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月明かりの少女

 

いつものように僕らは同じベンチに座る。

そして月を見る。

 

初めて出会ったときのようなお月様だ。

真ん丸で、綺麗な光を放っていた。

 

「今日で、夏休みが終わるのね。」

 

口を開いたのは奏だった。

 

「そうだね、あっという間だった。それに楽しかった。」

 

「私も楽しかった。光が一緒にいてくれたおかげで、私は幸せだった。」

 

「僕も、幸せだった。」

「奏。」

 

奏が僕を見る。

どこか不思議な雰囲気をした女の子。

とても綺麗で、どこか悲しそうな彼女。

そんな子に僕は恋をしていた。

 

「これ、僕からのお礼。」

 

僕は今日買ったネックレスを出した。

 

「これを、私に?」

 

「うん、そのために買ってきた。」

「この花はアネモネ。真実って意味らしい。」

「着けて、くれるかな?」

 

「うん」

 

僕は奏の首に手を回し、ネックレスをつけた。

 

「良かった、サイズはピッタシだ。」

 

「光...ほんとにありがとう。この一ヶ月、私は幸せだった。」

「光のおかげで、最後にいい思い出ができた。」

「ほんとに...ほんとにありがとう...。」 

 

「最後じゃないよ、これからも僕達は、こうやって一緒に月を見る。」

「夏が終わっても、秋になっても、冬になっても。これからもずーっとだ。」

「僕は...奏のことが好きなんだ!」

 

「...私も光のことが大好き。」

「だけど、私はもうこの世の人ではないの。」

 

「どういうことだよ!奏!」

 

「私はもう、死んでいるの。交通事故で。」

「なにも思い出のないまま、死んでしまったの。」

「なにかしたい、なんでもいい。自分が生きてたっていう証が欲しくて、私はこの世にいた。」

「だけど、もうそれも今日で終わり。」

「光。光が私が生きてたっていう証を教えてくれた。思い出をくれた。」

「だから私、もういかなくちゃ。」

 

「そんなの...やだ!行くな!行くなよ...奏...。」

 

奏の足元が、光の粒となって消えいく。

 

「ありがとう...。大好きだよ。光。」

 

「僕もだ、奏!だからお願いだ!いかないでくれ!俺を一人にしないでくれ!!」

 

奏の体は、もう胸まできていた。

 

「ネックレス、ありがとう。一生、大切にするからね。」

「光のことも、絶対に忘れない。私の好きな人。」

「私の思い出。」

  

「奏..僕も奏のことを忘れない。奏が生きてた証を、僕は忘れない!」

「また、逢えるよね。絶対に、逢えるよね?」

 

「また、逢えるよ。そしたらまた、一緒に月を見ようね光。」

 

「ああ!絶対だ!」

 

「ありがとう、大好きだよ、光。」

 

「それじゃぁ...また明日な、奏...!!」

 

「うん、また明日...。」

「さよなら、光。」

 

すべてが光の粒となって無くなった。

奏が、僕が、この公園が、全てが僕の思い出。

大好きだった日々、これからも一生忘れないでいこう。

 

アネモネの花言葉は真実。

もうひとつは、恋の苦しみ。

 

僕は苦しくない。

だって、奏がいたから。

 

 

僕は夜空を見上げる。

 

 

今日も、満月だ。

 

 


 


 

最初で最後の作品になるかな。

あんまりうまくは書けなかったけど

僕にとっては、最高の作品になったと思う。

ただの自己満だと思いますが。

 

こんな作品でも、見てくれる人がいるなら

僕は嬉しいです。

 

ありがとうございました。

 


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