酔っ払いとホームシック
「誰??ヒュー??」
「遅くなった…。」
(ちょっとちょっと…少しお酒臭い…)
若干千鳥足で歩くヒュー。
あんな無表情で酔いそうもないのに、どれだけ飲んだのだろうか。
普段より目が虚ろで頬が少し赤い。
なんだか可愛い。
「大丈夫?ふふふ~それとも一緒にまだ飲みます?」
「そうだな…。飲もう。」
そのお酒は元々ヒューだ。
図々しい朱吏を諦めた。
***
酒盛り2回目突入です。
ドブドブ、と雑にグラスに注ぐ。
朱吏はいつもこんな感じなので、既にヒューは気にしていない。
人の家で勝手に酒盛りしているくらいの朱吏に、何を言っても無駄な気がする。
「え~、今宵もいきますか!!!」
「…早くしろ。」
「…年甲斐もなく二日酔いで記憶無くても…カンパーイっ!!!」
「…まあいい。乾杯。」
結局一緒に飲んだのは美人2、3でした。
こんなになるまで飲めるのは仲のいい証拠だ。
私みたいにテンション上がるタイプではなく、黙々と話を聞き
相槌を打ち飲んでいる。
やばいな…居酒屋に一緒に行ったら最高のタイプだ。
ついつい酒もすすみお互いに酔っていく。
「…朱吏。」
「っ!!!」
(…な、まえ)
「先に寝る。」
「え~!!ちょっと付き合ってよ!!えへへ。」
名前を呼ばれたのもそうだが、発音もしっかり呼んでくれた事に心舞い上がる。
こんなに嬉しいものなのか…。
そうだ、日本を離れて少ししか経ってないけど
こんなに恋しい。
家族、友達、飲み仲間、元気してる?
会社での私の扱いは、やっぱりクビだろうか?
転職したばっかりだったのに。
目から汗が出そうだ…
いやこれは鼻水だ。
「どうした?」
「…なんでもない。」
「…。」
ホームシックかもしれないな。
ヒューは酔いながらも気にかけていた。
今日ステファノに忠告されたばかりだ。
まだこんな子供…いやあちらでは31才でも子供なのか分からないが
子供に決まってる。小さすぎるし髪も短い。
こちらの世界では男女大人になれば髪を伸ばす。
魔力が上がるからだ。
そういえばフィリップが言ってたな。
子供の扱い方はフィリップが一番慣れている。
助言通りにしてみよう。
出来るだけ優しく頭を撫でてみた。
朱吏は驚いたがやがて大粒の涙をこぼした。
(やはり…な)
「っ!!」
今度はヒューが驚く番だった。
朱吏が抱きついてきたのだ。
わんわん泣いている。
(しょうがないな…)
腕を背に回し、ぽんぽん宥める。
子供も姪も甥も居ないがこんな気持か?
(結局はこれか…)
また寝た…。
ヒューの夜着を離さない。
まあ子供だし、いいか。
もう酔ってて深く考えていない。
また二人一緒に眠りについた。




