表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
学園転移~人狼になった俺の異世界生活~  作者: 蜜柑【オレンジ】
三章 
37/52

〇〇が増えました!






「ぷるるるるる~♪」






先程までぐったりして白い煎餅みたいになっていたスライムが、今は元の青色の饅頭みたいな姿に戻り俺の周りをコロコロと転がる。


つーか、こいつらの体ってどうなってんの? さっき自分の何倍の量の干し肉を食ったはずなのに全然大きさが変わってないように見えるんだけど?


しかし、そんな俺の驚きを知らずスライムはぷるぷると鳴きながら俺の周りを依然コロコロと転がり続ける。




「・・・・・・まあ、いいか」


スライムの行動に考えるのも馬鹿らしくかんじ、俺はもう気にしないことにした。





「あら? ヤシロ、そのスライムどうしちゃったの?」


洞窟の中からクレアが出てきて俺の周りを未だコロコロ転がるスライムを指差しながら聞いてくる。


「さあ? なんか腹が減っていたみたいだから、いらない干し肉や俺がおやつに作ってとっておいたビーフジャーキーもどき32号をやったらこうなった。   それよりもそっちは?」

「二人とも寝ちゃったわ、今はノアが見てくれているから片付けしながら後で交代しようと思うの。    というかヤシロ、そのスライムにしたことっていわゆる餌付けってやつじゃない?」

「・・・あっ」

「無意識だったのね・・・まあいいけど」




それから俺達は洞窟の外に運び出していた大量の本や武器、それと私物(服とか)を仕分けながら道具袋(アイテムバッグ)の中に放り込んでいく。途中クレアがノアと換わるため三人がいる洞窟に戻り、しばらくしてノアが洞窟から出て来て先程のクレアと同じように俺の後ろをコロコロと転がるスライムについて聞いてきたりしながら次々と洞窟から出したものを仕分けながら片付けていく。







そして



「終わったー!」


洞窟の外に出していた多くの荷物をどうにか仕分けすることができた。

まあ、ほとんどサクラとモミジの服だったり俺が暇つぶしで作ったゴーレムの部品(クレアの持っていた本の中にあった「ゴーレム作成の指南書」を元に作成)だったりとまあいろいろ詰め込んだ。







▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲



「終わったー?」

「おう、やっとな」

「疲れました」  ドサッ

「お疲れ様、ヤシロ、ノア」

「おぅかぇしゃま」

「しぁゃま」


うん、癒される。


終わったと同時に洞窟の中からサクラとモミジを両手に抱き、こちらへと近づくクレア、そんなクレアのねぎらいの言葉を真似してか「お疲れ様」を言おうとその舌足らずな口で喋るサクラとモミジの可愛さに疲労も一気に吹っ飛んだわ!





・・・・・・というかこの二人なんかクレアとノアに性格似てきてないか?



活発ながらどこかのんびりしているモミジと、少し寡黙で無表情だけどしっかり者のサクラ







・・・・・・うん、この子ら血が繋がってないのに似すぎだろ!





そんな馬鹿みたいな問答を頭の中でしていると不意に後ろからモミジを抱いたクレアが不思議そうに声をかけてきた。(サクラはノアに抱っこされている)


「どうしたのヤシロ? 変な顔をして?」

「ん? ああ、いや、ちょっと二人がね・・・」

「二人がどうしたの?」

「いや、二人  サクラとモミジがなんか段々ノアとクレアに似てきてるからね、ちょっと家族みたいだなーと思って・・・」

「え? 違うの?」

「え?」






クレアのそんな素っ頓狂な答えに俺の思考が止まった。



そしてクレアもクレアで自分が言っていることを理解したのか少しずつ顔を赤くしていきながら俯く。

それにつられ俺も顔が熱くなるのを感じながら俯く。


そんな状況の中モミジだけがクレアと俺に不思議そうな視線を投げかけていた。




「何やってるんですか? 二人とも?」


気まずい雰囲気が流れる中、ノアがサクラを抱っこしたままこちらに近づいてきた。


「いや、あの その ・・・・・・」


クレアが何か言おうとするが、テンパっているのか何を言っているか分からない。

そんなクレアをよそにノアは


「ヤシロ、それは違います」

「え?」


何言って・・・


「「家族みたい」ではなく、私達は「家族」です。」

「「はい?」」


俺とクレアの間抜けな声が重なった。


え? 何言ってんのこの子?




「たとえ血が繋がっていなくても、そこに愛と絆があれば親子なのですよ。血での絆も重要ですがそこに愛が無ければそれは家族であって家族ではありません、他人に近い何かです!」


そう高らかに宣言するノア。

というか、他人に近い何かって何だよ!


そんな風に俺の頭が混乱している中、ノアはサクラのお腹に顔を顔を埋めるような仕草をしたあと


「ヤシロは私のこと嫌いですか?」


上目遣いでこちらを見つめる。



ぐおおおおおおお!!  何だ! 何なんだ?! いつもよりノアが十倍かわいく見えるぞ?! 何故だああああああああ?!!!!



そんな俺の激情を他所にノアはズイッと間を詰め


「私は、ヤシロもクレア姉さんもサクラちゃんもモミジちゃんもみんな愛してますよ。」


そういって普段の無表情とは違う柔らかい笑みを見せてきた。












・・・・・・あかん、 かわいすぎるやろ・・・・・・



なんかおかしくなって関西弁が出た。


「ノア・・・」


クレアも嬉しいのかその目尻に涙を溜めてそのまま抱っこしているモミジと共にノア達を抱きしめる。

俺も無意識にそんな四人をまとめて抱きしめた。












そんなほっこりとしている中、ノアがふと呟いた言葉が何故か頭にすんなりと入ってきた


「まあ、私達の場合血の繋がりもちょっとあるんですけどね」

「「ん?」」


腕の中でそう呟くノアに、俺とクレアは頭に疑問符を浮かばせ、俺はゆっくりと両腕を解く。


「えっと ノア、血の繋がりって・・・」

「あれ? 気付いてないんですか?」

「いや、私達一応は他人だよ・・・その、家族っていっても」

「いやいやいや、本当に気付いてないんですか?」

「えーと、  すみません、分かりません。」

「はあ・・・」


ノアに思いっきりため息吐かれた  




えっ、どゆこと?!



















▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲




現在俺は何故か洞窟の床で正座をして膝の上にサクラを座らせていた。

その隣にはクレアが同じように正座をし、その膝の上には俺と同じようにモミジをちょこんと座らせていた。


そんな俺達の目の前ではノアがまたもや俺達と同じように正座をしていた。




・・・・・・何この状況?




「いいですか二人とも、まずサクラちゃんとモミジちゃんですが、二人はヤシロの血を飲ませて「人狼」になっているのでいわばヤシロの子も同然です。」


そういって俺達の膝の上に座る二人を指差すノア。


そういえばこの子ら俺の血を飲ませて「人狼」になってたなー、普通に忘れとった。


「続いてクレア姉さんですが、姉さんもヤシロの血を飲み新種に存在進化(ランクアップ)しているのでサクラちゃん達とも血が繋がっていると同義です。」

「いや、ノア、それだとクレアは俺の妹という括りに」

「続いて」

「無視しないで?!」


強行突破したよこの子(ノア)


「私とクレア姉さんはヤシロに()()()を捧げたので、もはや番といっても過言ではありません。

よって私達は本物の家族と言っても過言はないのです!」





・・・・・・




すげーーーー持論出してきたよこの子!




無表情ながらどこかどや顔に見えるノア。


そして俺の横で顔を真っ赤に染めて下を向くクレア。

ちらちらこっちを見るその姿はかわいいけど今はそれをガン見するほどの余裕が無い!


そして俺はどんな顔をしているのか分からなくなった

赤いのか青いのか、とりあえず鏡がないので置いておこう。


・・・・・・なんか色々おかしくなったな。




とりあえず頭の中のものを一度隅に置き俺はノアに初めて云々の件について補足しようとしたとき


「ちなみにヤシロ、満月による本能せいだから無効なんて言わないですよね? 

そんな無責任なことを言う人じゃないって信じてますから。」


そういって微笑むノア












・・・・・・ねえ、俺の気のせいかな? ノアの背景が黒いんですけど、「計画通り!」みたいな雰囲気が滲んでるんですけど。


そしてクレアさん、俺の隣で「こういう手を使えばいいのか勉強になるわー」「ナイス!よくやったノア!」みたいな目と雰囲気出しているのは俺の気のせいだよね? そうだよね?!





そう思いながら俺は膝の上に座るサクラを見る。

サクラは俺の視線に気付いたのか「うー?(なーに?)」とでも言っているような目をしてこちらを見つめる。







・・・・・・俺はこの時、娘の将来に不安を覚える世のお父さんの気持ちが少し分かった気がする。


サクラちゃん、お願いだからノアの黒い部分はあまり似ないでね?



俺はそう願うしかできなかった。
















▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲


一時間後



「ヤシロー! 荷物積み終わったよ!」

「了解!」


俺はそういって巨狼化した体をふせの体勢から立ち上がった。



あの後、責任云々の話をとるということで置いといてとりあえず荷物を新しい運ぼうといことで一旦終わりにし、俺は効率よく運ぶために巨狼かしてその背中に荷物を詰め込んだ道具袋(マジックバッグ)を積み込んでいった。

荷物がかなりの量あるので、道具袋(マジックバッグ)もそれ相応の大きさとなり、俺が背負う袋はタンスと同じほどの大きさ、それが二つもある。


そんな大きな袋を俺は両脇に一つづつ背負い、移動中落ちないようにクレアがロープで補強している。

















そして荷造りが終わり、俺達は洞窟から離れる準備を終えた。


思えばこの洞窟には一週間ぐらいしか住んでいなかったがいろんな思い出が俺の頭の中に蘇る。




神のミスによる集団転移、探索隊、そして「人狼」・・・




思い返せば学校の仲間達のために囮になり、人狼に噛みつかれたり川に落ちたり、挙げ句の果てには人狼になったり・・・踏んだり蹴ったりだな、おい。




そんな時に見つけたこの洞窟、最初は無骨で静かであったが。

サクラ,モミジ,そしてクレア。直ぐに人が増えそれと同時に様々な思い出なんかが生まれた。


そんな洞窟から俺達は新たな住処へと移り住む。



俺は洞窟の方に向きなり、なにも無くなった洞窟に向けて心の中で呟く。


『ありがとう』と











▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲


「よし! それじゃあ行くか!」


そういって俺は背中に乗るクレアとノア,そして彼女達に抱えられるサクラとモミジに声をかける。


「準備オッケー! いつでもいいわよ」

「あんまりスピードを出さないようにお願いしますよ、ヤシロ」


クレアからは返事、ノアからは注意を言われながら俺は歩こうと片足を前に出・・・・・・そういえばスライムは?




俺は片足を前に出したまま、先程まで俺の周りをコロコロ転がっていたスライムのことを思い出し辺りを見回す。


・・・・・・いない、逃げたのだろうか


俺がそう思っていたとき


「ぷるーーー!!」


洞窟の方から聞き覚えのある鳴き声が聞こえてきた。

そっちを見てみれば


「ぷるぷるーーー!!」 ぽよん! ぽよん! ぽよん!



何故かバウンドしながら洞窟から出てくるスライムがいた。


その頭(?)の上に何かを乗せてこちらに近寄ってくるスライム、そして俺の目の前までくると


「ぷる!」


一声鳴き止まった。


「お前どうしたんだ、ってそれは・・・」


スライムが頭(?)の上に乗せていたものを見て俺は言葉を失う。




それは


(ぱち ぱち)

「ひい!」


背中でノアの悲鳴が聞こえた気がするが気のせいだろう。

スライムが持ってきたのは瓶の中に浮いた目玉


「もしかして忘れものを届けに来てくれたのか?」

「ぷる!」


「うん!」とでも聞こえてきそうな鳴き声を出すスライム。

俺はそんなスライムの頭(?)を大きな狼の前足で潰さないように身長に撫でる


「ぷりゅ~~~・・・」


気の抜けた声と共に伸びていくスライムに俺はしばらく撫でたあと前足をのける


「ありがとうなスライム」

「ぷりゅ!」

「だけどここでお別れだ」

「ぷりゅぅ?」

「俺達は別の住処へと移る、もうここへは帰ってこないんだ、ごめんな」

「ぷ、ぷりゅう・・・」


空気がしぼみような音を出して段々平たくなっていくスライム。

多分悲しいんだろう、微かに揺れているスライムに俺は少しかわいそうに思えた。




だから俺は無意識にこんなことを言ったのだろう


「スライム、俺達とくるか?」


俺の口から無意識に出たその言葉にスライムは


「ぷりゅ?!」


一瞬で元の姿に戻り


「ぷりゅうーー~~!!」


俺の顔へとダイブをしそのままひっついた


「おい! こら、離れろ! 前が見えない!」

「ぷりゅう!ぷりゅうーー!」

「分かった! 分かったから! 嬉しいのは分かったから離れろ!」


そう言った後スライムは俺の顔から離れ頭の上に移動した。

そして嬉しいのか、ぷるぷるぷるぷるいいながら俺の頭の上でバウンドし始めた。


「ということでクレア,ノア、いいか?」

「いいもなにも、もう決定も同然じゃない」

「ノアは?」

「別にいいですよ、それよりもそのスライムちゃんの頭(?)に乗っている目玉はどうするのですか? 一緒に飼うなら私が慣れるまで待ってくださいね」

「んー、分かった。」


俺はそう返事をしてからゆっくりと新たな住処へと向けて足を動かす。








今日この日、ヤシロ達に家族が増えました。(スライムと目玉だけど)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ