ワン! ワン! ワン!! 1
前住処である洞窟を出て早三日
俺達は道中いろいろ寄り道をしながらも予定より少し早く新たな住処へと帰ってきたんだけど・・・・・・
「何でこれできてんの?」
そう言う俺の目の前には高さ十メートルほどの巨大な鳥居
そしてその向こう側には先が見えないほど続く整地された道ができていた。
・・・・・・もしかしてもなくこれって
「ガイゼルさん、たった数日でこれを作ったの?」
背中の上でそう驚いた声を出すクレア
・・・・・・ガイゼル?
誰だそいつ?
「兄さん・・・ボス・・・親方の名前ですよ、ヤシロ」
そんな名前だったんだボ・・・親方
「知らなかったんですか?」
うん興味ないんで
「兄さんが聞いたら泣きますね」
泣くかなあいつ、逆に笑うんじゃね?
・・・・・・というかノア、何で普通に俺の心の声読んでんのの? 怖いんだけど?!
そんな俺の心の声がまた聞こえたのか、こっちを見ながら笑顔を見せるノア。
そんなノアに戦慄を覚えている中、目の前の鳥居の向こうから誰かが歩いてきた。
ん? あれって
「姐さん?」
「あら? その声はヤシロ君? もう帰ってきたの?」
「はい、予定よりも少し早いですがただいま戻りました、姐さん」
「ただいまアリア姉さん」
「ただいまお姉ちゃん」
「たたいあー!」
「いあー!」
「はい、お帰りなさい」
俺の後に続いてクレア,ノアそしてモミジとサクラが姐さんに帰りの報告をしていった。
というか姐さんの名前アリアっていうんだ知らなかった・・・
そんなことを考えていると姐さんはこっちをじっと見た後
「ヤシロ君、この期に私の名前とガイゼルの名前くらいは覚えといてね? 一応義理の兄と姉になるかもしれないんだからね?」
・・・・・・聞こえてたー!!
えっ、何で聞こえてんの! つーか義理の姉って! 洞窟でのことも見透かしてる?! この人何なの?! エスパー?!!
「もお、お姉ちゃん気が早いよ」
「あら? どっちにしろ不満は無いんでしょ? 告白もしたなら別にいいんじゃないの?」
「そうよノア、こういうときは既成事実をしっかりさせないと。ヤシロに逃げられるわよ、あの人ちょっとヘタレ入ってるから」
「クレアさんまで・・・・・・ちょっと待って え? ヤシロってヘタレ入ってんの?」
「入ってる入ってる、ノアと合う前とか結構無防備に一緒に暮らしていたけど手を出してこなかったもの」
いやいやクレアさん、普通同居人に直ぐに手を出す人はいないでしょうが、何言ってるんですか?
俺はそんな心のツッコミを言葉に出さず目の前と背中の上で話す女達の話が終わるまで無言を決めることにした。
だって口出ししたらいやな予感するし、なんか問い詰められそうだし。
そんなこんなで俺はこの井戸端会議みたいな女達の話が終わるまで心を無にすることにした。・・・・・・早く終わって(切実)
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「そういえば貴方達、私ずっと聞きたかったんだけど」
井戸端会議がもう終わりそうな時にそう切り出す姐さん。
姐さんが聞きたいこと? それって・・・・・・
「親方の馬鹿を直す方法について?」
「それはもう無理だと諦めてるから。
まあただの馬鹿が建築馬鹿になっただけましだけど」
あっ、そうなの。
というか親方の馬鹿は治らないんだ。というか馬鹿が建築馬鹿になってマシって・・・・・・余計だめになっただけじゃあ
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まあいいか、親方は親方だし
そんな結果を出した俺に姐さんは一つ咳払いをし本題を口にした
「んんっ まあ、それは置いといて。私が聞きたいのは貴方達の後ろにいるその人達なんだけれども・・・・・・私の目には「|コボルト」に見えるんだけれど、どうゆうことかな?」
首をひねりながら俺達、厳密には俺の後ろにズラーッといるコボルト達をにこやかな顔をしながら見渡す姐さん
・・・・・・というか姐さんちょっと『威圧』出していませんか? コボルト達のほとんどが尻尾が股の間に行ってるんですけど。
内何体かはその場でお腹を見せて服従のポーズをとってるんだけど?!
「失礼ね、『威圧』何てしてないわよ」
「じゃあこの状態何なんですか?」
「・・・・・・私のにじみ出る魅力を感じ取ったんじゃない?」
「成る程、姐さんのにじみ出る覇気を・・・・・・」
「ねえヤシロ君、何かオーラの意味を間違えていないかしら? それなら私ちょっと君にお仕置きしないと行けないんだけれど?(ゴキバキ!!)」
「ごめんなさい、お仕置きだけは勘弁してください」
笑顔で指の骨を鳴らす姐さんに俺は最速で土下座をした。
無論《人化》を使い人型になり背中にいたクレア達と荷物は隣に置いて、この間約五秒
つーか姐さん、怖すぎですよ。
そんな俺の超速土下座に姐さんは小さなため息を吐き
「はいはいヤシロ君、とりあえず土下座はもういいからとりあえず説明して」
そういって説明を要求する姐さん。
俺は直ぐに土下座から立ち上がり
「イエッサー! 実は戻ってくる途中で拾いました!」
そういって俺は無意識に軍人ばりの敬礼をとっていた。
「はいはい敬礼はいいから、もっと詳しく教えてよね?
「拾いました」だけじゃどういうことか分からないしコボルトの方達にも失礼でしょ?」
そういって姐さんはその手に持った椅子を地面に置きゆっくりとその椅子の上に座った。
・・・・・・姐さんどこから出したのその椅子?
まあそれについては置いといて。
そんな聞く姿勢の姐さんに対して俺達はというと、何故かクレアとノアそしてスライムまでもが俺の隣に横一列に並び整列していた。クレアとノアはその腕にサクラとモミジを抱きかかえスライムはその頭の上に瓶詰めの目玉を乗せている。
そんな俺達の後ろでは百を超えるであろうコボルト達が一糸乱れぬ整列をしていた。
その整列を横目で見ながら俺は思った。
すげえなコボルト!!!




