黒山羊さんが襲ってきた
「伏せろ!!」
俺は身の危険を感じ背中にいた三人に叫んだあと、人型になり『魔装』を発動させ両手をクロスさせるようにして防御の姿勢を取った
次の瞬間俺はまるで見えない刃物で切り裂かれた
「ぐお?!」
「嘘?!」
背中のクレアから驚いたような声が聞こえた
それもそうだろう俺でも驚いているのだから、自慢ではないが俺の『魔装』はそんじょそこらのモンスターの攻撃ではかすり傷も負わない、それなのに今は体に大小様々な切り傷が付いていた
しかも
「治りが遅い」
その切り傷はまるでノコギリで切られたかのように抉り切られていた
そうこうしている間目の前の黒山羊はこちらをじっと見つめていた
その目には薄らと敵意が見て取れた
俺は目の前の黒山羊が追撃してこないのを確認してから背中にいるクレアに声を掛けた
「クレア、すまないが二人を連れて下がっていてくれ」
「え?いいけど、もしかして戦う気なの?」
「ああ、どうやらあちらさんこっちを逃がす気なさそうだしな」
そう言って目線を上げた先には先程の黒山羊がその両角に風が渦巻いている光景であった
そして黒山羊が思いっきり首を振った次の瞬間、先ほどまで渦巻いていた風が円盤状になって飛んできた
「投げた?!」
とっさの判断で上に飛んでよけたが、よけた先
後ろの木が切り倒された
それも一本ではなく何本も切り倒されていき十本を超えたところで止まった
「嘘だろおい」
そうつぶやきヤシロは後ろの光景に驚いたが
すぐに落ち着きを取り戻した
どうやら先ほどヤシロ達を襲った斬撃とは違い威力を上げたようだ
もしも先ほどの攻撃を受けていたらたとえ『魔装』を発動していても真っ二つにされていただろう
そんなことを考えているうちに黒山羊は次の攻撃の準備をしていた
「ヤシロ!!前!前!」
「やべっ!!」
いつの間にか背中から紅葉と桜を連れて木の上に避難していたクレアからの警告に俺は意識を目の前の黒山羊に集中させる
「そう何度も食らうかよ!」
俺は両足の太ももにあるホルスターから魔銃を引き抜き黒山羊の足下に向かって撃った
ちなみにこのホルスター、クレアの手作りである、他にも後ろの腰部分には鉈を入れる鞘があり背中には大型魔銃を背負っていた
話を戻し、黒山羊の足下に撃った魔弾は同時ではなく少し間を開けてから着弾した
「メ? メェェェェェ?!!」
黒山羊は始め素っ頓狂な声を出した後叫びだした
ヤシロの撃った魔弾は氷と雷、まず始めに氷の魔弾で黒山羊の足下を凍らせ続いて雷の魔弾をその氷に当て放電させたのだ、それにより黒山羊は初めてダメージをおった
なぜ直接当てないのかというと直接当てれば黒山羊が死ぬかもしれないことを考慮してあえて氷を狙ったのである
「これで終わればいいんだど そうはいかないか」
そう言って視線の先には四肢を踏ん張りこちらをにらみつけている黒山羊がいた
しかも
「メェェェェェェェ・・・」
「うわ~、怒ってる」
「メェ!!」
「うお?!」
怒りのこもった声とともに黒山羊は己の角に渦巻かせていた風を連続で飛ばしてきた
「おいおい、しゃれになんねーぞ」
そう言いながらヤシロは冷静に両手の魔銃を構え向かっ来る風の回転鋸を打ち落としていった
ダンッ!! ダンッ!! ダンッ!! ダンッ!!
バシュッ!! バシュッ!! バシュッ!! バシュッ!!
魔弾が風の回転鋸に当たるたびに二つとも空気に溶けて消えていく
そしてその時が訪れた
「メェ」
そう鳴いた黒山羊が攻撃をやめた、その角には先ほどまで渦巻いていた風はなかった
無限に続くと思われていた攻防は黒山羊の弾(?)切れで終わりを迎えた
「はあ はあ はあ やっと弾切れか」
ヤシロは黒山羊が風の刃を飛ばしてこなくなったのを確認して両手の銃をおろした、その顔には集中による疲労が浮かんでいた
それもそうだろう高速で飛んでくる回転鋸を一つも外さずに打ち抜いていたのだから
そんな風に気を抜いた次の瞬間
黒山羊はまたもや角に風を渦巻かせ始めた
「まだやんのかよ!」
ヤシロはまたもや魔銃を構え直したが何かがおかしい
黒山羊は渦巻かせた風を角にとどめたまま放とうとしないそれどころか渦はどんどんと強くなっている
「まさか」
そういった次の瞬間
黒山羊はそのまま突っ込んできた
「くそ!」
ヤシロはその黒山羊の突進を持ち前の反射神経を使いすんでの所で回避した
黒山羊はそのまま後ろの木へと突っ込んでいった
そして突如その木が粉々に粉砕された
「マジで?!」
そして粉々にした張本獣である黒山羊は粉々になった木のくずを煩わしそうに払いのけた後、何事もなかったかのようにこちらへと振り返った
月曜に投稿すると言って木曜になってしまい申し訳ありません
今後は不定期更新となります
誠に申し訳ありません




