向き合わないたち
(ここ最近ヒューに避けられてるんですが…)
ヒューの態度は非常に分かりやすかった。
喋らない、目を合わさない、時間をずらす。
一番思い当たるのは、やっぱ酒?
勝手に飲んだから?
違う、多分そんなんじゃ怒らない。
酔ってなんかした?
いやいや酔っても絡むだけでなんもないハズ!!!
そうこう悩んでいるうちに、住民登録出来る期日が迫ってきた。
残る日にちは3日。まだヒューと喋れてない。
後3日で事実上ここを出ないといけない。
このまま仲違いみたいな離れ方は嫌だ。
思い切って会いに行ってみよう。
おっとワンクッション…。
ちょうどフィリップに会ったので聞いてみることにする。
「…シュリさん、何したんだ?」
額に手を当て、本当に困っている顔だ。
実際困っていた。何故かヒューが機嫌が悪い。
たまに手が止まったと思うと、突然顔が赤くなる。
ステファノは何が起きたか分かってたみたいだ。
騙すのは気が引けるが、
フィリップはステファノの提案に乗った。
「え!!なんか聞いてる???」
(ヒューの有力情報!!)
「いや…だけど…う~ん。」
「なに?なんでもいいから教えて!なんか数日前から避けられてて、このままは嫌なんだ…。」
ふう。と息をつき、フィリップは顔をあげた。
「…。じゃ、行きましょうか!」
「え?」
「約束なしで会いに。ステファノさんみたいに
行ってみましょう。」
「…うん!」
***
「駄目だ。帰れ。」
(なんか泣きそう…、なんでこんな拒否?)
「外で待ってるから、終わったら呼んで下さい。」
パタン
気まずい。気まずすぎる。
お互い無言で違うところを見ている。
ヒューは書類から目を離さないし感情は顔に出ていない。
朱吏は頑張って目を見るが合わない。
が、話が進まないので朱吏が切り出した。
「わ、私…な、にかした?」
もはやヒューの無言の圧力と切羽詰まった期限とで
緊張が最高潮だった。
泣きそうだ。
喉の奥が詰まって声がちゃんと出ない。
こっちに来ちゃってからずっとお世話になってた。
これからは一人で頑張らなきゃいけないのに…。
帰れるって信じててもやっぱり寂しいのかも。
もうヒューとも飲めないんだろうな。
こんな国の要人とは…。
「…なにも。気にすることはない。」
…だめだ、教えてくれない。相当怒ってるのか、呆れてるのか。
そんなに目も合わせたくない位の事、しちゃったみたい…
でもこれだけは、ちゃんと伝えないと。
「…後3日で、ヒューのとこ…出て行くことになります。」
「っ!」
「お世話になったので…あ、りがとう、ございました。じゃあ…帰ります。」
3日…。
そうか、そんな時期か。
朱吏には悪いが、もうすぐ解放される。
女性問題に感けてる場合じゃない。
書類は溜まる一方だ。
しかし、胸が痛むのはなんなんだろう。
庇護欲をかきたてられたか?
あの日は半刻泣いていた…。
また泣くのか?今度は一人で。




