表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/38

親友と恋煩い


(もうこんな時間か…)


夜五ツ(夜8時)になっていた。

だけど足取りは重い。

今は珍しく、あの美しい長髪を高い位置で(くく)ってる。

ヒューは悩み途方に暮れる時、髪を括る癖がある。

仲の良い人達からみたら、悩んでいるのがバレるのだが

全然気づいていない。



「あ、あの!!!マクシミリアン様!!」


「?」


思い(ふけ)っていたら門番に声をかけられた。


「ス、ステファノ様からの伝言ですっ!朱吏様は青い小鳥亭に行ってるそうです!」


「…了承した。」


ステファノと酒場へ…?

凄く気になる、気になっているが、そこに思い巡らす相手がいる…

一人葛藤していると、


「あ、あの、フィリップ様も追いかけて行かれました!!」


何?

フィリップまで…!


「あ、あと、手紙も預かっています!」


差し出された手紙を引ったくり、礼も言ってない。

すでに青い小鳥亭に足を向けて走り出した。


門番はすっかりカトリーヌの事を言い忘れた。





                          ***





カランカラン


力が入りすぎた。

思いっきり扉を開けてしまって、注目される。

ハァハァと肩で息をし、朱吏の姿を大股で探し回る。


(居た!)


今日は珍しく2階席に居たらしい。

もうすでに出来上がっている…主に朱吏が。



「あ、ヒュー!!ここだよぉ!!ひゃっほーぅ!」


「ふふふふふふふふ。」


あのステファノも酔ってる?非常に稀だ。


「ちょっとマックス!早く来なさいよ!!シュリはいつもこうなの!?」


「も、もう飲めないっす…帰っていいですか?」


「駄目に決まってるでしょ!!!」


カトリーヌは辛うじてマシなようだ。

素早く酒を注文し、席に着く。

なんでこんな事になってるんだ。


とにかく今日は早く帰ろう。

それでこれからはちゃんと別々の部屋で…

俺が押さえなくてどうする。

もう泣くような思いはさせたくない。





                          ***





邸宅に着き、朱吏をそっと寝かせる。

決めた事は守る男だ。

キスは我慢したらしい。



そういえば…と、手紙の存在を思い出し、取り出した。

思わず苦笑が漏れる。

どれだけ焦っていたのだ。握りつぶした後で分かってしまう。


カサリ



  マックス?僕は怒ってるよ?

  わかってるよね。

  こちらに飛ばされて来て、知り合いもそんなに居ない。

  それで嫌がらせなんて…。

  君は好きな人(・・・・)を守りたいんでしょ?

  よく考えて。

 

  親友のステファノより




(ああ、俺は朱吏が好きなのか…)


今更だけど心にストンと落ちた。

パズルのピースがカチリとはまった感覚だ。

触れたかったり傍に居て欲しかったのも、

一緒に笑いあえるのもみんなみんな…





自分の気持ちは分かった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ