルキーは私が上なのよ!だからいいの!』
『そんなむちゃくちゃなー!!?』
そう、この二人は姉弟なのである、今アイアンクローをかけている方が姉の宇野原 千春、かけられているのが弟の三河 遥、なぜ名字が違うかというと家庭の事情らしい、ちなみに二人とも独身であり姉弟であることは全校生徒周知の事実である。
「先生、とりあえず喧嘩は後にしてください、まず最初に今の現状を説明、というかこれからを話し合わないと、あとマイクが入っているのでかなりうるさいです」
そう言って出てきたのは副生徒会長である丑崎先輩である
「おおすまん、丑崎くんちょっと頼む私はこの愚弟を折檻してくるから」
「ちょっと?!何言ってるんですかこのバカ姉!!今はそんな時じゃないでしょうが!」
「いったな!このやろう!!」
「いいますよ、このバカ姉!!」
そういって勝手に喧嘩を始める二人に丑崎先輩がキレた
「喧嘩するなら向こうでさっさと白黒つけてください!!はっきり言ってすっごい邪魔です!!」
教師に向かってはっきりと「邪魔」と発言する副生徒会長
普通なら起こるか注意するところだが
「おう、すぐに決着つけてきてやる!」
「それはこっちの台詞です!今日こそ目にもの見せてやりますよ!!」
そう言って二人は全校生徒の見てる中体育館の外に出て行った
『それでは、静かになったことですし生徒総会を始めます』
そう言って生徒総会を始める丑崎先輩に全員注目した。
先程の宇野原先生と三河先生の姉弟喧嘩と丑崎先輩の異常な平常心効果のおかげか、ほとんどの生徒が落ち着きを取り戻し生徒総会が始まった
『まず始めに今の現状確認です。今のところの情報では、皆さんの知っての通りこの学校は森の中、しかも地球ではないどこかにあるということが確認されています。
「うそ!」と思う方もいるかもしれませんがこれは事実です。
その証拠に今現在空に見える月が一つではなく六つあるということからわかります』
この言葉に気付いていなかった生徒たちが騒ぎ始めた
『皆さん落ち着いて!ここで騒いでも何の解決にもなりません、まずこの状況を打破するために身の周りのことを整理します。』
このような出だしから始まりこの生徒総会で今の自分たちの状況を整理していった
わかったことと言えば
1,ここは異世界であること(月が六つあることから)
2,周りに人の気配がないこと(校舎の屋上から見たところみあたらなかった)
3,全校生徒、教師、全員がいること(点呼を行い確認)
4,緊急災害用の食料があるのでしばらくは食糧不足などの心配はないこと(姉弟喧嘩から帰ってきた三河先生が教えてくれた。顔面がぼこぼこで最初誰だか分からなかった)
5,水、電気といったものがつかえるということ(なぜか使える、しかし携帯は使えない)
6,森の中には地球にいないような動物がいること(さっき窓の外から何か小山ほどある動物の背中が見えたり、正門の方に大きな狼のような生き物がいたこと)
7,この校舎は何か結界みたいなもので覆われていること(正門にいた巨狼が入ろうとしたところ見えない壁のようなものにはじかれ、空から来た鳥のような生き物もにはじかれたため)
現状をすべて確認したあと最後に丑崎先輩がこういった
『しかしこのままではいずれ食料はなくなり混乱になる可能性があるためただ今より全校生徒+教師から数名、探索隊として森に行ってもらいたいと思う』
この言葉に全校生徒の時が止まった




