桜と紅葉と神
前回の後書きの答えは読み続けていったらわかります
平原
普段なら草食動物の餌場として静かな場所であるのだがいまは違う
ある動物たちの一団が一心不乱に逃げていた
「待てやこらーー!!」
「「「メエェェェェェーーーー!!!」」」
そういって平原のど真ん中を人狼が山羊を追いかけていた
しかもその人狼の背には
「きゃっ!! きゃっ!!」
「あうあーーー!!」
実に楽しそうな赤髪の赤ん坊がいた
「こら! 暴れるな!落ちたらどうする!」
「あうー?」
「あー?」
「ああ、もう!!」
もうおわかりだろうその人狼は大神 社
なんやかんやで人狼に咬まれ人狼になった高校生である
何でそんな彼が山羊を追いかけているかというと
「まてこらー! 山羊乳寄こせーー!!」
背中に背負った狼耳のふたりの赤ん坊のためである
なぜこうなったか
それは約二時間前までさかのぼる
二時間前
「何でこんなところに子供が・・」
社は困惑していた、こんな人気のないところに子供を
しかも生後数日くらいの双子の赤ん坊をおいているなんて考えられなかった
近くに親がいないいか感覚強化を使ってあたりを調べても人の気配もしなかった
感覚強化を使用した後ふと泣き声が聞こえないのに気付き赤ん坊の方を見た
じーーー
そんな効果音がついているようにこちらを見ている双子がいた
いつの間にか泣き止んでもおりこちらをずっと凝視していた
・
・
・
右にずれる、右を向く
左にずれる、左を向く
後ろに下がる、泣き出す
「「ふえっ」」
「おわー、まてまて!!」
そう言って二人を抱き上げた
首はもう据わっているのかしっかりとしていたので両手でだっこをした
そしたら
「あーうー」
「あーあー」
「なんでだ・・」
喜びだした
社の狼顔をその小さな手でぺちぺちと叩いたりつかんだりして遊びだした
「どうしよう・・、さすがにこのままじゃなー」
そう言って抱っこしている二人に目を向けた
こちらの視線に気づいたのか二人ともこっちを見て
「あーあーうー!」
「うーうーあー」
と、ここにいるよと言うように手を伸ばして自己主張してきた
「ぐう!ぐはっ!!」
その姿に社は吐血したかのような仕草の後
「かわいすぎる!!」
そう言って二人を抱きしめた
実は社、小動物や子供と言った小さいものがすきなのである
元の世界でも、子犬や子猫といった動物をなでて遊んでいたという
本人からは想像つかない一面があった
そうこう言いながら抱きしめた二人をなでたりあやしたりしていたら
ふと疑問に思った
それは
「この子達は捨て子か?」
子供をあやしながら周囲を感覚強化でいくら探って見ても人の気配すらなかった
しかも
「残っているにおいも落ち着いた感じだし、わざとか」
なんとなく残っているにおいで、その状況を推測して仮定の結論を出した
人狼の鼻はにおいだけで相手の真意がなんとなくわかるらしい
そうなると、後はこの子達が問題だ
さすがにこのまま置いていったら目覚めが悪いしそれに
「このままおいていったら、どちみちモンスターの餌か餓死だろうな」
そうと決まれば、行動は早かった
そのままその場を後にしてさっきまで火をたいていた場所に戻ってきた
このままこの子達を育てる
もしくは生みの親においていった理由を聞いて返すか
どちらにしても最初は
「この子達のご飯どうしよう」
そうご飯の心配なのだ
社は良い、そこらへんで狩りをして食べれば良いのだから
だがしかし、この子達はそうはいかない
まだ乳飲み子らしく歯がないため肉といったものは食べさせたらだめ
今も近くで採った果物を砕いて、ハンカチでくるんで絞っていったものを飲ませている
「ちゅう ちゅう ちゅー」
「あーうあー」
「とりあえずこの子達のご飯だな、さすがに果物を搾ったものばかりじゃいけないしな
なにか乳を出す動物から採取しないと」
そういって片方に果物のジュースを飲ませていた
もう片方は早く飲みたいのか、手を伸ばして欲しそうにしていた
「はいはいちょっとまってねー、今からあげるから」
そう言ってもう一人にもあげてからげっぷをさせてから行動を開始した
まず二人を連れて行くためにかごのようなものが必要だったので二人を寝かした後、ある場所へ向かっていった
そこは竹のような植物が群生する林であった
なぜ竹のようなと言うと、この植物、小さくても直径三十センチほどありしかも一部襲ってくるのだ
狩りの途中この場所へ入ってしまい襲われたため、その時一本切り落としたので
それをかごにするためここに取りに来たのだ
「おっ、あったあった」
そう言ってあったのは幹の太さが直径一メートル近くありそうな竹のようなものだった
中心部にジャック・オー・ランタンのような顔があるが竹なのである
「んじゃ、始めるか」
そう言ってその「竹?」を切っていった
直径五十センチぐらいの部分を使い、鉈で節一つ分とちょっとを切り出して加工していく
背負いかご兼荷物入れとして使いたいのでこれくらいの大きさにしている
その後大イノシシの皮を節の上の部分に使いささくれが刺さらないようにしそのうえに日よけとしてまだ余っていた大イノシシを使い、二人を乗せるところを作った
そのあと真ん中の空洞に穴を開け荷物を入れれるようにした、開けた穴はまた大イノシシの皮を使い、蔦を巻いてふさぎ、その後蔦でリュックのように肩掛けを作り完成した
ついでに余った竹で水筒を作り、今作った竹リュックに入れた
「よし準備完了」
そう言って二人を竹リュックに乗せた
二人はしばらく物珍しそうにした後気に入ったのか笑ってはしゃいでいた
「「きゃっ きゃっ!!」」
「うん、よしいいな」
そういって満足した後ふと笑って
次の問題に移った
「とりあえずこの二人の名前を考えないと」
そう言って二人を見ていた
そして思いついたのか口に出していった
「桜、そして紅葉でどうだ?」
誰に聞いたかわからない、でも名前をつけられた二人は
「「あうあー! きゃっ!」」
とても喜んでいた
「そうかそうか、気に入ったか、ちなみにこっちが桜でそっちが紅葉な」
そう言って、ストレートな髪でおとなしい方に桜と
くせっ毛で活発な方に紅葉と名付けた
ちなみにこの二人どっちも赤髪だが髪の質や表情が違うらしく区別がつく
「んじゃいくか」
そう言って竹リュックを背負い竹林を抜け歩いて行く
そして冒頭に戻る
「おらあ!!にげるなやー!!!」
竹林を抜けた後広い平原に出た社達はそこで山羊を発見した
ちょうど繁殖期らしく子供がいたので、乳を分けてもらおうとして逃げられ今絶賛鬼ごっこ状態になってしまった
しかも
「メェーーー!!!」
「邪魔!!」
「メェアッ?!!」
子供を守ろうとした雄山羊を、片手で吹き飛ばしたりしたためさらに逃げていった
最終的には一時間ほど掛けてようやく一頭捕まえて乳をもらった。
ちなみにその山羊は最初覚悟を決めたような顔をしていたが乳を搾ったら解放されたので呆けたような顔をしていた
「ああー疲れた」
「「スー スー」」
そういって最初の洞窟に戻ってきた
鬼ごっこでかなり疲れていたのかリュックを置いたあと、倒れるようにして眠った
白い部屋
「あれ、ここは?俺、確か洞窟で寝てたような」
そう言って社はつぶやいた
その時後ろから声を掛けられた
「やあいらっしゃい、大神 社君」
俺のフルネームをいったそいつは白いパーカーを着て半ズボンをはき、野球帽を後ろにかぶった姿の子供だった
その子供が笑いながらこういった
「ぼくは神だよ、大神 社君」
・・・とりあえずこう言おう
誰かお医者様はいませんかーーー!!




