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牢屋とニーサン

ちょっと…ナニコレ?


だから不安だって言ったじゃないっ!!!









ぴちゃん…




ぴちゃん…



(えっと、とりあえずココドコ?また?あれ…なんか前もこんな感じで…。)




薄暗い窓もない、湿った鉄くさい部屋。


明らかに地下牢。


鉄格子の先には一つだけ小さなランプがあるだけでほぼ暗闇といっていい。

先ほどからダビドに呼びかけているが音沙汰はない。

完全な孤立無援だ。


(まだ最初のミッションの魔術師さんに会って状況確認も出来てないんだけど…。)


鉄格子を力いっぱい揺らしてみてもびくともしない。

わかってる、見てわかる。

でも少し抵抗したかったのよ…。


とりあえず壁を調べてみる。

だから分かってるって。

仕掛けとかあっても訳わかんないし、(むし)ろそんな事リアルではありえないよね。

映画の主人公じゃあるまいし。


そんな無意味な事をしていると足音が聞こえて来た。




カツ、カツ、カツ…


「お、坊っちゃん起きたのか?」


(…ぼ、坊っちゃん。…まぁ、いいよね。なんでも。)


早々に朱吏は諦めた。


「飯食うか?あ、その前に水か?」


(なんなの?待遇いい気がするのは気のせい?)


(ちな)みにココ、魔法使えない結界張ってあっから、変な気起こすんじゃねぇぞ?」


(ああああ、そんな待遇良くなかったわ。でも魔法使えないから意味ないし。あれ?魔術師と勘違いしてない?)


「つーか、そろそろ喋らねぇ?一人で喋ってんの寂しいんだけど?」


「はぁ。」


(なんかこの人憎めないなぁ…)


「飯と水持ってくるからおとなしく待ってろよ!」


「…ちょ、ちょっと待って!!私いつ「待ってろ、話は飯食ってからだ。返事は?」…はい。」


「よろしい。」


(もう…強引だなぁ。ま、聞きたい事は教えてくれるっぽいし!お腹すいたし、ちょうどいいや!)




質素な食事を想像してたら意外に普通の食事だった。

ビーフシチュー的なこちらの庶民的な食事です。


「どうだ?旨いか?」


「お肉ホロホロで美味しいです。」


「だろ?おまえなかなか起きないし煮込む時間はあったからな。」


「え゛、おにーさん作ったの??すっごい!!」


「俺しかいねぇのに誰が作るんだよ。ま、美味しそうに食ってくれるから作った甲斐はあるな!」


鉄格子越しにワシャワシャと雑に頭を撫でられた。

…今鉄格子越しだったの忘れてた。

あまりにも緊張感がないが、牢屋に入れられてるんだった。


「…で、何の用でハインリヒきたの?」


「(ぎくっ!)…何って仕事で…。」


(つーか突然核心ついてきた!!!もう、このニーサンよくわかんない!!)


「仕事ぉ~??こんなガキにぃ?」


「…ガキって。いくつに見えるの?」


「ん?14くらいだろ?」


「…。」


(泣きたい。ヒュー達もそう思ってたのか…。)


「違うのか?ああ、アグネス諸国の人種は童顔だからか。」


(!!アグネス諸国から来たと思ってる?!だから黒髪の私が好都合だったのか…!)


「で、なんで私はここに?牢屋に捕まるような事してないんだけど…。」


「何言ってんだ、あんな高位妖精と契約してて!一体何しに来たんだ!!」


「え?契約?何それ。」


「はぁ?してねえで連れまわしてんのか?意味わかんねえ!!」


「ちょっと…ホント何言ってるのか分からないんだけど。」


ダビドの事はばれてるのよね。

姿消せばばれないんじゃないの!!!

既に最初っからばれて捕まってるんだけど!!

というか、高位妖精って連れまわしちゃいけないの??

やばいぞ…分からない事が多すぎる。

聞ける人が目の前のニーサンしかいない。誰もいないじゃん!!


「ま、おまえ悪い事出来なそうだし。牢屋入れるほどの事じゃねえよな。」


「え?」


ガチャリ


「出ろよ。もう夕方だからな、飲みに行こうぜ?」


「はぁぁぁぁぁ????」


じゃあ最初っから牢屋入れる意味なかったんじゃ????

なんなのこのニーサン!!!

適当すぎる!!!!


ま、酒は好きだから行きますけどね!!!






   ***





「ここでいいか?俺のお勧め。適当に頼むぞ!」


「…お任せします。」


なんだかなぁ~。流れ出来ちゃったけどいいのかな。



青い小鳥亭とは違い、西部劇で出てきそうな危険な香りがする酒場だ。

客層も強面が集まっている。

カウンターでは大きな音を立て揉めているようだ。

煙草の煙でカウンターの先は見えない。

どんだけヘビーなスモーカー達が集まってるんだ?

雰囲気的にテキーラやっちゃいたい。



「ねえ、おにーさん!私にもお酒頂戴よ!!童顔でも成人してるんだから!」


ココ大事!折角ハインリヒ帝国の酒場に来たんだから堪能しないとね!


「ハイハイ。調子狂うな、おまえ。」


「…おにーさん程じゃないと思うよ。」


そういえばダビド…。

呼んじゃだめなのかなぁ。

さっきは結界内だったから呼べなかったっぽいし。


「呼んだ?」


『うわぁっ!!!』


「大げさだなぁ。そっちにのニーサンにばれてるみたいだから隠れる必要ないでしょ?」


「まぁ…そうなんだけど。」


「ホント、あんた何者なの?」


「それより大丈夫なのかよ!なんかされたか?…なんだよ!ジロジロ見るんじゃねえよ!」


これこれ…。

ダビドはこうじゃなくちゃね!

ふふふ…。


「だからソレやめろって!!!くっつくな!!」


「なに、おまえ変態なのか?笑い方気持ちわりぃな…。」






こうして3人で酒盛りがはじまりました。




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