団長達とやっかまれ
スキンシップが多い気がする…
気だけじゃなく多いのである。
お早うの挨拶どころか、今じゃ、ただいま、おかえり、行ってきますなど…
全てにおいてキスが付いて回る。
しかも最近はマウストゥーマウスだ。
帰国子女の友達よりも、飲み友達のケインよりも多い。
暇さえあれば抱きしめてくるし、手は必ず繋ぐ。
だが、すでにスキンシップに慣れて、生活の一部になっていた。
日本人じゃ無理だなぁ…と朱吏は呟いたが、思いっきり朱吏は日本人である。
***
「侍従の少年とイチャイチャして…ふふ…凄い噂だよ…ぷっ」
「…うるさい。」
やっぱり二人は目立つのである。
街で少年と手を繋ぎ、歩き回る様は皆の視線を集めた。
女性と少年を同じように交互に連れまわし、常に目立っていたので
同一人物だとばれていた。
なので最初から思っていた弊害が起きていた。
「ちょっと!!マクシミリアン様とどうゆう関係よ!!!!」
「横から突然出てきて何なの!!!図々しいっ!!!」
「雑用使いっぱしりの侍従のくせにっ!!」
只今絶賛呼び出し食らい中です。
まあ、分からないでもないが保護者だし…
という理屈も通じず困り果てていた。
返事をすれば怒られるし、黙ってれば聞いてるのかと怒られる。
なんだかどうでも良くなっていた。
寧ろ飽きていた。
階段で背を押されたり、バケツの水をかけられたり、
脅迫まがいの手紙が渡されたり…
私が宰相閣下様にチクるとか考えないのだろうか?
後々面倒になるのでしませんが。
***
「シュリ!なんで私に相談に来ないの!!!」
突然背後から怒鳴られた。
「カトリーヌ…。」
二人は住民登録の日から仲良くなり、親友になっていた。
「いいから付いてきなさい!!!」
まだ仕事中なんだけど…勿論カトリーヌは聞いていない。
彼女の団長室に招かれた。
「シュリさんお久しぶりですー。元気でした?」
「おバカ!!!!」
(二人はうまくいってるんだぁ…)
朱吏は全然関係ない事を考えていた。
「なんか凄い噂が飛び交ってるけど…どうなの?」
「ああ、デキてはないけど他の噂は本当ですよ。はぁ~。」
思わずため息が漏れた。
「え!?手繋いで歩いてるとか、頬笑み合ってるとか…」
「ああ、ハイ。」
『!!!!!』
「マクシミリアンさんが???あははははは!!!!」
フィリップは腹を抱えて爆笑しだした。
なんだか居たたまれない…
「デキてはないって言ってたけど…」
「はい。そうゆうのはないです。ないんですけど…」
「なに…他に何かあるの???」
カトリーヌは前のめりに聞いてきた。
心なしか楽しそうだ。
「こちらの人って凄いんですね。私も慣れなきゃいけないんですよね~」
もう十分に慣れている。
「ど、どうゆう事?詳しく…話せる…?」
少し肩を揺らし笑いを堪えてるカトリーヌと爆笑から覚醒したフィリップが
興味津津に迫ってくる。
少し怖い…。
「毎日何度もハグとかキスとか当たり前なんですか?」
二人はピタっと固まった。
数分固まった後、アハハとかウフフとか、乾いた笑いをして
『アタリマエダヨ~』
と、棒読みのセリフをハモり、二人はぎこちなく抱き合った。
朱吏は、そっか!じゃあしょうがないですね。と完全に気にしていない風だった。
団長カップルは面白そうだから放置の方向に決めたのだった。
そして謀らずとも二人の距離はグっと深まった。




