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僕の気持ち

今日も僕は早く起きた。

いつも通り、小鳥が鳴いている。

 

起きて、すぐに僕は匠に電話をする。

 

「トゥルルルル...トゥルルルル...トゥルもしも...し」

 

「光です。今日少しだけ付き合ってもらいたい。12時に商店街で。ブチッ」

 

ちょっと強引かな...。

少し後悔したけど、この間付き合わされたからいいか。

 

今日の予定はすでに決めていた。

洋服を買いに行く。


高1・2のころは、本欲しさのためにバイトをしていた時期があった。

でも、バイトをしてるとそういう暇がなくなるため

結局貯まる一方になってた。

バイトをやめてからは、本を読む時間が増えたけど

月に4,5冊くらいしか読んでない。

 

ようやく、使い道ができた。

 

 

12時、意外にピッタシに待ち合わせ場所にいた匠に驚いた。

 

「なんでいるの?」

 

「光...お前が呼んだんだろ...。」

 

「いや、そうだけど。まさか時間ピッタシにいるとは思わなかった。」

 

「あの光が自分から俺を誘うなんて奇跡、なかなか起こらないだろ?」

「よっぽど大切なことかもしれないと思って、一生懸命来てやったのに。」

 

「悪かったね。さて、じゃぁ行こうか。」

 

「え?どこにだよ?」

 

「洋服買いに。」

 

「お、お前からそんなセリフが聞けるとは思わなかったよ...。」

 

「僕も一生言わないと思ってたけど、色々あってね。」

「匠はオシャレだから、こういうの分かるって思ってさ。それに友達匠くらいしかいないし。」

 

 

正直、僕の私服は格好悪い。

オシャレとは程遠い。

最初はこのままでいいと思ってたけど、段々と恥ずかしくなってきた。


多分、僕はあの女の子のことが気になってるんだろう。

 

「ま、とうとうお前にもかって感じだな。よし!親友の俺がお前をかっこよくしてやる。」

「とりあえず...上から下まで揃えるか...。」

 

上下を見ながら匠は言う。

そんなにかっこ悪いのかな、僕。

 

色々な場所へ行った。

渋谷や池袋、上野。

匠がいつも洋服を買いに行くお気に入りの場所。

 

匠は安くて、品揃えの良い店もよく知っていた。

これほどこいつがたくましいと思えたことはない。

 

「ほんとに、お前がいて良かったよ。」

 

「照れくせーな。やめろよ、友達じゃんか。」

「さて、じゃぁ最後の店いくか。ここはとっておき。」

 

そういって匠は僕を裏の路地へ連れて行った。

 

歩くこと20分。

 

「匠、その場所っていつごろつくの?もう結構歩いたし、人の気配も全然ないよ。」

 

「いーんだよ。だからとっておきの場所なんだからな。」

「ほら、着いたぞ。」

 

「・・・・。」

 

思わず言葉を失ってしまった。

お世辞でも綺麗とは言えない、小さなお店。

看板で、「月明かりのお店」としか書いていない、あやしそうな店。

 

「こんな店に、洋服なんか売ってるの?」

 

「ばーか、ここは洋服じゃねーよ。アクセサリー専門店。」

 

「アクセサリーなんか付けないよ、僕。」

 

「別にそれでもいいけどさ。プレゼントしてみろよ、きっと喜ぶぜ?」

 

「え?」

 

「女の子だろ?」

「大体男ってのは、好きな子ができたら、自分を格好良くしたいものだ。」

 

「なんでもお見通し、か。」

 

匠は鋭い。

僕が単純なだけだろうか。

でも、好きな子...か。

やっぱり僕はあの子のことが好きなんだろうか。

これが恋っていうものなんだろうか。

 

「さて、さっさと入るぞ。」

 

そういってひとりでその店に入ろうとしてたから、僕は急いで付いてった。

中に入ってみると、店の外見とは裏腹にすごい品揃え。

しかもどれも見たこと無いような、珍しいアクセサリーばっかり。

指輪、ブレスレット、ネックレス...その他色々。

 

「こんなにいっぱいあるんだ。」

 

「だろ?とっておきの意味が分かるだろ?しかも値段も出来のわりに安いし。」

「この店はすべて手作りなんだぜ。」

 

「へー。」

 

「なにか、捜し物ですか?」

「どういう物かお決まりでしたら、案内致しますよ。」

 

若い男の人が出てきた。

多分店員だろうか。

 

「この店の創設者。まぁ、一人だけなんだけどね。若そうにみえて、30らしい。」

 

「...え。」

 

どうやら店長らしい。

ほんとに見た目は若い。

大学生って言っても、怪しまれないだろう...。

 

「それで、なにかお探しですか?」

 

「女の子に...渡したいんですけど...。なにかオススメのとかありますか?」

 

「オススメ、ですか。申し訳ありませんが、それはありません。」

 

「なんでですか?」

 

「あなたがその子にプレゼントしたいのなら、あなたがホントにその子のことが好きなら

自分で探して、自分がいいと思うものを買っていってください。」

「そうすればその子もきっと喜びます。」

 

たしかにそうだった。

店員オススメのものを買って、それを渡したところで

きっと彼女は喜ばない。

彼女じゃなくても、きっとみんな喜ばない。

 

「分かりました。それじゃぁ、ネックレスはどこにありますか?」

 

「左のケースの中に入っています。もし気になったら、ケースから出しますのでお呼びください。」

 

「はい、ありがとうございます。」

 

僕達はそのネックレスがはいってる、ケースのところまで移動した。

大体30種類くらいだろうか。

一つ一つ、見ていたけど、どうもいいのがない。

いや、どれもとても綺麗なデザインで

魅力的なのだが、どうも彼女と合わない気がした。

 

「あ。」

 

棚の一番端の方に、なにかの花のネックレスがあった。

 

「すいません。この花の名前ってなんですか?」

 

「この花はアネモネ、という花です。花言葉は真実。」

 

その花の形をしたネックレスに僕は惹かれていた。

変わった感じの花。

色は白と黒。

彼女にピッタシの色だ。

 

「これでお願いします。」

 

「分かりました。」

 

会計をすませ、僕達は帰ることにした。

僕は、胸がなぜかドキドキしていた。

早く渡したい。

逢いたい。

 

駅前に着き、僕達は解散することに。

 

「匠。」

 

「ん?」

 

「今日はありがとう。楽しかった。」

 

「あぁ、俺もだ。頑張れよ、お前だったら絶対に大丈夫。」

 

「うん」

 

 

もう夕飯の時間だ。

両手に洋服や靴などの袋を持って、僕は家に帰った。

 

親には珍しそうな顔をされたが、なにかが分かったらしく

ニコッっと笑って、それからはいつも通りだ。

 

僕はお風呂に入り、今日買ったばかりの洋服を着た。

鏡をみると、まるで自分ではない気がした。

 

「やっぱり、匠に言って正解だったかな。」

 

匠にワックスの使い方を習い、洋服の着こなし方を教えてもらい、

そして自信を貰った。

 

ネックレスを持ち、あの子がいる公園に行くことにした。

 

途中、なんだか怖い気がした。

もし、僕があの子に気持ちを伝えたら

なにかが終わる気がした。

フラれるとか、そういうものじゃない。

もう、一生逢えなくなる。

そんな予感がしていた。

 

公園に着いた。

僕の鼓動が脈をうっていた。

ドクンドクンいってるのが分かる。

 

一番はじめに会ったベンチに

今日も彼女は座っていた。

 

夏休み、最終日。

 


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