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夏休み、出会い。

 

「...で、あるからにして、みんなこの夏休みを大事に使い、自分の未来のために頑張りなさい。」

担任の長い話が終わり、僕たちは明日から夏休みに入る。

 

僕以外のみんなは高校三年生ということもあり

塾の夏期講習や最後の大会に向けての部活の練習など

自分のためになることを始めている。

 

ただ一人、例外を覗いては。

「おーっ、光!夏休み何するの?」

こいつの名前は黒谷匠。

僕が唯一この学校で話す友達。

親友と言っても過言ではないかもしれない。

 

僕はそれになりに匠のことを信頼してるし

これからも仲良くしたいと思っている。

一人が好きな僕にしては、こういうこと言うのは珍しい。

 

「僕は適当に、色んな所に散歩とかかな。」

僕には趣味というものがない。

 

つまらない人間かと思うかもしれないけど

案外そういうのもいいと思ってしまう。

 

「光はホントに変わってるなー。健全な男子高校生だったら

 彼女のひとりやふたり作って、夏に一緒に海行ったりしたいだろー。」

 

「あいにく僕はそういうの興味ないからね。」

 

「まったくつれないなー。ま、夏休みにどこか二人で行こうぜ。同じ独り身同志。」

 

「そうだね。それじゃ、また。」

 

僕は適当に流すことにする。

 

学校から帰宅して、とりあえず僕は本を読むことにする。

どこにいくわけでもなく、何をするわけでもない。

時間潰しにはもってこいだ。

ついでに今呼んでいる小説は、僕が好きな作者の乙一さんの本。

この人の作品は、毎回毎回とても深い話で感動する。

 

家に一人でいる時間も好きだ。

親は共働き夜まで帰ってこないし、兄弟もいない。

だから、それまで一人。

ずっと本を読んでいるだけだけど、それでも僕はいい。

誰にもこの時間を邪魔されず

自分の世界に入り込めるから。

 

辺りが暗くなってき始めた頃、親が帰ってきた。

大体先に帰ってくるのは母親だ。

父親は普通のサラリーマン。

母親は普通のパートのおばさん。

なんの変哲もない家庭。

お金持ちでもなく、貧乏でもない。

ただ、二人とも僕に似ているから

この空いてる時間を無駄には使いたくないらしい。

だから働くのも自分のため。

この二人を見ていたから、僕はこういう風に育ったんだな。と

ひとりでしみじみと思う。

 

夜の10時、父親も帰ってきて晩飯に。

少し遅いけど、動いていない僕には丁度いい時間だ。

ご飯を食べ終わり、僕はお風呂に入る。

そしてお風呂から出たら、散歩に行く。

これが僕の日課だ。

 

いつも通り、1時間ほどの散歩に行ってくると

親に伝えて、出かけることに。

 

外にでると、夏とは思えないほどの涼しい風だった。

お風呂上がりのためかとても気持ちいい。

適当に家の周りをブラブラする。

最後にいつも寄る誰もいない公園へ。

 

だけど今日だけは違った。

いつもは人のいる時間ではないのに、女の子がいる。

僕と同じくらいの子。

 

その日は満月だった。

 



 


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