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学園転移~人狼になった俺の異世界生活~  作者: 蜜柑【オレンジ】
二章 蜘蛛と山羊と始まりと
23/52

おや?黒山羊さんの様子が

(やべ~、どうしよう)


ヤシロはそう思いながら冷静に先ほどの黒山羊の攻撃を考えていた

いくらヤシロの体が『魔装』と『超回復』で打たれ強いといっても先程の突進攻撃を受ければただではすまないだろう


しかしさっきの攻撃にはヤシロはなんとなく原理を理解した

それは


(角に風を纏ったまま突進、つまりあいつは角に纏っている風を粉砕器のように使っている感じなのか?)


そう黒山羊は自分の二つの角に纏わせていた風を操り粉砕器のように使っているようであった

それを先ほどの一撃で理解したヤシロもそうだが、それを思いついた黒山羊も大概だった


(よく思いついたな山羊なのに)


そんな風に感心されているとは知らず黒山羊はまたもや角に風を纏わせてきた


そしてそのまま真っ直ぐ突進してきた


「だがやはり山羊だな、先ほどそれは避けられただろ なに?!」


ヤシロが上に避けた瞬間黒山羊はその首を上に上げ風の刃を飛ばしてきた


「ぐお?!」

「ヤシロ!」


クレアの悲鳴が聞こえ

ヤシロはそのまま受け身もとれず地面に激突し転がった

しかし途中で体制を立て直し黒山羊に向き直った


「痛ってー、途中で刃にもできるのかよ!」


ヤシロはそう悪態をつきながら魔銃をホルスターにしまい、とっさにガードした右手に回復術を掛けた

しかし黒山羊はそんなことはお構いなしというようにまたもや突進してきた


「連続かよ!!」


そう愚痴りながらヤシロは今度は右に避け走った

しかし黒山羊は器用に右の角の風を地面に突き立てカーブをして追ってきた


「嘘だろ?!その風なんなの?!タイヤ!タイヤなのか?!これが本当の風車って がぁ!!」


そんな突っ込みをしているうちに追いつかれヤシロは空中にはね飛ばされた


しかし


「なんの!!」


ヤシロはその体を無理矢理ひねりその脚で地面に着地した

しかし突進を受けた背中は深い切り傷となっておりそこから血が地面に垂れていた


(上に飛んだら風の刃が横に飛んだら突進が、くそっ!!)


そして黒山羊はまたもやこちらを振り返り今度は少し不思議そうな顔をしていた

それもそうだろうさっきの木を粉砕させた攻撃を食らって割と軽傷なのだから


実はヤシロは突進の直撃をもらう前すんでの所で上に飛び粉砕を逃れたのだ


しかし


(どうやって倒そうか)


殺すだけならすぐできるしかし相手は山羊

いくら初めて見る黒山羊だからと言って不用意に殺して実は草原の山羊たちの仲間だった、とかだったらしゃれにならない


しかしそんなヤシロの考えも知らず黒山羊はまたもやこちらに突進を仕掛けてきた


「まだ考え事してるだろうが!!」


ヤシロは反射的に上へと飛んだ

そして黒山羊が頭を振り風の刃を飛ばす


「何度もおんなじ手は食うかよ!!」


そう言ってヤシロは腰から鉈を抜き放ち素早く『魔装』をして風の刃に叩き込んだ


「うおら!!」


そんなかけ声とともに風の刃に叩き込まれた鉈は刃を次々に切り落としていった


「メェ?!」


黒山羊がそんな光景に変な声を出したのを聞き


「おかえしだ!!」


といってヤシロはホルスターにしまった雷の魔銃を抜き放ち撃った


ピカッ!!


銃口から特大の雷の弾丸が放たれた


「メェア?!」


黒山羊はその大きさに驚き逃げた

そしてその弾丸は黒山羊が先ほどまでいた場所の足下に落ち


ドオォオオオオオオオオオオオオオンンンン!!


爆風が吹き荒れた


「メェェェェェ?!!」


もちろんその爆風に巻き込まれ黒山羊はひっくり返り森の中に飛んでいった

しかし


「メェア?!!」


黒山羊は木々の間にひっくり返ったまま止まった

そしてどこからともなく


「捕まえた!!」


クレアがそう言いひっくり返った黒山羊を糸でぐるぐる巻きにした

その間十秒弱、黒山羊は声も出せず糸でぐるぐる巻きにされた


「クレア?」

「ふう、ようやく捕まえた」

「ううあ!」

「うあ!」


クレアはそう言いながら手で額の汗をぬぐうような仕草をした後ヤシロの方に向き直った、桜と紅葉はクレアの背中に糸でおんぶされていた


「周りの木々に私の糸を張って罠を仕掛けていたの」


そう言ってクレアはぐるぐる巻きにされながらももがいている黒山羊を見ながら続けた


「ヤシロがあの黒山羊を殺さないようにしているのが分かったからね

なるべく殺さないように罠を仕掛けたんだけど駄目だった?」


そういってこちらを上目遣いで見てくるクレア、それを真似して桜と紅葉も上目遣いで見てきた


(三人ともやっぱかわいいな)


そんなのんきなことを考えながらヤシロはクレアの頭をなで


「いや、助かったありがとうクレア」


そう言ってクレアに礼を言った

頭をなでられながらお礼を言われたクレアは


「~~~~~~!!」


顔を真っ赤にしながら顔をうつむかせていた

その後桜と紅葉を順番になでている途中


ザシュッ!!!


ぐるぐる巻きにされていた黒山羊の方で何かが斬られる音がした


そこにはばらばらになったクレアの糸の上に立つ黒山羊の姿が


「嘘でしょ!!私の糸が!!」


そんなクレアの悲鳴に近い驚きの声が上がった

クレアの糸はなまじ下手な鉄よりも固い、それがまるで普通の糸のようにバラバラになって地面に落ちていた

そして


「メェェ・・・」

「なんか、怒ってる?」


黒山羊が低い声で鳴きこちらをにらみつけていた

そして


「メェア!!」

「な?!大きい!!」


先ほどよりも大きな風を角に纏わせ真っ直ぐとこちらに向かってきた


目の前にある物全てを粉砕しながら


「逃げ! 間に合わない!」

「ああー!!」

「うあー!!」


クレアは逃げようと近くの木に飛び移ろうとしたが黒山羊の風で動けず、その場で桜と紅葉を前に抱きかかえ守るように姿勢を取った

一方ヤシロは


「・・・・・・」

「ヤシロ?」


黒山羊の方に体を向け仁王立ちをしていた

そして黒山羊が強大な風

いや嵐を纏いながらぶつかろうとしたその瞬間


「うおら!!」


ヤシロはその嵐となった風の中にためらいなく手を突き入れた


「ぐうう!!」


もちろんヤシロの手はみるみるうちに傷だらけになり風に血が混じりだした


嵐の中に手を突っ込んでいるようなものなのだいくら『魔装』をしていても傷は増え続ける

しかしヤシロはそれでもその手を引っ込めない


そして


「ッシャー!!!」

「メェ?!!」


その手は嵐のような風を突き破りその先にある黒山羊の角を掴んだ

黒山羊はそれに驚きすぐさま首をひねりその手を外そうと暴れるが掴んだ手は決して離そうとしない


「ようやく、掴んだぞ」


ヤシロはそう言い不適な笑顔をし目の前で暴れる黒山羊を見下ろした

黒山羊はそんなヤシロの笑顔に気づかず掴まれた角を外そうと躍起になっていた


「メェ!! メェ!!」

「ふっふっふっふ! 今までさんざん切り刻まれたお返しだ!! おっっっりゃー!」

「メエーーー?!!!」


そんな言葉とともにヤシロは掴んでいた黒山羊を森に向かって投げ飛ばした

黒山羊は情けない声を出しながら宙を飛び、森の木々にぶつかりながら十メートルほど離れた場所に落っこちた


「ふん!」

「えーと、ヤシロ?大丈夫なの?」

「何がだ?」

「いや、あんまり傷つけたくないって言ってたけどあれ、どう見てもぼろぼろよね」

「大丈夫だろ、つか、あんなに一方的に喧嘩ふっかけられて手加減する必要ないだろ」

「うん、まあそうなんだけど」

「それにあいつ、あのままにしていたら絶対お前らごと俺をやるつもりだったしそんなんで手加減できるかよ」

「・・・うん!ありがとう」


そうお礼を言ったクレアの顔はほんのり赤かった


そんな少しラブコメっぽいことをしているうちにまたもや黒山羊が起き出した

しかし今までと違いその立ち上がりは弱々しく立っているのもやっとという感じだった


「まだやんのか、正直もうめんどいんだが」

「本当、正直ね」


そんな緊張感のない会話をしながらヤシロたちは黒山羊の動向を観察していた

そして突如黒山羊はこちらを見ながら


「メ・・メェ・・メェェェェェェェ!!!!」


弱々しい泣き声の後、黒山羊は突如ひときわ大きな泣き声を上げ

そして


「「?!」」


突如黒山羊が煙と光りに覆われた


「こ、っこれは!」

「クレアの時と同じ!!」


目の前にいた黒山羊の姿が変わる


そして数秒、もしくは数分か


黒山羊を覆っていた煙が晴れる


そこにいたのは


「メェー」

「人型に、なった」


そこには人型の黒山羊の姿があった


黒山羊の姿は全身が黒い毛で覆われており下半身と頭が山羊そのものであった俗に言うあの山羊の悪魔のコウモリの羽がなく角も後ろから前に突き出すような形をしていると想像してくれ

そして


「牝だったのか」


その体には豊満な胸があった


「ヤシロ」

「ん?どうしたクレア?」

「何でもない」


そういってクレアは怒ったように顔をそらした


何で怒ってんだ?


そうこうしているうちに目の前の黒山羊人が動き出した

黒山羊人はしばらく自分の手を握ったり開いたりし、自分の体を確かめた後

おもむろに手を上げ


ひゅっ!!    


振り下ろした

すると近くにあった木が


バシュッ!   ギギギギ!!   ドンッ!!


音を立てて切り落ちた


「おいおい、攻撃が見えなかったぞ、強くなってんじゃねーか」

「そりゃそうよ、存在進化(ランクアップ)したんだから」

「追い詰められて進化するってどこの主役だよ、おい」


そんなやりとりをしているうちに黒山羊人はこちらに向き直り


「メェ!」


その金色の目をこちらに向けた

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