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学園転移~人狼になった俺の異世界生活~  作者: 蜜柑【オレンジ】
三章 
48/52

コボルトVSゴブリンVS人狼 6

 甲高い音を立て、折れた鉈。


 使いすぎかそれとも手入れが甘かったのかあるいはその両方のせいかは知らないが、ヤシロの持つ鉈が真ん中から真っ二つに折れた。


 半月ほど使い続け最初のサバイバルでは大活躍をし、ちょっと愛着が湧いてきていた矢先のこれにヤシロは珍しく動揺していた。 その証拠に普段は眠そうに見える目をこれでもかと見開いて折れた鉈を凝視しているその姿は少し怖かった。



しかしこの状態はかなり不味い。 普段の日常なら特別に問題はない、しかし今の状況は戦闘中。 数秒であっても敵から注意を反らすのは大きな隙となり、自身の命運を左右するといってもいい。 


 そして目の前にいる骨鎧のゴブリンはその隙を見逃すことなかった。


「死ね え!!!」


 殺意を込めた言葉と共に骨鎧のゴブリンは手に持った大剣を無防備になったヤシロの頭目掛けて振り下ろした。









▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲


 迫り来る大剣を前に、俺はほんの少し、ほんの少しだけ手に持った愛用の鉈に意識を持って行かれていた。


 

そもそもよーく考えてみたらこんな小さな鉈でその倍以上の大剣を弾くのっておかしいよね?

その前にも結構いろんなものこの鉈で切ってるし。 

例えば巨大イノシシとか、なんかでかい竹のバケモノみたいな奴とか、巨大イノシシとか、木とか、巨大イノシシとか、巨大六つ腕熊とか、木とか、巨大イノシシとか、巨大イノシシとか、巨大イノシシとか、巨大イノシシとか、巨大イノシシとか、巨大イノシシとか・・・・・・・・・・・・イノシシばっか切ってんなおい。


まあとりあえずそれはおいといて。 結構使ってたんだよなこの鉈。 その割には手入れあんまりしてなかったけど・・・・・・そういえば最近なんか違和感があると思っていたけどもしかしてひびが入ってたのかな?





そんなことを考えている内にふと意識を頭上に向けてみればそこにはあと少しで当たりそうな大剣 ・・・・・・え?


「うお?! って、あぶな!!!」(バシッ!!!)


『「「「「「・・・・え? ええええええええええええええええええーーーーー?!!!」」」」」』


あと少しで当たりそうであった大剣はヤシロの目の前で止まった。


いや、止まったというか、ヤシロによる綺麗な白羽取りによって止められていた。

そしてその光景に目の前にいる骨鎧のゴブリンだけではなく周りにいるゴブリン達や、意識がはっきりとし先程から静かにヤシロと骨鎧のゴブリンの戦闘を見守っていたコボルト達、クレアと一緒にコボルトの応急処置をしているアセリアが目玉が飛び出そうなほど驚き叫ぶ。

そんな中クレアとノアだけはヤシロの華麗なる白羽取りを手を止めてチラッと見た後軽く苦笑をしてからまた再度手を動かし始めた。 

(因みにアセリアはクレアに小突かれてまた応急処置に戻った。)





全ての視線を受け取る中直ぐに意識を戻したのは骨鎧のゴブリン。自身の持つ大剣を白羽取りされていることに少々驚いたが直ぐに気を取り直して大剣に力を込め始めるのだが


「ぐ、ぐぎぎぎぎギギギギギギギギ!!!!」


白羽取りされている大剣はプルプルと小刻みに揺れるだけで一向に動く気配がない。 



大剣を押しても動かないなら引いてみる。 今度は大剣を引っこ抜こうと力を込めるが


「ぬごおおおおおおおおお!!!!」


抜けない。 


というか白羽取りをしているヤシロも意地なのか歯を食いしばり大剣を掴んでいた



「ぬおおおおおおおおおおおお!!!! 離 せーー ー!!!!」


最終的には骨鎧のゴブリンはまるで背負い投げのような体勢になりながらも大剣を引き抜こうともがくが、それに対抗しヤシロも自身の足に《重力魔法》をかけて踏ん張る。



しかし次の瞬間


  ずるっ


「やばっ!!」

「どらああ!!!!」


  ドゴッッッッン!!


ヤシロの手汗により滑る大剣、それをチャンスとし骨鎧のゴブリンは一気に大剣を振り抜いた。 そして巨大な地響きを立てながら大剣は弧を描きそのまま地面を切り裂き半分以上が埋まった。



そして一拍の静寂を置き


「うおおおおおおおおお!!!!」


骨鎧のゴブリンが吼える。

その横ではヤシロが地面に膝をつき両手で地面を殴り悔しがっていた。


そして勝者である骨鎧のゴブリンを祝福するかのように辺りでは拍手が送られていた。








「いや、何の勝負?!!」


 アセリアの突っ込みが響く。

 それと同時にその場で拍手を送っていたゴブリンにコボルト、そしてノアとクレアがはっとした表情で正気に戻った。


 そしてゴブリンとノアは命がけの鬼ごっこに戻っていき、クレア何事もなかったようにはコボルトの応急処置に戻った。




 そして骨鎧のゴブリンも地面に埋まった大剣を抜こうと手を伸ばし、それに気付いたヤシロは直ぐに立ち直りファイティングポーズをとる。


「ぐぎゃぎゃぎゃぎゃ!! さっ きは 後 れを とっ たが 武 器の ない 貴様 な んぞ 敵 では (バキッ) バキッ?」


 先程聞いたことのある不吉な金属音がその場に響く。 いや、正確には骨鎧のゴブリンの手元から。


 その音の発生源へと骨鎧のゴブリンはゆっくりとその視線を向けた。 自分の想像したことが嘘であることを祈りながら。


しかし現実は非情である


「お、折れ て る」


 骨鎧のゴブリンの大剣は根元からポッキリと折れていた。それはもう綺麗に真っ二つに。


 その現実に骨鎧のゴブリンは二度見を超えて三度見、四度見を繰り返し夢ではないことを確認した後


  ギッギギギギギギギギギギ!!


 油の切れた機械のような音が聞こえそうなほどぎこちなく首を回しヤシロに視線を向けた。


 そして視線を向けられたヤシロはというと


  ・・・・(ニコ!)


 実にいい笑顔で骨鎧のゴブリンを見た後


「ふん!」


  ドゴッ!


 迷うことなく骨鎧のゴブリンの腹に向かってその拳を放った。

 


 ヤシロの放った拳は何の抵抗もなく骨鎧のゴブリンの腹にめり込んだ。


「がはッ?!!」


 骨鎧のゴブリンはくの字にその体を曲げた後空中に浮き、次に衝撃で体の中の空気が全て吐き出され変な声を上げ口を大きく開けて痙攣していた。 



だが、これだけでは終わらない。


「まだまだいくぞ っと!」


そう言いながらヤシロは未だ空中に浮いているゴブリンに


「おら! おら! おら! おら おら おら! おら!おら!おら!おら!おら!おら!おら!おら!おら!おら!おら!おら!おら!おら!おら!おら!おら!おら!おら!おら!おら!おらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおらおら・・・・・・・!!!!!!」


盛大なかけ声と共に連打を決める。 


 最初一発一発見えていたヤシロの拳は、打ち込むたびにどんどん早くなり今では残像のよって無数の拳が雨のように骨鎧のゴブリンに打ち込まれていく


 そして連打を受ける骨鎧のゴブリンの体は、拳を受けるたび骨が砕ける音や肉が潰れる音がひっきりなしに聞こえる。

 しかし骨鎧のゴブリンの体は壊れていく端から【再生】によって治っていく。壊れることのないサンドバッグ状態の骨鎧のゴブリン・・・・・・・・最早爽快というよりもいっそあわれである。







しかしそんな状態は不意に終わった。






  スッ・・・・


ヤシロは不意に連打を止めたかとおもうと、今度はゴブリンの正面斜め下に潜り込むと


「くらえ! 必殺・・・・」


拳を更に握りしめ


「〇・龍・〇!!」


某世界的有名格闘ゲームの盛大なアッパーカットをくらわせた。


「ーーーーーーー?!!!!!」


 あまりにの大ダメージによるのか骨鎧のゴブリンは声にならない叫びを上げながら宙を舞いゆっくりと後ろへと倒れ出す。




 そして


  ドッ! ドッ!ドサッアアアアアア!!!!




 骨鎧のゴブリンは二、三度地面をバウンドしたあと背中から地面に倒れ落ち、そのまま背中をこすりしばらくして止まった。


 白目をむき一向に起きてこない骨鎧のゴブリン。 

ヤシロはゴブリンが起き上がらないことを確認した後おもむろにその拳を天へとかざし



「ゴブリン k.O!!  しゃあ!! 勝ったぞー!!!!」




 高らかに勝利を宣言した。


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